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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
4.非機能要件定義書 ~この世界に必要なものとは?~

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4-3. 悪魔が来たりて滅んだ

「やあ、僕はアールえっくす75だよ。スーパーロボットじゃないよ、アンドロイドだよ」

「今日は、物騒な格好で来たね。アールくん」


 RXシリーズのタンクというよりも、デストロイドなモンスターですよ。長距離レンジの大出力砲を備えた歩行可能な兵器が、うちのビルの前で地面を抉りながら、がしゃこんがしゃこんしてます。


「敵の接近を感知シマしたノデ。今日の僕は戦闘モードなノです」


 は? 敵ですとー?


「ちょっと、あんた達。この村に変なのが近づいてるわよ」

「ニャアちゃーん? 悪魔の匂いがするのよー」

「シスターの言っている匂いは嘘ですけど、巫女は神社の火の見櫓から妙なものが村に向かっているのを見ました」


 なんと? お姉様とジンジャーズまで同じ事を言ってやって来ました。


「悪魔の気配でござるよ。にんにん」


 ニートンまでもがクルセイダーな女騎士みたいなことを言ってるよ?


「どうせ敵の狙いはあんたでしょ?」

「え? 私!? このラブリー6歳幼女に敵ですかー?」


 むーん。敵ですかー?心当たりなら、ありまスん。


 沢山あり過ぎてー。むむーん。第7艦隊を殲滅させた海軍でしょうか? それともクレーターにしちゃった秋葉原っぽい都市の町内会でしょうか? 群れごと丸焼きにしちゃったフェニックスの怨霊とか?

 フェニックス肉を、ちゃんと回収せずにいたら、何者かが食べちゃってましたね? そいつが、フェ肉で強化した能力で挑んで来ましたか? ありえるー。


「撃ちマスかー? ニャア大佐ー」

「いやダメだよ、アールくん。その45口径46センチ3連装砲は、オーバーキルでしょ」


 だって、ツインテールの幼女じゃん。悪魔っぽいのが、うちのビルの100メートルくらい先まで来たけども。ツインテールの6歳児くらいの幼女だよ。


「あれはツインテールの悪魔でござるよ!?」

「ソレはなぁに? ニートン」

「拙者の異世界前世での怨敵ナリ。時空の彼方から因果律の歪みをアレしてコレしたでござるな?」

「カッコイイ事言いたいなら最後までちゃんとしなよ」

「まったくじゃな。設定くらいアドリブで適当にでっち上げるのじゃー」


 所詮はチュウニですよ、我ら。大騒ぎしてるのも儀式ですよ。この村は敵に狙われているぞー! って言いたいだけですわー。あんなの脅威じゃないし。だって、我は暮れなずむ村の(くれない)の魔法幼女…くくっ…この惑星で最強のアレでナニ…、あげなん一捻りなんじゃけえ。


「ヌルぽに、ヌルっとぽいっ。ブラックホールルーティングの彼方へ消えてしまえ」


 ブラックホールルーティングとは?

 到達不可能な宛先へ向かおうとするパケットを仮想のヌルインタフェースに放り込んで消しちゃう技なのだ。特定の送信元を指定してDDoS攻撃の防御としても使われるよ。えーっと、これで説明合ってるかしら?ぐるぐる先生に聞かないと、ちょっと自信ないなあ。なんとかしてインターネットエクスチェンジを、この村に設置できぬものかしら?

 はい、IT技術と魔法の融合で悪魔は完全にデリートしたよ。


「ヌルっと消えたでござる。拙者が、前世で1万回戦って3,333回殺され、3,333回取り逃がし、3,333回相打ちで対消滅した、あのポニーテールの悪魔が」


 ニートンが、また難儀な異世界前世を語り出したよ。その数、ほんとにちゃんと数えたのかなー? 1万回死んだ女騎士って言ってたけど、死んだの9,999回じゃない? ああ、最後の1万回目で、こっちの世界に転生したのかな? ニートンは異世界の女騎士時代に、9,999回悪魔討伐に失敗してループしてやり直した、と。ほんと難儀だなあ。


「1万回目で勝ったの?」

「でござる。1万回もループしたのは、後にも先にもあの時だけでござる」


 ニートンは重度のループ体質なんだね。まさか、この世界でもループしていたり?


「この世界では最初の人攫いイベント以降は、ループしてないでござるな。きっと温泉が効いたナリ」


 この村の温泉にそんな効能が!? いや、あるかも知れない。


「ドラゴンとかフェニックスの肉に、フェニックスの卵まで食べたもんね。奪い合いで国一つ滅ぶくらいのスーパーレアアイテムを飽きるほど、毎日味変しながら」

「そっちでござるかなー。思えば温泉は他の世界でも同じく真っ黒いお湯のがあったナリ」


 はあ、腹減ったわー。久々に魔法を使ったからね。

 最近は、まじめにシステムエンジニアとして動画配信サーバーの動作チェックしてたからね。スットンキョウ大百科の全話イッキ見は手を出すべきじゃなかったかもね。次は、うまいんぼくらいにしておきましょう。


「おやつあるから、お風呂入ってからライブハウスに来なさい。あんた達ちゃんとパンツ洗ってるの?」

「あ、そうだった。アールくん、洗濯乾燥機持って来てくれたー?」

「ビルの1階にコインランドリーを設置しましタよ」

「ありがとう。でも、お金とるのね」

「じゃあ僕は基地に帰って今度こそ美少女型で来るナリー」


 アールくんまでスットンキョウ大百科に影響されてしまったわ。アンドロイドだからなあ、あの洗面器とゴム毬の悪魔合身と親和性が高いんだね、きっと。


 私達は、アールくんの置いてくれたコインランドリーでパンツを洗うと、お風呂に行き、風呂上がりにライブハウスでおやつを食べたのでした。今日も、世はなべて事もなし。


「がっ」

「なんでごさるか? タオルどの?」

「ふふっ。言っとかないとね?」

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