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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
1.RFI情報提供依頼書 ~システムエンジニアが剣と魔法の世界に転生して詰みましたわー~
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1-8. ネットワークエンジニアは何ですぐ道に迷うん?

 ネットワーク系のエンジニアは、方向音痴が多いです。


 電車の乗り継ぎとかすっげぇ間違います。営業の同行なしに客先に行くときは1時間前行動ですよ。なんでかしら? 経路の設計や制御がお仕事なのにね。自分をルーティングすることは極端にヘタです。


 迷子になりました。


 ええ、そうですよ。馬車を強奪したものの、村には帰れず。

 この村なんて村ですか? まあ、名前なんてどうでも良いですけどね。

 今自分がどこの会社のシステムいじってんのか、まったく知らないなんて多重偽装請負のIT奴隷界隈では日常です。


 うーむ。やはりお馬さんが二頭居たのが、最大の敗因ですかねー。

 こいつら、お互いのステータスを交換して同期するHAパス無いんですか? 両系アクティブ構成なんて、今どき流行らんのですよ。時代は、クラウドを使ったオートスケーリングですよ。

 などと能書きを垂れたところで、インドアのシステムエンジニアに馬の制御は無理でした。


 二馬力マイカーは猫に小判、システムエンジニアに休暇だったので、中古車センターで売りました。

 買取価格は、私のお給料30年分でした。3人で10年暮らせる? ちょっと、このまま諸国漫遊の旅にでも行きましょうか。ちなみに、猫は小判の価値分かりますけどね。システムエンジニアは休暇にお家でサーバ建てたりします。それ仕事なのでは? ちゃんと休んで。


 この村でも、お風呂と定食屋の年間パスポートが無料配布されているそうなので、3人で教会に向かいます。魔法少女と騎士とチュウニ堕天使の珍道中の始まりです。訪れた先で、悪を成敗したりしなかったりする予定です。目指せ、ヴァルハラ。西へ向かうんだ。多分、西です。西だといいな。


 ここの教会も、懺悔室で圧迫面接でした。お仕事の紹介は無しでしたが、定食屋の年間フリーパスは貰ったので、早速定食屋にれっつごー! 路銀は十分にあるので、有料課金のビールもケーキもいけますよー。


 近くのテーブルで何やら辛気臭い話をしています。なんでも祖母の遺品を買い叩かれたそうです。ばあちゃんが大事にしていた薄い本の査定が最低だった模様。

 分かります。特に自宅に回収しにきてくれる奴が悪どいです。査定が不服なら、送料払えば返してあげますよーって。経年劣化しているとか言って、ひどい査定してきました。どうやったらライセンスが経年劣化するんですかー? ライセンスを売ろうとする私も大概ですけど。


「物はもう返って来ないんでしょ?」

「うん…、もう売ったって」


 なんてヒドイ。さすが中世の世界です。悪はやりたい放題ですか。14歳女児を勝手にお持ち帰りしようとする輩もいますし。早く村に帰らねば。諸国漫遊している間に、私が成敗されてしまいます。もう前科2犯です。3人焼きました。


「ふひっ、大きい金色のコイン1枚貰ってきたよ」


 さすが、スマイルを0円で売ってた奴は違います。悪を始末する者が知り合いなので頼んであげる、とか言いくるめて、さっきのいたいけな庶民からお金を巻き上げてきました。大きい金色のコインは、私のお給料3ヶ月分ですよ。お仕事開始です。路銀は大いに越したことはありません。


「様式美は大切です」


 と言いながら、メイド服の近衛騎士はニッケルワウンド弦を探しに行きました。シュルルってクビに巻き付けるんでしょうけど。何故、腰のものを使わないのか? この世界にエレキギターあるんですかね?

 造り酒屋の娘の方は、経営者の娘だけあって、合理的です。その辺にあるぼっこでボッコボコにするそうです。なお、ぼっことは棒の事です。私は、魔法少女なので、何もしなくとも準備完了です。アームドあーんどレディです。


 残念ながら弦は無かったそうです。

 でも、刀は最後の武器なので、あまり使いたくないと言ってます。なぜならば、刀は消耗品だからです。10人も斬ったらもう使い物にならない、って安曇野市出身の女剣士のマンガで読みました。


「うーん、また柔らかい部分をそっと突きましょうかねぇ」


 いや? もっとお手軽にいきましょう。何しろ、我は、魔法少女…この世の闇を払う悪魔…くくっ。


 ばーん!!


 空が真っ赤に染まります。魔法少女が放火したからですね。私です。くくっ。


 悪徳商人の家を丸ごとバーンです。倉庫の中には大量の薄い本やら、精巧なフィギュアがあったので、それは騎士と堕天使が火を消すふりして持ち出していますよ。


「火事だー!にーげーろー!おじいさん逃げてーー!!」


 私は第一発見者のフリをして付近住民に避難を呼びかけます。名探偵がいたらバレるかも知れませんが、真実はいつも7億くらいあるんです。証拠は何もありません。魔法少女なんて希少生物が、この辺に居るわけないでしょ。


 私達は鬼ではありません、お兄ちゃんでもありません。強奪した品々は庶民の元に返しましたよ。教会を借りてフリマを開催してね。路銀が更に確保出来たので、アシがつく前に次の村にれっつごー!


 れっつごー、ヴァルハラ。西へ向かって、にんにん。でござる。

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