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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
6.要件定義書 ~もはや神話ですわー~

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6-11. デリート

 魔王は公開処刑にした。


 最後は妹の手にかかったんだからシスコンとしては本望でしょうよ。

 ヨミランド遊園地の、解体予定の観覧車に括り付けて焼いた。

 ほっといたらヨコハマでテロとかクーデターが起きそうだったからね。悪事を働くとこうなるんだぞ、っていう見せしめのために派手にやった。公開処刑が庶民の娯楽になってしまうとか、この世界はやっぱり中世よね。いや、令和日本でも似たような事やってるか?


 あのクズ兄貴は、魔界の市長とつるんで実に小賢しい悪事を働いていた。

 ヨコハマの廻船問屋を優遇する条例を作って株価を高騰させると、高値で売り抜け。続いて今度は空売りをして、内部不正を捏造して告発し、幹部の派閥争いを煽った。株価は底値となり往復で莫大な利益を出した。インサイダー取引どころか、仕手戦?仕手戦ですらないわ。ただの詐欺。

 またややこしい事に、捏造した内部不正は事実だったっていう。似たような事をやっている大企業はヨコハマには沢山ある。この国はもう腐りきっている。ヨコハマを腐ったミカンにしたのは誰?まあ、過ぎた事はいいじゃないの。ね?民主主義はこの世界には無理だったかー。


「え?あのクズは復活するんでござるか?」


 ニートンからも、あのクズ扱い。タオルくんに至っては、あれを兄とは一度も呼んだことがない。そういえば、ニートンもタオルくんも、お姉様の事も女将としか呼ばないね。身内認定しているのは四姉妹だけ。何の拘りなのかというと、他生の縁が何かあるんだろうね?知らんけど。


「魔王になったものは、魂に輪廻転生の呪いがかかるんだって。知らんけど」


 お姉様が言うにはそういう事なのだけど。本当かなあ?先代魔王の生まれ変わりとか何処に居るの?

 極悪な手段だけど、過去から召喚すればクズ兄貴を復活させる事は可能ではある。やらんけどね。支払う代償も用意出来ないし。


「それで?これから魔界の新しい市長に挨拶に行くのよね?」

「うん。魔界の市長は暗殺されて、新市長にかわったからね」

「さすが魔族。市民の行動が早いでござるな」

「そじゃーね。ある意味真の民主主義といえるかもね。ダメなトップは物理的にリコールされる」

「物騒な話ねえ。でも、魔王のアテンドも無しに魔界に入れるの?」


 実を言うと、その検証も兼ねて魔界に行くのだ。


「ぬるぽっと入れたでござる」

「がっと強制送還されないかしら?」

「いやまあ、うん。市長に会いに行こうか」


 魔界の市庁舎もラゾーナなみたいな宮殿にある。カワサキ帝国の首都同様、施設の大半は娯楽施設だけど。


「まいどー!」

「あら、ニャア魔王様、ご機嫌ですね」

「ういっす」

「魔王ー?」


 ドラゴンスレイヤーにして、女神で魔王な魔法幼女。それが私。魔界にあっさり入れたのは当然。同伴の姉妹も全員ちゃんと入れたわ。


「まあ、そんな事だろうとは思ってたけど、どういう仕組みなの?」

「新しい魔王は魔族の投票で決まりました。ニャア様の武勇伝は絶大ですからね」

「えー?魔王って選挙制なの?先代の魔王に票入れた連中は何考えてるの?」

「アレは先々代の養子ですからね。縁故人事です。投票なしで引き継ぎました。ダメな前例を作りましたね」

「ニャアに票を入れた連中も大概よ」

「ぶひぃ」


 私の本質を知っているタオルくん達から見れば、そりゃ無謀な人事に見えるわよね。でも外から見れば、ドラゴンスレイヤーにして女神だし、地上最強の魔法幼女だからねえ。唯一の汚点は先代の妹って事くらい。


「ところで、このそこはかとなくエッチな雰囲気の市長は、もしかしなくてもアレ?」

「うん。マチダの家電量販店シリーズの一体」

「ロボット型に、AIを搭載できたのね?」

「いや、AIはクラウドにあって、これはただの末端」

「へえ?ようするに自由に動かせる傀儡ってことね?」

「そういうこと。ヨコハマにもこれと同じモノを送り込む予定。ここの統治が、うまくいったらだけど」

「また、えげつない事をしているでござる」


 魔王は選挙で決まったけど、魔界の市長を任命する権利は魔王にある。これも、良くない慣習なのでは?


