表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
5.要求仕様書 ~この世界に要求するもの~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/339

5-11. カレーの魔王さま

「カレーなら大きなハズレはないでござろう?」

「そうねー。いっそレトルトなら、オイシイかもね」

「ほうかのー。私は、小6の林間学校でひどいカレーを作ったよ?」

「それは、むしろ才能ね?」


 どんな料理でも「失敗したかも?」と思ったら、カレールーを入れて煮てしまえば良い、というくらいにカレーはなんでもアリな食べ物です。失敗して不味くする方が難しい。小6のアレだって、間違ったのは私じゃない。担任の先生だよ。水入れるかわりにサラダ油どばーって入れよった。それでも、みんなが食べてくれたのは、私への忖度だった気がする。みんな、やさしいね。


「よく来たアル。おめえらの席はないアル」

「この国の定番の挨拶だと知っていても、ドキッとするでござる」


 翻訳を間違っている気もするけど、無いのか有るのかというと、ちゃんと席はある。


「おりょ?オニーちゃんがおるげ?」

「やあ、鬼と聞こえるんだけど、気のせいかな?」

「魔王なのだから、鬼でも間違っていないでござろう?」

「まあ、そうだね」


 魔王の方の私達の兄が、店内でカレーを食べてます。


「え?何か用なん?私は用無いアル」

「僕の妹がこんなにツンデレなわけがない」

「は?私、悪魔じゃゆうとるじゃろ?」

「うーん?女神じゃない?いい加減なところといい」

「えーっと、魔王の妹が女神でもええんじゃろうかー?」

「何も問題無いよ。女神の敵は女神だし、魔女の敵も魔女だ。当代の魔王は女神派閥だよ」


 この世界の神々は、派閥を作って争っているのだった。いろいろな異世界の聖書や神話を読んできたから、ごっちゃになってるんよねー。女神も天使も、悪魔も魔女も、同じ箱から出て来た希望だか絶望の一種で同じ様なものなのです。神と魔で対立しているのではなく、魔女と女神をボスとした派閥争いをしているのです。


「またブログで解説しそうなネタでござるな?」

「システムエンジニアだからね、仕様について語っておけば、仕事した気になるんよ」


 カレーは普通でした。レトルトではなく、野菜と肉を煮込んで市販のルーを入れた感じかな。もしくは、業務用のカレーに野菜と肉を足したか。小学校の給食に出たカレー風味の汁よりは、ずっとオイシイ。


「用というのはね。国の統治を手伝おうかと思って」

「ほほう?魔界の統治者が手伝ってくれるとは心強いでござる」

「ん?僕は魔王であって、魔界の統治者ではないよ?魔界にはちゃんと市長が居る」

「まあ、ほげなもんには興味がないので、どうでもええんじゃけど。魔王に何をしてもらおうかー?」

「マスコットキャラの中の人が決まってなかったじゃない?」

「ソレだ」


 観光PRのくまモンみたいなのに入れるエンジンが未定だったのです。あれって、暑いしくさいし、軽く拷問なんだよね。子供が容赦なく攻撃加えてくるし。ミーナ以外は、アレに入った経験があったので、みんな嫌がったのです。


「いいよ。兄が妹に逆らう権利は国連でも認められていないからね。マスコットキャラは出来ているの?」

「いんや?デザインも任せるんよ。アールくんに言えば、なんか作ってくれるよ」

「ガガぴー!お任せください。アールくん、なんかテキトーにマスコットキャラ作って!と、ご用命下サイ」


 兄は妹には逆らえませんが、植民地の村人は国王には逆らえません。どっちの権力が上か争って国際裁判をするわけにもいかないので、もう一人の兄である国王の命令でこんな事になっているのです。

 まああれよ。なんでもAIに丸投げしておけばいいのよ。AIが人類の仕事を奪ってくれるわよ。いずれは、人類の存在価値だって奪って、滅ぼしてくれるわよ。惑星レベルで見れば、そんなものは無いのだから。「地球のためにー」とか言ってるエコロジストが居るけれども、地球にとってはお前も邪魔なゴミだからな?人体に例えれば常在細菌みたいなもんよ。人類はビフィズス菌ではありません。


「僕の妹が何だかやさぐれているね?一度魔界に行って、骨休めするのはどうかな?」

「ソレだ」


 ねこバスに乗って、びゅーんっとひとっ飛び。魔界と言っても、異世界でもない、魔界村みたいなものだからね。ナビ通りにマッハ2で進めばスグに着きます。


「ほわー。なんじゃあ、この温泉はあ」

「悪魔の湯でござるか?効能は何ナリ?」


「効能ハ。切り傷、刀傷、人体の部分欠損、おしりの病、内蔵疾患、悪性腫瘍による細胞破壊、心停止、脳の損傷による活動停止、不老不死」


「アールくん、それ本当なの?」

「えー、そこの立て看板にそう書いてアリますよ?」

「ねえ、それより核融合炉って水濡れしたらどうなるの?」

「水濡れマークが出たら、保証の対象外デス」

「こいつなりのジョークだから、気にしないでいいよ」


 しかし、この悪魔の湯。本当に効能通りなのかも?私の脳がゆんゆんと活動を活発化させています。重要器官である脳の損傷は治癒魔法でも治りづらいのです。魔力袋とは脳の事かも知れません。


「んー。本当に不老不死になったのかしら?」


 そういえば、ミーナだけが不老不死になるアレやコレをやってませんね?今のミーナに備わっているのは自前の治癒魔法による不死と、魔力袋のオートスケーリングによる6歳幼女化現象。実質、既に不老不死ではありますね?


「心臓に杭でも打ってみる?それともクビを刎ねてみる?」

「どっちも、やっべー失敗じゃった、で済まないからダメじゃろ」

「もっと簡単な方法があるでござるよ?10万年後の自分を召喚してみては?」

「そ、それもコワイから、やめておくわ」


 私達は、丸っとひと月もの間、魔界村の悪魔の湯で湯治をしました。7年間も、この世界で無茶ばかりしてたからね。それくらいは必要だったのです。

 その間に、魔王が国王と一緒に各国を回ってPR活動をしてくれました。白塗りのピエロみたいな、非常に怖ろしいマスコットキャラでしたが、それがウケました。

 危険な遊園地は、アールくん配下のロボット達が、しっかり安全基準を満たして再建してくれました。

 後、必要な事はー?


「遊園地の従業員の教育かしらね?女神教徒は、いい加減なのしか居ないから」

「言い替えれば、国民の再教育かあ、それは難しいなあ」

「ボロンっ!それは、もう終わっていまス」

「へ?何をしたの?」

「脳から社会的な記憶を消す薬を、ぶちゅっと打って、まっさらな脳にディープラーニングを施しまシタ。あの遊園地の従業員は、とても勤勉な昭和の日本人のようにナリましたナリ」


 その薬は、きっと座薬型なんだろね。さらっと倫理観ゼロな事やってるわ。さすがAI。


「それを国民全員に施せば、んー、それってコワイわよ?」

「そうね。洗脳は遊園地の従業員だけにして、もう逃げようか?」

「国際裁判にかけられたら負けそう。サイコロで判決を勝ち取れるなら、国王兄ちゃんを弁護士にすれば完全勝利じゃけども」

「問題はアリませんよ?過去にも、脳をゆんゆんとさせる葉っぱで、植民地支配をした国家がありましたが、裁判にはなってイマせん」


 ともかく、チュウニ病以外は全快した事だし。逃げるのはいつでも出来るので、あの国へ帰ってみましょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