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モヤモヤする心とママの未来?

「もう殿下には会わない方がいいと思う……」


 やっぱりそうするべきだよね。


「どうしてだ?」


 おじいちゃんが尋ねてきたけど……


「……生きる時の長さが違うわたしといるより……同じ時を生きる王女や両親といた方がいいから……」


「……そうか。人間の国に来た事……後悔してるんか?」


「……え?」


「後悔……してるんか?」


 すごく真面目な顔だ……

 

「……分からないよ。まだ……心が空っぽなの……」


「……カサブランカがフロランタンを持って来なかったら……あの親子はまだすれ違ったままだったはずだ」


「……え?」


「カサブランカが勇気を出してベリアルに会いに来たから……ベリアルは前に進めたんだ」


「……おじいちゃん」


「ありがとう」


「……え?」


「カサブランカ……ありがとうなぁ」


「どうしてお礼を言うの?」


「カサブランカ……ぺるぺるの事は任せとけ」


「……ママの事? え? ママがどうかしたの?」


「数千年先の話だ……じいちゃんはクロノスの父ちゃんだ……息子の考えてる事は分かるさ」


「……? 何の事?」


「すっかり忘れてるんだなぁ……でも……大丈夫だ。お月ちゃんとぺるぺるとハデスちゃんとじいちゃんで知恵を出し合って考えるから……いや、ブラックドラゴンもあの秘密を知ってたか……」


「……おじいちゃん?」


「さあ……帰ろう」


「おじいちゃん?」


「クロノスが今みてぇにしか生きられなくなったのは、じいちゃんのせいだ……」


「……え?」


「安心しろ……数千年先もずっとずっとぺるぺると一緒にいられるからなぁ」


「おじいちゃん? よく分からないよ……」


「これからもカサブランカはずっと幸せに暮らせるって事だ」


「……? うん……?」


「さあ、帰るぞ。お月ちゃんが焼きまんじゅうを作ってくれてるはずだ」


「え? おばあちゃんの焼きまんじゅう? やったぁ! あれ大好き!」


「ははは。じゃあ帰ろうなぁ……」


「うんっ!」


「(ずっとずっと笑ってろ……ずっとずっとじいちゃんがその笑顔を守るからなぁ)」


「ん? おじいちゃん?」


 よく聞こえなかったよ……


「……じいちゃんが創り出したこの世界を……じいちゃんが守らねぇとなぁ」


「え?」


「ほれ、手を繋ぐぞ。空間移動で帰るから目を閉じろ。焼きまんじゅうが待ってるからなぁ」


「うん! 早く早くっ!」


「ははは。カサブランカはかわいいなぁ」


 こうして第三地区に帰ると皆で焼きまんじゅうを食べる。

 赤ちゃんの身体に戻ったからパパが小さく切って口に運んでくれるんだけど……

 甘じょっぱいタレが堪らないっ!

 

「カサブランカ……タレで口の周りがベトベトだな」


 パパが優しく微笑みながら口を拭いてくれている。

 

「えへへ。おいしいんだもん。パパ! もっと食べたいよ」


「そうか。ゆっくり食べるのだぞ? 今のカサブランカは赤ん坊だからな」


「うん!」


「ふふ。カサブランカは甘えん坊さんだね。お茶も飲んでね。ジュースがいいかな?」


 ママが笑いながら話しかけてきた。

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