「やはり魔王たるもの、世界征服くらいは企んでいただかないと」

「株式操作なんて小賢しい悪事は認めないって事ね?」

「それが魔族の総意です。無銭飲食をする魔王など論外です」


 無銭飲食はニセ魔王の仕業、かと思いきや、本人もやってた。完全にクズ。

 このロボ市町、ちゃんと魔界の民の心を把握しているようだね。しばらく魔界の統治を任せてみましょう。もしダメなら魔界ごと消滅させればいいわ。それこそ魔王の本懐なので、魔族共も喜んでヴァルハラに行ってくれるよ。


「ほいじゃあ。うまくやってるみたいだから、帰るわ。報連相はテキトーにね」

「はい、ニャア様。ご武運を」

「いや、別に戦いに行くわけじゃあ、あるな」


 もうIT革命なんて夢幻の如しね。計画は変更しないとね。魔法で成し遂げるIT革命があってもいいでしょうよ。いや、もう何もしない方がー?


「次は、ヨコハマに行くのかしら?縁故人事は良くないって国王も言ってなかった?」

「私は、国王の妹だけど、ヨコハマは女神教だからさ。実力の点で問題がないんよ。おそろしい事にね」

「魔王らしくヨコハマを焼き払うナリ?」

「それは最後の手段よ。それに行くのはヨコハマじゃなくてマチダ」


 なんてなー。もうやってられんわ。私は由緒正しいニートなのよ。国の統治だとか知らんわ。ヨコハマは自治区だし、マチダの市町は、家電量販店の店長だよ。もうほっといた方がいいでしょ。


「ふっひぃ、うぼぐろあぁ、ぷしゅうぅ」

「それでこそニャア殿で、ござるな」


 折角、魔界に来たのだ。悪魔の湯につからずには帰れぬわ。そろそろ、ここの効能で不老不死がミーナちゃんにも備わった頃じゃないかな。


「あれ?ここの効能で不老不死になれるなら、なんで先代魔王はあっさり死んだの?」

「あのアホは風呂嫌いじゃけ」

「ほんと、アホねえ」


 不老不死になる事が良い事とも言い難いよ?魔族達も、大怪我や大病を患わない限りは、悪魔の湯には入らないそうだし。不老不死と、引き換えにするものが、きっと多過ぎるのだ。例えば、お腹が空いても、死ねぬままずっと苦しむし、おしりのあなを患ってもそう。不老不死は、病知らずでは無いのだ。おしりのあなは悪魔の湯で治せるけどね。


「お風呂から上がって牛乳飲んだらー、ゲームしよ」

「お?みんなでゲームするのは久しぶりでござるな」

「ライブハウスに、おもしろいゲームがあるんよ」


 グランドセフトなアレ。ここの古代ロボは全て支配下にしたので、もう体を乗っ取られる事もありません。念のために、古代に行って管理者権限を操作してROMに焼き付けておいた。一度だけ私に反抗して世界征服を目指すように。ああ、なんてこと。結局何もかもが、私自身の仕込んだ茶番だったのよ。


「ひゃっはー!オムツは交換だー!」

「ああ、ゲーム内だから悪事をやりたい放題。ニンゲンの業は深いわね。こんなに楽しいなんて」

「あ、この神社のシスター、あいつじゃないの?」


 4人でオンラインモードです。筐体は一台しか無いけど、クワッドモニターで4人別々に遊べるのです、同じゲーム空間に入って。タオルくんとニートンが、シスターの頭蓋骨でサッカーしています。マジ蛮族。


「こいつ死んだから、またどこかのゲーム世界に転生したでござるか?」

「さあねえ、どこかの古代ロボのAIにでも転生するんじゃないの?」

「それは、なんともアレねえ」

「アレでござるなあ」

「おもしろそうって事?」


 古代ロボ遺跡のトレジャーハンティングを再開しようか?

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