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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
5.要求仕様書 ~この世界に要求するもの~
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5-12. アンドロイドを電気ネズミの夢の国

 この国の統治は、先住民族の自治に任せる事にしました。


 王と貴族が支配する封建社会は廃止して、この世界では初となる民主資本主義社会にしたのです。まあ、都市シミュレーションゲームをリアルでやろうという魂胆ですよ。

 私達の傀儡となる政治団体を作り、国会に送り込みました。アールくんが作った頭がパーになる薬を使って洗脳し、民主主義や資本主義を叩き込んだのです。もはや、生体アンドロイドです。ネクサスシックスです。あの映画も名作のはずですが、私はちゃんと最後まで観た事がありません。途中で寝ちゃうので。何故?


「今日の朝ご飯は、牛丼だぜ。喰らいな、お嬢ちゃん」


 アールくんの作った配膳ロボは、どれもこんな性格ですが、私達には従順です。私達は、首都にお家を建てて、しばらく一般市民として暮らす事にしたのです。都市シミュレーションの中で暮らす。夢みたいですよね。家事全般は、アールくんの配下のロボっ子達がしてくれます。危険の無いAIが管理しているので、猫のアマテラスや、インコのボンジリの事もいじめずに、ちゃんと世話してくれます。


「朝から牛丼?まあ、いいけどー」

「レシピのチョイスがちょっとどうかしているけど。楽をさせて貰っているんだから、文句言わないの」

「そうね。トーストがなければ、牛丼を食べればいいじゃない」

「その二つの間には広くて深い溝があるでござるよ?」

「そんなものはありません。黙って食べなさい。ボンジリやアマテラスを見習えばー?お姉ちゃん達も」


 ミーナちゃんは、相変わらずママゴンみたいです。そろそろ10歳でしたっけ?純粋な幼女は母性を持っているのでしょうかね?私と、タオルくん、ニートンは見た目だけのなんちゃって女児なので。中身は、いろいろとおかしなものが詰まっていますから、純粋幼女のミーナちゃんとは違いますね。


 まあともかくですよ。この国は帝国に敵対さえしなければ、それでいいので。別に侵略して支配する必要もないのです。この国と国境を接する3つの国が、帝国に直接侵攻出来ないだけで、十分な利益なのです。安全性が確認出来れば、村に帰りますけど、案外楽しい事になってきたのですよ?


 脳を再フォーマットしたのは政治団体だけではありません。経済団体の理事や、教育委員会の連中にも、ぶちゅっと座薬を入れて、再教育したのです。後は、もう放置しておけば、カブトムシの飼育日記をつけるようなもの。神々の夏休みですよ。ははっ。私、女神だし?


「24時間働いて死ねー!ヴァルハラは必ずある!老後の年金受給は、必ずしも保証されません。自己責任ですが、強制徴収です。さっさと払え?」


 これが、この国の政府広報がテレビやインターネットで流しているCMです。ちょっと、働かせ過ぎですかねー?娯楽も提供しちゃう?


「夢の国の隣に、カジノを作るのはどうよ?」

「おお、それはいいでござるよ。博打をしたがるクズは何処にでも居ますからなー」

「国王も是非やれって。帝国の博打クズを移民させるってさ」


 国王兄さんにチャットで確認したところ、生産性を低下させる博打打ちは魔女教にとっては悩みの種なんだそうで。客は送り込むから、好きにしろ、と。


「カジノで負けたバカは収監して強制労働かな?刑務所も巨大なのが必要になるかな?」

「湾岸地帯に工場と一緒に建てようか」

「ソレだ」


 港も整備したし、巨大な輸送船も配備しました。鉄道だって整備済みだし、速度無制限のハイウェイだったスターっと作ったよ。通信網も、テレビ放送だって、整備済みだしね。インフラは完璧よ。私は、プロジェクトを指揮しただけではあるけど、久々にちゃんとシステムエンジニアしました。いやまあ、都市シミュレーションゲームをやってる感覚でしか無かったけどね。


 はてはて、ふむふむー。でっきったかなー?


 ハイ!というワケでね!今日は、こちらのカジノに来ていますよー!

