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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
3.PoC概念実証 ~IT派遣の発想の行き着く先には悪魔の罠があるのデス~

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3-15. サーバをデプロイ

「いつまでパンイチのままでござるか?」

「あ、うん。あの園児服が一張羅じゃったけえね」


 クビになった幼稚園の園児服をいつまでも着ていたのは、他に幼女服が無かったからなんだよね。まさか、ずっと6歳幼女のままだとは思わなかったからね。未だに買い足して無かった。園児服はビル風で吹き飛ばされてしまいました。故にパンイチ。


「真冬でござるぞ?寒くないナリ?」

「QTフィールド張ってるから」

「見てる方が寒いんでござるがー」

「お風呂に行こうか。おばちゃんがまた服くれるかも」

「あ、僕も行くよ。防水加工しているから入浴も出来るんだよ」

「漏電しないでよ?」

「感電しても死なぬでござるよ。にんにん」


 そりゃまあ、そうだけどね? 他の人が居るでしょ? いや、この村は全員不老不死だったね。不老不死をいい加減キャンセルしたいねー。ドラゴン肉とフェニックス卵の他人丼かあ、用意できそうで出来ぬ、むうう。


「こんばんわんわん」

「あんた服は? 用意してあげるから、さっさと湯につかりな」

「あざます」


 私、この村に来てからもらいものしか着てないわね。なんてローコストなのかしら。カーボンニュートラルね。先進的ー。この世界は、既に一度カーボンが飽和して滅んでる気がするけどね。


「ふぃー、いい湯ですわー」

「風呂はいいねえ。人類のアレだよね。なんだっけ?」

「アールくんもエバンジェリストでござるか?」

「それは何か違うよ」


 黒いお湯が全身を包んでアレだね。ソレだわー。温泉は思考力を奪うね。湯気の中に、魂の汚れも溶け出して行くような。はわー。湯気の向こうから汚れの塊が、やって来たよ?


「あ、ニャア大佐。お風呂で会ったのだから、お姉さんのおしりのあな見てくれるー?」

「え? やだよ。私、あんたの主治医じゃないんだけど」

「主治医みたいなもんでしょー? ほらー」


 シスターのしりのあなはもう見飽きたよ。そんな、ぐいーっと広げて押し付けんな。 

 ニートンの刀を差し込んでやろうかしら? もしくは、このぢろうさんの穴に小石を捻り込んでから塞いでやろうかしら?


「あのさー? 治したの3日前くらいじゃろ? なんで、もう穴が増えてんの?」

「え? そうだっけ? 過去改変したって言ってなかった? その世界線はもう無いんじゃない?」

「あー、そうだっけ?」

「えいっ」

「おふぉ!?」


 アールくんが、指をシスターのぢろうさん穴に突っ込んでしまった。なんてことするの。


「へー、有機生命体の排泄口は神秘だね? なんで2つもあるの? 卵でも産むの?」

「アールくん、分かっててやってるでしょ?」

「僕の人工知能は人並みだからね。人並みにマヌケな事もするよ?」


 人並みの割に、超速で発電所設置したりしてたけど、どうなってんの?


「今日やった建設作業は、作業専門のロボっ子がやったからね。僕は指示しただけ」

「ああ、そうなんだ。そのロボッ子も、ちゃんと三原則入ってるんじゃろね?」

「自律行動はしない純粋なロボだから。アンドロイドじゃないよ」

「ふむー? 作業機械がロボットで、人口知能を搭載しているのがアンドロイドなんでござるな?」

「あのー、科学講座は拝聴したいのだけどー、指抜いてくれないかしら?」

「そのまま突き破ってもいいですよ。巫女の私が女神の代理で許可します」


 はあ。このシーンをどこかの異世界で担当するはめになった絵師は大変だね。イラストに出来るのかな? 見てみたい気もするよ。


「はいはいっと。治りましたよ。もう壊すなよ。大事にすれば一生使えるんじゃから」

「あ、ありがとう。今日の治療は刺激的だったわ」


 アールくんが指を突っ込んでいたのは、ぢろうさんじゃなくて、あなるさんでしたね。どっちでもいいけどさ。R指定しなくていいかな? アールだけに。ははっ。座布団ならもう一枚も無いわよ。

 そういえば、表向きにはシスターが私達の保護者なんだよね? まあ、こんなのでも、保護者なんだから、ありがたいことですよ。


「ほいでー、データセンターをどうするんじゃっけ?」

「あ、うん。僕が作っていいかな? すっとんとんビルの地下1階辺りに」

「空き部屋は沢山あるから、好きにしていいよー」

「じゃあ、作ったサーバ群は好きなように使ってよ。必要なリソースは自動で割り当てられるようにしておくから」

「まるでクラウドじゃなー」

「ニャア殿はデータセンター作りしないんでござるか? システムエンジニアのお仕事ですぞ?」

「あー? システムエンジニアはもう引退だよー。今の私は、立派なニートなの」

「クラウドをセッティングするだけでも、システムエンジニアの立派なお仕事だと巫女は思うよ?」

「そうでござるなー。拙者はスマホも使えぬゆえー、クラウドとか言われてもさっぱりナリ」

「それもそうじゃなぁ。よっし、教えるからニートンと巫女ちゃんでやりなよ」

「お? おもしろそうでござるー」

「え? いいのー? どんなの作ろうかー? 巫女は動画配信サーバを作りたいかな」

「お? アレですなー? ビデオデッキが無くてもアニメが見れる魔法でござるなー」


 平成初期に日本を離れたニートンにしてみれば、動画配信も魔法に見えるのかしらね? 私も、まさかテレビが極薄の壁掛けになるとか、そんな未来が来るとは思ってなかったもんねー。アレの草に、わくわくドキドキなアニメ見せてー、って言えばアニメ見れるようになるなんてねー。


「アレの草か、おっけーさんも欲しいんじゃがー」

「対話型コントローラーの事? 僕が居るじゃん」

「あ、そうか。すげえな異世界ー」


 アールくんはニンゲンよりもニンゲンらしいからね。AIだって事忘れてしまうね。10万年生きてる定食屋のババアとか、しりのあな見せてくる聖職者とか、私の周りろくなニンゲン居ないもんねー。さすが異世界。


 よーっし、剣と魔法の世界に、科学を持ち込んじゃうぞー! 高度に発達した科学は魔法と区別つかないっていうしね。魔法と科学のハイブリッドで遊ぶかー。

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