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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
6.要件定義書 ~もはや神話ですわー~

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6-9. アップグレード

 こややし製薬の魔薬「おとなになーる即効性座薬」


「店長?この薬は危険過ぎるでしょ?」

「あ、はい。ですかねー?」

「ヨコハマ暫定統治府の代行として、コレは没収します」

「え?えー!?」

「あ?この店が潰れるような条例作るぞ?」

「あ、はい。どうかお持ちください」

「かわりと言っては何じゃけど、服売ってるなら一番高いの買ってあげるから」

「あ!ありがとうございます!」


 異世界転移魔法で、マチダの家電量販店にピンを打って飛んできました。

 やっぱ、この店ヤベえわ。オタマ村の私の家よりも、簡単にピンが打てた。お陰で便利そうな薬をゲットできたよ。


「シルク製のパンツとジャージかあ、どこで作ってんのコレ?まさかここで買えるとは」


 貴族なんだかニートなんだか、よく分からないソレを購入して、試着室に入りました。パンツは2枚セットで黒と白。何だか、この先にやるべき事が示唆されているようなパンツの色ね?購入したパンツとジャージは大人サイズです。

 おもむろにヌルポっとパンツを脱いで、ガッと座薬を入れます。うわわわっ。


 確かに即効性だわー。大人になったよ。24歳くらいかな?ダイナマイツなボディじゃなくて、すっとんとんじゃけど。何故?

 まあいいわ。シルクのパンツとジャージを着てー。びっくりしている店長を置き去りにして、テレビコーナーに行きます。ニュースを見るためにね。


「おもらし事件で有名な王女が発見されました。当局の調べに対して、私はやってない、おささっただけ、などと供述しており」


 ふーん。あいつ生きてたの?そんな事実は知らんので、これはちょっと未来なのかな。

 ほいじゃあ、次は時をかけるかな。えーっと、いつに行けばいい?次の特異点は、あれかな?私達がサガミハラに捕まった時か。


 ひとつ、ふたつ、みっつ、いちまいたりない。あれー、なんの話コレー。


 うん。今度こそ、あそこに見えるのはドッペルゲンガーならぬ、過去のニャアちゃん。ヨコハマの郵便局のカウンターで手紙を書いています。24歳のニャアちゃんは、まるで元女神のお姉さんなので、こっそり物陰から様子を伺います。危険な薬で擬態した意味が無いよ。


「何の話?完コピって」

「ボスケテの呪文よ」


 よし。魔王兄をここに召喚っと。まだゲーム世界に居るはずだから救助するついでに、過去の辻褄を合わせます。なんで、手紙を出してもいないのにアイツはここに来たのか。またひとつ謎が解けたけど、私は一体何をやらされているの?


「まあまあ、これでも僕は当代の魔王なんだよ?妹のピンチなら命だってかけちゃうよ」

「早っ!もう来たよ。手紙が届くより早っ!そもそも手紙出してもいないし。そして、妹への愛が重っ!!」


 あいつこそ順応性高いなあ。何?マジで妹のピンチを、ゆんゆんと感じ取っていたとでも?すげえな。一緒にゲーム世界に入った事で、絆が深まっちゃったかな?

 さてー、次はー。あぁ、もうめんどくさいなあ。誰の仕業なのコレは。次の特異点は何じゃっけー?

 オタマ村かな?違うなー。ああ、もうワケ分からない。


「はいはーい!お姉さんの事呼んだ?」


 もう一度、幼女な女神様の居る異世界に来ました。24歳のニャアちゃんの姿でね。元女神のお姉さんに見えるはずなので、彼女を騙ります。

 元女神とはいえ、お姉さんに他人を異世界に送る魔力なんてあるはずがない。あの時、私とミーナちゃんを異世界に転移させてくれたのは、私だったワケよ。だって、今ここには古代ロボのニセニャアが居てマナカナを吸い込んでいるので、魔法は使えませんからね。ほいじゃあ、どうやるかって?古代ロボのニセニャアを破壊した時に、マナカナストレージを引っこ抜いておいたのです。これはマナカナ吸引回路が吸い込んだマナカナを溜めておく機械的な魔力袋。これさえあれば、マナカナの枯渇した世界でも魔法が使えます。難点があるとすれば、座薬型だって事くらいよ。


