表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
4.非機能要件定義書 ~この世界に必要なものとは?~
44/295

4-2. ITインフラの社会的な意義ってなぁに?本当に人類は幸せになれるん?

「ヘイ!おしり!」

「がピー。僕ハ、その様な名前ではアリません。アールくんとお呼びクダさい」


 そうね。あしりのあなは教会のシスターだったね。


「ところでアールくん。今日の素敵なガワはなんなの?」

「これは伝統的なアナル型アンドロイドなのデス。あ、失礼、アナライザー型ナノです」

「しょうもないギャグをかますなんて、高度なAIだね」


 最近は、タオルくんまでニートです。それも引き籠もりのヒキニートです。

 ずっとホームシアタールームに引き籠もってチュウニアニメを観ています。うーん、ITは人類をダメにする悪魔の道具なのでは? 本当に必要なのかしら? すっとんとんシスターズの誰もパンツを洗わないのだけど。タオルくん一人に家事を押し付けていたのが悪いんよね。ぶひぃ。ITインフラよりも先に洗濯乾燥機が必要かもね。


「ヘイ! アールくん。洗濯乾燥機の作り方教えてー」

「がーがー。ぼろんっ。何を言っているのか分かりまスん」

「ほんとにAIなのコレェ?」

「まあ、こんなもんじゃないかな。このAIは高度過ぎて人並みにマヌケじゃもん」

「洗濯乾燥機が欲しケレば、アールくん洗濯乾燥機を注文して! と言って下さい」

「完全に、アレの草じゃん。草生えとるわー」

「まあ、いいじゃない。おやつ食べに行こ? おまんじゅうが食べたい」


 我々にはITインフラとか高度なAIはまだ早いのかも。まずは外にお出かけしましょう。14歳児と6歳児らしく外で遊ばないとねー。


「アマちゃんどこいったー? おやつ食べにいくよー」

「にゃあ」


 にゃあ?


「ドラゴンのヒヨコが猫になっているのよ?」

「昨夜、ニャア殿の枕元でトランスフォームして、布団に潜り込んでいたでござる。気付かなったナリ?」

「ああ、そういえば、今朝布団がぬくかったわー」


 ニートンは私を守る騎士なので、たまに起きて見回りをしているそうです。布団を蹴っ飛ばした私を布団に押し込むのが主な任務だけどね。昨夜は、たまたまドラゴンファンタジーの現場を目撃した模様。


「よう分からんのジャガー。猫の方がぬくいのでええな!」

「にゃあ」


 ヒヨコは一緒に寝ると、ぶちゅっと潰しちゃいそうだけど、猫なら一緒に寝れるねー。やったー。私は、6歳幼女なので猫を潰す心配はない。むしろ逆かも。


「うー、まだ寒いっすわー」

「昨日はぬくかったけどねー」

「そろそろ桜の咲く頃じゃねぇ」


 ということは、私達がこの異世界で出会ってからもう1年経つということ? 2年だっけ? そろそろ、ここは異世界じゃない、ホームって認識になってきたよ。日本の方が異世界だわー。


「寒い上にライブハウスが家から遠いのじゃあ」

「少しは運動になるからいいじゃない。私もライブハウスのバイト再開しょうかなー」

「拙者は、毎朝鍛錬をかかさぬでござるよ」

「イメージトレーニングだとか言って、2度寝してるだけじゃん」


 通勤というのは意外と運動になるよね。今の私は、データセンターでのお仕事をしてはいるけども。家からエスカレータかエレベーターで降りるだけ。お家とデータセンターは、同じビルの中にあるからね。たまには階段で6階と地下1階を往復しようかしら? もっとも作業はリモートで出来るから、データセンターに行く必要無いんだけどね。


「幼女用電気自動車を作る話はどうなったでござるか?」

「ライブハウスを、うちのビルに持ってくる方が早い気がするにゃー」

「村の北の外れだから、お客さんが困るでしょ」

「そうじゃにゃー」

「にゃーにゃー言ってると猫耳の方のアンタと区別つかないわよ?」

「しばらくは来ないはずにゃー、あっちの私は」


 私の猫耳同位体は、今は令和日本でコンビニバイトをしているらしい。無茶しよんなあアイツ。絶対向いてないよ。だってコミュ障の私と同じ中身なんだから。ガワは猫耳美少女魔獣だけどね。

 令和日本は同期通信の圏内にあるのか、通信の範囲が広がったのか、猫耳同位体を通じて令和日本の最新情報が入ってくるのは嬉しい。


「はい、今日のおやつはおまんじゅうよ」

「あざますっ」


 ライブハウスの店主はお姉様です。私達の里親2代目です。初代里親のじいちゃんは今は山に籠もって木こりをしています。


「何故、拙者達の食べたいものが分かるナリ?」

「あんた達の事なんてお見通しなのよ。私が何年生きていると思っているのよ」

「10万6歳でござったか? そろそろ10万7歳?」

「そのネタは、もう飽きたんじゃ」

「ネタじゃないんだけど。おまんじゅう要らないのかしらね?」

「あ、いやさーせん」


 年齢に関しては私も還暦越えの幼女だし、ニートンは160億歳だと言い張っているし、タオルくんも数百年は生きていそう。ニートンとタオルくんは14歳児にしか見えないし、お姉様は27歳にしか見えないけどね。


「アールくんも、おまんじゅう食べるの?」

「この装備の時ハ、食べマせん。がーぴーごろごろー」

「壊れてそうな音してるけど大丈夫なの?」

「だめかモ知れマセん。ちょっと実家に帰っテ、美少女型に換装して来まス。ぴーひょろー、ぼっこん!」


 ネジをコロコロばら撒きながら、アールくんは帰って行った。大丈夫なんじゃろか?

 そういえば、アールくんは妹が居るとか言っていた様な? どんなのかしらね? 姉があれじゃあ、期待せずにはいられない。


「みんなに相談があるんじゃけどもー」

「なあに? 一向に進まないIT革命のこと?」

「うぐう。その通りですじゃー」


 この世界にITインフラを普及させる! と決めたのですジャガー。

 需要が無いんだよねー。そもそもがですよ?あれは人類に必要なものなのでしょうか?

 令和日本では歩きスマホをするクズばかりで、害悪でしか無いですよ! 電車は満員だし、仕事の納期はやたら早くなったし。リモートワークは夢幻の如しだっだしー。


「動画配信サーバ以外、特に興味ないよねえ?」

「そうでござるなあ」

「そうじゃよねー」


 計画の建て直しが必要ですよ? 要件定義書から策定のし直し … 、は面倒なのでアジャイルで行きましょう。ウォーターフォールとかもう過去の遺物デスよ! ははっ。行き当たりばったりで、動くものを作りながら、トライアンドエラーで直して行くのデス。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