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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
4.非機能要件定義書 ~この世界に必要なものとは?~

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4-5. 猫の鈴に首を付ける

「今日は、ニャア大佐の首に鈴が付いているのか確認に来ました」


 魔王がやって来ました。

 悪魔を滅して、アンドロイドを配下にしてしまったので、様子を見に来たのでしょうね。

 ライブハウスに、この世界の権力者が大集合デス。お姉様も同席しています。この女も暁の魔女とかいう伝説の大量破壊兵器ですからね。

 私の近衛騎士を勝手にやっているニートンは当然の如く同席。タオルくんはお姉様の代わりにライブハウスを回しています。アールくんも私の配下になったので同席です。

 更に、空軍の大将、軍属としての私の直属の上司ですね。

 初対面の人も居ます。国王です。魔王の弟みたいなヒョロっとしたヤツ。え? ほんとに弟なの?


「姉さん、元気でしたか? 200年振りでしょうか」

「まあね。ヴァンパイヤ辞められたし、いろんな病気も治ったから、前よりも元気よ」

「へ? 魔王の弟の姉がお姉様ということは、魔王はお姉様の弟?」

「そうですよ? 前から姉さんと呼んでいたではありませんか」


 そういえばそうじゃったわ。んー、この世界の最強界隈がドメスティック過ぎる。姉が元ヴァンパイヤで、弟は魔王とは? どういう血筋なのかしら? いや、魔王は世襲制の職業なんだっけ?


「先日この村に悪魔が出現、ニャア大佐が、ヌルっと消したと報告を受けていますが、事実で?」


 国王にも報告が上がってんのね。どういう通信手段なのかしら。早馬とか飛脚? 空軍は垂直離着陸機すら所有しているけども、この村には固定電話すらないもんね。この世界のデファクトスタンダードがさっぱり分からないわ。今日は、国王と空軍大将は魔王と一緒に地下鉄でやって来たよ。


「はあ、そっすねー。それが何か?」

「いえ、事実を確認したまで。兄さん、悪魔は何故ここに来たのでしょう?」

「あれは僕の眷属じゃないからな、分からない」

「原因は拙者かも知れないでござる。異世界で因縁がありますので」

「なるほど。ニャア大佐のご身内が原因である、と」

「あ、はい。そっすかね?」


 改めて整理してみると、この村はデンジャー・ゾーンよね。というか私が特異点過ぎる。


「ニャア大佐は惑星全土でレッド・ノーティスとなってまして」

「はあ、そうでしょうねえ」


 国際指名手配でいいとこを、わざわざレッド・ノーティスと翻訳しているのは私がチュウニだからです。国王もチュウニっぽいけどね?


「アールさんが詳しい罪状を把握してますよね? 報告お願いします」

「僕が把握している限りダと。商人の家を焼いたのが3件、定食屋を焼いたのが1件、これはご自宅デすね。公園に居た奴隷商人や変質者を焼却処分したのが16件、陸軍兵士を焼却処分したのが2件、フェニックスの群れを丸焼きにしたのが1件。弩級戦艦と第7艦隊の全艦を撃沈。他にも宇宙空間でもいろいろヤらかしてますが、コレは特に敵対する生物の管轄ではアリマせん」


 収監されてないのが不思議だねー。ははっ。笑うしかないわー。半分以上はもう忘れてたよ?


「保有戦力については、謎の女騎士一名、ドリル縦ロールの少女一名、ドラゴンの幼体一頭、フェニックスの成体一羽、超高度AI搭載のアンドロイド2体と配下のロボット軍団、宇宙戦艦一隻、対地攻撃人工衛星1024機、暁の魔女はー、含まれますか?姉さん?」

