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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
1.RFI情報提供依頼書 ~システムエンジニアが剣と魔法の世界に転生して詰みましたわー~
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1-7. サーバのホスト名で設計者の世代が分かるよね

 サーバのホスト名やツールにつけた名前なんかで、設計者の世代が分かります。


 「ルナツー」「アクシズ」とかつけてんのは、もうおじいちゃん世代ですよ。

 「ネルフ」「ゼーレ」も、まあまあなおっさんですよ。

 「ウィザード」「オーズ」は、若い世代かも知れない。

 「ムーン」「マーズ」は判断が難しいですよ。水兵さんがお仕置きする話を振ったら、相手は天文マニアで話が通じたり通じなかったり。

 「ドム」っていう踏み台サーバなんて、如何にもありそうなんですけどね?ベタ過ぎるのか見たことがないですね。私を踏み台にしてー!ぶひぃ。


 システムエンジニアは、だいたいそういう生き物。客先に納品するものではやりませんが、自社内で使う監視サーバなんかは、だいたいそういう名前がついています。 


「同じ日本からの転生でも、いた時代が違うみたいだね」


 私のような異世界転生エキスパートにもなると、分かりきった事だけど。

 異世界間は時刻同期していませんし、時空を越えて転生する事だってあります。

 私、第六天魔王の奥さんに会った事ありますよ。平成ジャパニーズガールが戦国ジャパニーズガールと酒盛りして暴れましたよ。あの時焼き討ちした教会、どうなりましたかね?


「我はウィザードと聞いても、バイク乗りさんの事だとは思わぬ…くくっ」


 造り酒屋の娘タオルくんは、どうやら魔暦元年を迎えずに日本を旅立ったみたい。

 もう一人居るメイド服の女も、そうみたい。90年代のロック事情を知りません。


「シヴァサタンが最高神タッカンと合流する」

「は?マジっすか?まんが祭り状態じゃないですか!?」

「関西ハードロックだったはずが、すっかり道産子ロックに」

「うっはー、それまじ聴きたいですよー」

「90年代の主要エピソードがソレ? 何の話してんの?」

 

 拉致られて護送中の我々は、ガールズトーク以外することがない。


 お風呂からタオルくんをお持ち帰りする途中で、護送車に拉致られました。

 魔法を覚えて浮かれてる場合ではなかったんです。自転車のかごに載って逃げなきゃいけない状況でした。何処の世界でも異端児は狩られる宿命なのです。くっ、愚かで小さきニンゲン共めっ。


 護送車には、先客が一人居ました。その子も日本からの転生者でした。メイド服を着て、腰に日本刀をぶら提げた何だか物騒な人なんですけど。永遠の27歳を自称する、17歳児。27歳ですかー。うーん、ロックンロール。なんでロックンローラーは27歳で死んじゃうん?


 システムエンジニアには、人型決戦兵器信仰者は多いですが、悪魔教信者はあまり居ない気がします。

 どうしてですかねー? メンタルが豆腐だからでしょうか。私のハートはヘヴィメタルです。心臓はISO規格のネジ留めで、血管には甲類焼酎が流れています。最前線を渡り歩くシステムエンジニアは、メンタルだけは鍛えられます。異世界に来てメタルハートだけは役に立ってますね。


「俗物シスターに売られたんだろうねえ?」

「魔法少女をとったどー!とか言ってましたが」

「我は、魔法少女ではない…暁の空を舞う堕天使…」


 今の私達、命か貞操が危ない状態だと思うんですけど。チュウニ仕草がブレないタオルくんのハートも鋼鉄ですよ。くくっ、頼もしいぞ、我が同胞よ…。


「むーん。ファイアー・アンド・アイスしちゃいますかぁ」

「お馬さんは無傷で確保したいですねー」


 もう完全に人里は離れました。この世界、村と村の間の無人地帯が随分と広いのです。戻りの足のために馬車の駆動力は無傷で鹵獲したいところ。ちなみに、我々は日本語で会話しているので、拉致犯共には何も伝わっていないはずです。


  このままだと、アルプスのチュウニ少女が、お姉様をたずねて2000マイルに変わっちゃいます、

 そろそろ、実力で危機的状況を打破せねば。暴力はあまり好みませんが、自分の命と貞操を守るためなら是非もなしですよ。

 たとえ目撃者が居ても、ミナゴロシですよ。もういい加減しりがいてーわー。荷馬車なので椅子も無ければ、クッションもないのです。横浜の東急沿線にあったプリズン、いやデータセンターを思い出します。24時間監禁されました。トイレくらい行かせろってんですよ。始発で現場に行って、始発で帰る。IT奴隷あるあるです。


 都合良く馬車が停止しました。トイレ休憩ですかね? これ実は護送車じゃなくて深夜バス?


 でも、こいつらあほですよ。端的に言ってあほですよ。控えめに言っもあほですよ。メイドの腰のものも取り上げてないし。2人しか居ないし。フルオープンの荷馬車に、魔法少女を載せて運んでます。拘束は手首を縛った縄だけです。女児だと思って舐めてんのかしら?

 まずは、手首を縛った縄をファイアーボールで焼きます。自分のをやると、あっついのでメイドのを、じゅうぅ。


「あっつ! 火加減の調節できないんですか!?」

「ごめんね。まだ習得したてなんよ」


 日本刀を持ったメイドを最初にリリースします。こいつが一番強いに違いない。前世は王女様の近衛騎士だそうです。騎士が、なんでメイド服着てんの? メイド喫茶でバイトするから? はあ? ま、異世界ですからね。そんなもんですよ。


「刀が痛むと嫌なので、人体の柔らかい部分をぷすっと」


 私達を拉致ったおっさんの股間のやわらかい部分がさっくりやられました。悲鳴が汚いです。

 えいっ。喉にファイアーボールを押し込んで声帯を焼いてやりました。

 もうひとりのおっさんは、おしりのあなが、あれです。描写したくない状態になってます。もう、まとめて燃やしちゃいましょう。骨も残さずに。


 終わって見ればですよ。私達は、二馬力のマイカーをゲットですよ。


 さあ、村に帰って、あのくされシスターを粛清しましょうか。

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