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7-5. 倫理規定

2025/03/04 大幅に修正

 ヨコハマでは女神はアイドルだった事をすっかり忘れてましたよ。


 ヨコハマの支店に依頼が溜まってました。アイドルが探偵事務所やっているのだから、依頼が殺到するのは当然ってもんよ。


「殺到?3件だけでござるが?それも知恵袋で相談すればいいような内容ナリ」

「宣伝もしていないし、支店といっても空き地に建ったテントで誰も居ないのだから、3件は奇跡じゃない?」

「確かにね?」


 そもそもが、カワサキで真っ当な人生を送るのが目的で始めた事なので、ヨコハマの仕事を請けてもね?今度こそ支店は全て完全に閉鎖しました。ヨコハマもテントを片付けて土地は売りに出しました。

 ただし、溜まってる依頼は片付けましょう。知恵袋程度というのが屈辱ですが。


 1件目の依頼は、まさに知恵袋ですね。ここで質問する前にググれカス的なの。

 サブスクの解約方法が分からんと。確かに分かりづらい仕組みになってましたけどね?謎解きゲームかと思わったわ。サービス提供している会社はどこにあるかも不明なので、どうにも出来ません。ヨコハマをまるごと焼き払ってもいいけどね? 


 2件目の依頼は、とても深刻です。


「はあ。上の階の騒音がヒドイと」

「リフレクションの魔法で、騒音を返してやりましょう」


 集合住宅の騒音問題です。根本的に解決するなら、騒音の元をこの世から消し去るしか無いですが。ミーナちゃんのアイデアで騒音を反射させてやったら、騒音が倍増しました。目には目をの精神で、騒音に騒音を返しても無限コンボになるだけでした。むぅ。

 

「ヨコハマの人口はいくらでも増えるし、バカは消すか」


 怪人ミツバチ幼女の姿でクレームをつけに言ったら、とても静かになりました。何故か、速攻で退去しちゃいましたよ?炎上動画のせいですかね?大変な変態さんだと思われてます。

 それ以降、ヨコハマでは近所迷惑な事をすると、怪人ミツバチ幼女に消されてしまう、という怪情報が出回り、ヨコハマの住宅街は少しだけ平和になったそうです。

 風評被害が気に入らないので、実際に何軒か消してやろうかしら?女神を何だと思ってんの?

 

「騒音解決の報酬は100万円かー。結構な額に思えるけど缶コーヒーしか買えない。100万円玉で買える温もりー、うえーマズイー、ナニコレー」


 ヨコハマのハイパーインフレが止まってませんし、商売倫理の腐敗も止まってません。そういえば、何の手も打ってませんでした。もう、私の領地でもないしね。知らんわ。ヨコハマの資産は全てカジノで豪遊して溶かしちゃおっかなー。


 ほいでー次の依頼はー?


 ふむん。小学生の通学路で、スピード違反の上、横断歩道で減速すらしないクズドライバーが沢山おるとな?よし、無報酬で良いので、私に任せなさい。


「何か策はあるの?お姉ちゃん?」

「バカ共に車を与えるな!って言うでしょ?」

「片っ端から爆破するでござるか?」

「ソレだ!」

「ソレだ、じゃないでしょ。まじめに考えて」

「リフレクションの魔法で対消滅させれば?」

「それも、ダメだよ?」


 そうですね。ミーナちゃんの言う通り。暴力で解決するのはダメです。さっきの騒音問題もグレーな解決方法でした。騒音源を追い出しても、次の入居者がもっとうるさいかも知れません。


 黄色い旗を持った怪人ミツバチ幼女が交通整理しました。


「どけおらー!クソガキー!」


 なんて事。横断歩道を横断中の小学生にクラクションを鳴らして来ました。やはり、消すしか?

 いやいや、暴力を暴力でねじ伏せてもダメです。より強い暴力がやって来ます。最後は人類滅亡ですよ!


「おいおい、ここは俺等のシマだぜー。荒らしてんじゃねぇぞ」

「おめぇらもパクんぞこらぁ。ヨコハマ舐めんな」


 なんだかガラが悪いですけど。おまわりさん達がやってきて、取り締まりを始めました。


「あっ!こいつも逃げやがった!」

「おいおいー、誰だよここなら入れ食いだっつったのよー。止まらねぇとカツアゲできねぇじゃん?」

「いっそ爆破すっか?」


 大変です。この国は国家権力こそが腐敗してます。おまわりさんが、ロケットランチャーを向けたところ、やっと1台止まりました。


「おー、いい車乗ってんじゃねぇか?あぁ?反則金20億払うか、今この場で10億払うか選べよ」

「この車くれてもいいぞ?」


 ダメだこりゃ。この依頼は失敗です。もっと危険な事態になってしまいました。この国の路上は魔物しか居ません。ニンゲンのルールなんか通用しないのです。

 こんなモンスター国家を産み出したのは誰ですか?私達ですね?


 ヨコハマでは怪人ミツバチ幼女は、完全に魔女認定されました。

 ありゃ?魔女教の国でも、女神教の国でも、私は邪悪認定ですよ?

 やはり私は、あの村でヒキニートしてるのがお似合いなんですね。

 さあ、村へ帰ろう。


 ヨコハマの拠点跡地の土地を売ったら、更に資産が増えちゃいました。これ、どうしようかな。ヨコハマのお金は、ヨコハマに返すべきかしら?

 孤児院に全額寄付とかも考えましけど。明らかに貧困ビジネスの類いなんよねー。これはヨコハマ全体をどうにしかしないと、どうにもならんね。


「ふむ。ヨコハマの闇は深刻であるのう」

「そうなんよ。民主資本主義化は失敗じゃったんよ」


 皇帝陛下に、全ての罪を懺悔しました。いや違う、ヨコハマの現状を報告しました。


「分かった。彼の地は朕に任せよ。汝は別命あるまで待機」

「のじゃー」


 ニャア探偵事務所は廃業して無かったことにしました。企業ぐるみで悪事を働いておいて、逃げるトップ。まさに私じゃないかー!


「何故、ヒトは過ちを繰り返すのか」

「あんた、ヒトじゃないでしょ」

「ぶひぃ」


 今後は、皇室御用達の探偵事務所ではなく、国家の諜報機関として働く事になりました。ちゃんとお賃金も出ますし、公務員の年金も貰えます。多分一生老後は訪れないけど。不老不死なので。

 私の罪を赦して仕事までくれた皇帝陛下には頭が上がりませんね。方向オンチなので足を向けて寝ますけど。

 ヨコハマの資産は家電量販店も残った拠点も全部没収されましたけど、首都カワサキのラゾーナ風宮殿内に自宅を下賜されました。徒歩圏内で何でも揃う夢のヒキニート生活が再び!

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