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人間のお祭りに行こう(3)

「サクサク……じいちゃんはご機嫌だな。ニコニコ笑ってるぞ」


 ベリアルはずっとお菓子を食べ続けているね……


「そうなんだよ。最近ずっとご機嫌なの」


「嬉しい事でもあったんだろ。サクサク……」


「嬉しい事……か」


 さっきのドラゴン王の話と同じ事だったりして。


「じいちゃんの嬉しい事は、いつも誰かの幸せだったりするんだよな。サクサク……」


「……え? そうなの?」


「きっと誰かに幸せな事があったんだろうな」


「……なんだか素敵だね」


「そうだな。サクサク……」


「おじいちゃん……ふんどし姿だね」


「そうだな。サクサク……」


「……たぶんあれ……人間の大声大会に行くつもりだよね?」


「そうだな。サクサク……」


「……捕まらないよね? あ……ふんどしが濡れたからとか言って全裸になったらさすがに捕まるよね?」


「そうだな。サクサク……」


「もう! 真剣に聞いてよ!」


「そうだな。サクサク……」


「ベリアル! 聞いていないよね!?」


「そうだな。サクサク……」


「はぁ……仕方ないな。おじいちゃん! おじいちゃん! カサブランカだよ!」


 あ……

 気づいたみたいだ。

 ニコニコ笑いながら手を振っているね。

 何か叫んでいるけど、ここからじゃ聞こえないや。


「カサブランカ。おじいさんが乗せて欲しいって言っているよ」


 さすがドラゴン王だね。

 耳が良いよ。


「ドラゴン王が大変じゃなかったらそうして欲しいよ。人間の国に着く前にふんどしを乾かして裸にならないようにしないと」


「はは。カサブランカも大変だね」


「おじいちゃんが捕まったら嫌だから……まぁ、空間移動で逃げられるんだけどね」



 こうしておじいちゃんもドラゴン王の背中に乗る事になった。


「あぁ……さすがに寒いなぁ。濡れた身体で風に吹かれるのは寒いなぁ。ハックショイ!」


 ガタガタ震えているけど大丈夫かな?

 でも……


「おじいちゃん……空間移動で第三地区に帰って温泉に入ったら?」


「んん? 大丈夫だ。ベリアルを抱っこすれば温かいからなぁ」


 本当に大丈夫なのかな?

 唇が紫色になっているよ。

 しかもベリアルはわたしの顔より少し小さいくらいのヒヨコだから全然温まらないと思うんだけど……


「サクサク……ん? えへへ。じいちゃんの抱っこは気持ちいいな。サクサク……」


「ははは。ベリアル、クッキーは旨いか?」


「うん! いくらでも食べられるよ! サクサク……」


「そうかそうか。ベリアルはかわいいなぁ」


 いや……

 本当に大丈夫?

 さっきより唇が紫色になっているよ。


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