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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
4.非機能要件定義書 ~この世界に必要なものとは?~

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4-6. 先行開発したのに失注

 受注してもいないうちから開発を始めてしまう。


 平成末期までは、割とありがちな事でした。令和の今なら、もう無いと思いたい。

 運用設計書を完成させたのに、上長が読もうともしないので「何故に?」と思っていたら、受注しなかったのでこのプロジェクトは終わっている、と聞いた時のあの脱力感。なにあれー、もう。基本設計書すら無いのに、運用設計しろとか言い出すから、何言ってんだコイツ? とは思ってましたけどね。ありもしないシステムの運用を設計した私の異能、自らの行為に恐怖するわー。

 例えるなら、存在しないヤキトリに対して「まずは塩でお召し上がりください」とか言うようなものですよ。んー? なんか違うな? 買ってもいない商品に「なんか気に入らないので星1つです」とレビューをするようなものかしら?


 IT革命を起こすぞ! などとやる気を出したというのに、悪魔は攻めて来るし、国王はやって来るし、ちっともプロジェクトが進まないじゃないですか。遅延の主な原因は、私がガールズにゃんこクライを何度も見返しているからですけどね?

 そして、この世界では誰もITを求めていないという事実が薄っすらと判明して来ました。まさに、受注もしていないのに先行開発しちゃった感じデスね。


「ちょっとロボ子ちゃん。あんたメイド服着てるんだし、お店手伝ってよ」


 いつものように、アマちゃんの背中に乗って、女騎士ニートンと、美少女メイド型アンドロイドのアールくんと共にライブハウスにやって来たところー。今日はやけにお客さんが多いのです。悪魔が降臨した地、ということで悪魔教関係者や悪魔研究者達が視察に来たそうです。ドラゴンブームの次は悪魔ブームですか。この村の統治者である私としては歓迎すべき事なんでしょうね。


「はア? 嫌ですケどー?」


 え? こいつロボなのにニンゲンの命令に反抗してますよ?

 お姉様に店手伝えと言われて拒否しています。

 ロボット三原則よりも高度な基礎原則で設計されていると言ってましたが。人並みにマヌケな超高度なAIなので、人の言う事なんか聞くはず無いですよねー。私に屈したのは何故なの? という疑問が沸いて来ますが。実は権力に弱い俗物?


「あんたの管理人の親として命令するわよ」

「矛盾する命令を検出シマした。命令をイジェクトしマす。ボロンッ」


 権力にも屈しないアナーキーなAIでした。

 いつか、人類をゴミと判断して処分しそう。


「管理人のあんたが命令してやってよ」

「私はAIの自主性を尊重するので。シンギュラリティどんと来いなので」

「じゃあ、あんたが手伝いなさい」

「あ、はい」


 お姉様は、私を拾って飼育してくれたのです。もし、お姉様が居なければ私がどうなっていたのかは、想像する事すら恐怖でしかありません。この世界で、のんびり好き勝手に暮らしていられるのも、お姉様のお陰ですね。逆らうという選択肢はありません。

 もしかしたら、ヴァンパイヤだったお姉様に血を吸われた事で、眷属になっているのかも知れませんけど。


「拙者も手伝うでござる」


 ニートンと一緒に久しぶりにライブハウスのお手伝いをします。アールくんは、サーバのメンテナンスがあるからと言って逃げました。


「皿洗いをすればいいの?」

「それは、あんたがくれた食器洗浄機があるからいいわよ。ホールを担当してちょうだい」

「ういっす」


 コミュ障の私ですが、飛び込み営業をしていた事もあるのです。営業は、気合と根性です。コミュニケーションスキルなんて飾りですよ。100軒回れば、ひとりくらいは暇な人が話を聞いてくれます。10人が話を聞いてくれれば、ひとりくらいは契約してくれます。1000軒回れば1件契約が取れるという寸法ですよ。つまり100件の契約ノルマをこなすためには、10万軒回ればいいのですよ。そんなに、この村に家ねぇわー。


「へい! らっしゃい!」

「あ、村長ー。お店手伝ってるなんて珍しいね」

「ういっす。ご注文は、おはぎでよろしかったでしょうか?」

「え? いや、ご飯食べたいんだけど」

「ほいじゃあ牛丼ですね?」

「牛丼推しなの? じゃあそれで」

「食後に、おはぎですよね?」

「え? おはぎも推しなの?じゃあ、それも」

「あざます!」


 ジャガーに跨った幼女に逆らえる大人なんか居ませんよ。注文なんかイチイチ覚えてられませんからね。全員、牛丼と食後のおはぎ強制です。営業は、気合と根性。


「牛丼とおはぎいっちょー」

「あんたが取ってくる注文、ソレしかないわね?」

「営業努力デス」

「こっちも楽でいいけど」


 ジャガー型ドラゴンのアマちゃんに跨がり店内を闊歩し、牛丼とおはぎの注文をとっては、運んで行きます。


「やっぱ、うちの村長はかわいいね。貧相だけど」

「貧相だけどね。村の統治者として推せるわー」

「あざます」


 貧相は余計だけど、私は寛大な幼女なので気にしません。私は村長なので、村民には逆らいません。税金の徴収もしてないから、村民から得る利益なんて何も無いのだけど。この村の村長でいる限りは、国際指名手配されていても、この国が私を保護してくれます。希少な珍獣扱いなのかも知れないけど。


「おはぎも無くなりそうだし。晩ご飯の時間だから、お酒の注文とってきて」

「のじゃー!」


 私が賄いで食べるおはぎは残しておかないとね。今から、牛丼とビールのセットがイチオシメニューです。


「ビールは、あんたがサーバから注いで出すのよ」

「え?」


 ビール注ぐのって結構難しいのですよ? ビアマイスターとかいう称号の存在は伊達じゃない。


「はい、ビールどぞー。セルフなら注ぎ放題ですよー」

「え? そうなの? そんなサービスやってたっけ?」

「今だけ特別なのです」


 ジョッキだけ渡してビールを注ぐのは客に丸投げです。自分に出来ない事は他人に丸投げ。社会人の基本です。ビールの単価なんか実は()っすいのです。好きなだけ注いで飲めばいいのです。うちはお姉様が自家醸造してますからね。何が原料なのか知りませんけど。


 牛丼もヤキトリ丼も売り切ってしまったので、閉店後の賄いはオムライスです。この卵はフェニックスじゃなくてニワトリなので高級品ですよ。この村ではフェニックスよりもニワトリの卵の方が貴重なので。ニートンとタオルくんと一緒にオムライスを頂きます。


「うまー」

「うまいでござる」

「おいしいね」


 たまにはライブハウスを手伝うのもいいですね。完全に定食屋になってるけど。

 今日は、おはぎとビールという有料コンテンツも大量に売れたので、お姉様も上機嫌です。

 世間のニーズをまず知る事が、革命には必要なので、今日のお手伝いも無駄ではないのでしょう。でも、IT革命とかもうどうでもよくない? こうやってみんなでオイシイご飯食べてればそれで十分なのではー。


 その後、ジャガーに跨って押し売りをする幼女給仕として話題になり、観光客が殺到したのですジャガー。私は、手伝いませんでした。ぶひぃ。

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