 出来たばっかりのカジノです。豪華ですね。これもう博打しなくても楽しいわー。

 見事に、私達が全財産の5億円をスッたらイイネ!おにゃしゃす。


 カジノがオープンしたので、動画撮影しつつ遊びましょう。全財産の5億円が溶けたら撤収です。村に帰って、またニートになります。


「まずは、サイコロ賭博でござろう?」

「うん、ついに国王兄貴の異能が役に立つよ」

「サイコロの出目を自由に操作出来るのよね?カジノのディーラーにしたら、やりたい放題じゃないの」


 まったくですよ。魔法も異能もある世界で、運ゲーに身を委ねるとか、どんだけおバカさんなの?


「どーれどれー?どんな、おバカさんがおるのカナー?」

「あ、おもらし王女だよ?姉ちゃん」

「あの国はもう毟り取ったから、用済みじゃないの、つまらん」

「いや、あいつ他所の国に嫁いたそうでござるよ。そこと組んで帝国に反撃するつもりナリ」

「よし、毟ろう」


 サイコロ賭博のディーラーをやっている兄と結託して、おしりのあなまで毟りましょう。


「2-6の長!」

「ひゃっはああーーー!あんたはいつぞやの魔法少女じゃないの!あらあら、もう種銭が尽きるのではなくってー?おーほっほっほっほ!」


 こいつうるせえなあ。まずは縦ロールを物理で毟ってやろうかしら?ここまで全部仕込みなのにね?そもそもがよ、魔法少女相手に運ゲーやって勝てるわけないでしょ?イカサマサイコラーがディーラーじゃなくても、どうとでもなるのに。本当にバカね。あんたは、私達の養分決定。


「お姉ちゃん?あまり図に乗っていると、いつか痛い目にあうよ?」

「あ、うん。そうね、その通りじゃわ」

「ミーナ殿の言う通りでござるなー。4億円溶かしたところで撤収するナリ?」

「僕の推定デは、ここで敢えて撤退しておけば、後に100億円になって返って来マす」

「どんな計算か知らんがー。後1回だけやったら帰ろうか」

「ねえ?バカな博打カスって、あんたじゃないの?」

「ぶひぃ」


 さあー?ちょうかーはんかー!?グッドボタンチャンスですよ!視聴者の皆さん!


「すごいでござる。帰りの電車賃も残ってないでござる」

「まあ、ねこバスで帰るし、なんなら徒歩でも帰れるけどね?」

「明日から、占領した国でアルバイトね?」

「ぶひぃ」


 あのおにーちゃん、鬼です。妹の教育に良くないとか言って、ずっと異能無しでサイコロ振ってたんよ。私はガチの運ゲーをやって、おもらし王女に惨敗しました。


「まあ5億円程度の資金を得たところで帝国に反抗する資金には足りぬでござろう?」


 ははっ。甘かったのです。それから数日後の朝。


「お嬢様。本日の朝食は由緒正しき、日本の朝デす。食えおら」


 今日の朝食は、旅館の朝ご飯みたいなのです。いいねー、焼き魚とお味噌汁とご飯。納豆と海苔。


「海苔は味付け海苔だね?分かっているわね」

「うん。西日本出身者は、海苔と言えば味付きよね」

「アールくん、テレビつけてー。朝のニュースを観るでござる」

「はい。テレビを付けます。もっとも左に偏った局のニュースでス」


 どういうわけか、この国のマスコミも極左しか居ません。何故?報道の中立という概念も教えたはずなのに。


「ここは先日オープンしたばかりのカジノなんですがー。なんと、ここでシンデレラストーリーが起きているのです」


 シンデレラのお話なら、この世界でも神話の外伝としてあります。ええ、タイトルはいつも通りの長い長いラノベ風味なので省略しますよ。あらすじは、裏表紙に書いとけよな?


「おーっほっっほほー!幸運を呼び寄せる王女ですからねー!ほんの一兆円勝ちましたわー。毎日倍プッシュなので、今日はニ兆円ですわよー」

「ありゃ、おもらし王女じゃん」

「ニ兆円ですと?さすがに、まずいでござろうか?」

「コンビニバイトで貰った、廃棄メロンパン食ってる場合じゃねーかも」


 二兆円といえば、この国のGDPの100パーセントを越えています。国営カジノなので、お札はいくらでも刷って渡せますけどね?ハイパーインフレが発生するんだっけ?そういう事すると。GDP100パーセントのお金をアイツが自国に持ち帰って全額軍備の拡張に使ったら、私達の領土と、帝国はどうなっちゃうのー!?

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