「私もまあ、こいつの敵がいるなら出るわよ。こんなのでも妹で娘なんだから。だから勝手に勘定に入れといてもいいわよ」

「私が把握しているだけでも、これだけです。ニャア大佐が動かせる戦力がこれだけありますね」

「うーん … 、改めて整理すると、これは …」


 うん? 私はお姉様の妹でもあります。最初の里親のじいちゃんの娘がお姉様なので。ということは、魔王と国王は私のお兄ちゃん? 鬼ーちゃんって感じだけど。


「お姉様が、定食屋のじいちゃんの養子になった経緯が謎なんじゃけど」

「今、それは関係ないでしょう?」

「姉さんは22年前に戦災孤児のフリをして一般人に帰化しようとしたのですよ。幼女の姿にトランスフォームして」

「はあ、じゃあ目論見どおりに、一般人になれたんじゃね? 不老不死じゃけど」

「暁の魔女の戦闘能力は保持したままですよ、姉さんは。一般人と言って良いのか?」

「立場としてはライブハウスの女将という一般人でしょ」

「まあ、そうですかねえ? あの、他に何か確認したことありますか? この際なので、整理しておきましょう」

「なんでヴァンパイヤの弟が魔王と国王なん?」

「それは、端的に言うと、養子に行った先が違うからですね。僕と弟はヴァンパイヤ因子を持たずに生まれてきたのでヴァンパイヤではありません。ちょっと異能なだけですよ」

「ほーん。他はいいかな? きりが無いので」

「では、話を戻しますね」


 どういう親から生まれたのかー、とか、そもそも生物から生まれたの? とか、気にはなるけどね? ひとさまの家庭の事情だしね。


「本題はニャア殿に対する有効な抑止力が存在するのか? でござろう?」

「そういうことです」

「国のトップのクセに話が長くて回りくどいでござるな。さっきからニャア殿が座っているモフモフが決定的な抑止力でござるよ」

「巨大な猫? ジャガーですかね? ニャア大佐がモフモフっと包まれてますけど」

「ドラゴンのアマテラスでござる。最近のニャア大佐はアマテラスに完全に躾けられているナリ」

「ニャア大佐がドラゴンの親になったはずですが … 。立場が逆に? ああ、でも猫型ドラゴンになったのですね。猫ならば、まあこうなりますよね」


 だって猫だからね。飼い主を躾けて下僕にするのがお猫様だからね。ネコと書いて神と読むからね。

 最近は、毎朝アマちゃんに起こされて、背中に乗せられてご飯を食べに行き、夜になったらお風呂に連れて行かれ、寝る前にパンツを洗って陰干ししないと齧られ、夜ふかししてアニメ見てると齧られ。

 アマちゃんは私の教育ママゴンなのです。あれですね、ロッテンマイヤーさん。私はハイジじゃなくて、ペーターの飼っているヤギなのに。ぶひぃ。


「完全に猫の子供状態でござる」

「なるほど、分かりました。国王としてはドラゴン様にお任せ致します」

「魔王も国王に同意見だよ」

「空軍は、当然、王に同意で御座います」

「私は、ニャアがちゃんとパンツ洗ってればそれでいいわよ」


 ドラゴンの威光が凄まじいね。だって猫だしね。誰も逆らえるはずがないよ。


「えー、では最後の議題ですけど。ニャア大佐の処遇といいますか身分についてです」

「空軍は、地上最強の幼女を大佐として預かるのは無理です。部下として統制出来る気がしません」

「はあ、そらそうじゃろうねえ。言う事聞く気なんか最初からないんじゃけ」

「なので、軍属は辞めて、一旦王室の預かりとさせて下さい。あの、形式だけですので、何も束縛しませんから」

「ニャア王女にでもなるんでござるか? 拙者の主君が姫に?」

「いや、それはダメ。姫とかオタサーのクラッシャーみたいで嫌じゃもん」

「ああ、それはそうでござるなあ。じゃあ惑星全土を統一して皇帝にでもなるナリ?」

「やだよ。めんどくさい。村の統治だけでもめんどうなのに」


 ニャア村長でいいんじゃないのー? 迫力無い感じがいいよ。責任も軽そうだし。いや、村を侮ってはいかぬね? ここは大都会カワサキ村なのだから。


「ニャア村長の処遇については、次回の国際首脳会議の議題にもなっていますので。そこで、まずはレッド・ノーティスを外して貰わねばいけませんね」


 レッド・ノーティスなあ。ついに私も国際首脳会議の議題になる存在ですかー。


 当面は大人しくしてましょうかねえー? なんだ、ヒキニートこそ正義じゃないですか。

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