「向こうの世界の私によろしくね?」

「妹の事を頼むでござるよー」

「じゃあなあー、もう来るなよー」


 よし、ここまではシナリオ通りってヤツよ。まじそのまんまの意味で、このセリフを使う日が来るなんてね。

 ほいでー、私は、神社の境内に来ました。居ましたよ、ニセニャアが。


「おい、おまえ。ここで何してんだ」

「え?あれ?な、何?お姉さん誰?」

「尋問するの面倒だな。えいっ」


 こいつの構造は判明しています。魔界地下の古代ロボ倉庫に、設計図があったので。暇つぶしに読んでおいて良かったわ。システムエンジニアは暇つぶしに設計書とか読んじゃいます。

 頭の中にデータストレージがあるので、魔法で引っこ抜きました。持って帰ってアールくんかミクルちゃんに解析してもらいましょう。ついでに、運動を司る回路を破壊っと。貧弱な幼女に倒せたのは、本人が仕込んでおいた、茶番だったんだね。


 次は、なんじゃっけ?


「こにゃにゃちわー!起きた?R9821号」

「え?何?なんであなたここに入れたの?え?この人が僕の管理者に登録されている?どういうこと?」


 アールくんの秘密基地に来て、アールくんの妹であるR9821号を起こしました。

 入口の生体認証は突破できて当然。この基地も、R9821号も、私の管理下なのだから。前回とは違います。24歳になっているだけで、生体情報はかわらんものね。


「ほい。このデータストレージの記録を解析してちょうだい」

「あ、はい。少々お待ちを。むーん、むーん、ぴろーん!解析完了です」


 ニセニャアちゃんから引っこ抜いたデータストレージの記録を解析してもらったところ、古代ロボの企みが分かりました。


 あのニセニャア型古代ロボは、バカ兄貴魔王が見つけたゲームの中にAIをバックアップしていたので、バカ兄貴がゲームを始めた時に目覚めちゃいました。 

 兄貴をスキャンしてキャラメイキングした時に、なんと記憶までスキャンして、国王や魔法幼女の存在を把握してしまいました。

 世界征服のために作られたAIだったので、魔王と私と国王の粛清を開始。世界征服の邪魔になるもんね。

 やることが随分と小さいけどね。ニセ魔王が無銭飲食をして、魔王の信用を失墜させるとか。ほっといてもあのバカは、ヨコハマの廻船問屋の株が紙切れになって廃人になるのに。

 ニセニャアは、マナカナ吸引回路を使って、私とミーナちゃんの魔法を無力化させてたワケ。幼女な女神様の居る異世界にも、バックアップ機を送り込んでた。ニセニャアは、私の魔法までコピーしてた。まじやばいな古代AI。


「ほいじゃあ。もうすぐここに、もう一人の私と妹のミーナちゃんが来るから。よろしくね」

「はい、お嬢様」


 異世界に居たニセニャアがバックアップ機なら、メイン機はどこじゃー?もう一箇所、マナカナがあるはずなのに無かった場所は?


「おまえ、ここにおったか」

「がぴー!何故、ここが!?」

「私の留守宅に堂々と住みやがって」


 私とミーナちゃんが、ヨコハマに出向して、サガミハラ拉致事件があって、怪獣ごっこで死ぬまでの期間。オタマ村もマナカナが枯渇していたのだ。ニセニャアが堂々と私の留守宅に住んで、村のマナカナを吸ってたから。

 拉致事件の時に、アマテラスもボンジリも居たのに、何故お姉様は地下鉄で移動したのか?それは、アマテラスもボンジリもマナカナが足りなくて、高速転移が出来なかったから。インコと猫に小型化してたせいで見誤った。体が小さくなったのに合わせて、能力が縮退したわけじゃなかったんだ。ボンジリは残り僅かな魔力を高速転移には使わずに、私とミーナちゃんに食べさせたんだ。泣けるわー。


 メイン機の方のニセニャアも、私とミーナちゃんが怪獣ごっこで死んだタイミングで、破壊して塵にしてやった。


 国王の暗殺を実行したのは、マチダの浮浪者だった。実行犯は何も知らなかったんだね。たったの1千万円で暗殺を引き受けてた。ハイパーインフレだから、ほぼゴミなのに。ニセ魔王が闇バイトのサイトで募集をかけて、他にも2人採用されてる。


 ああ、もう説明ばっかりで、また「意味が分からんでござる」って言われるよ!

 

 さあ、そろそろ締めくくりかな?アハトプリンが最後の地だよ、多分。

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