3-11. 不変のすっとんとん
過去改変には反動がありました。とても分かり易い形で発現したのです。
翌朝目覚めると、タオルくんとニートンは心身共にチュウニの14歳児に戻っていました。
私は6歳幼女のままなのですのジャガー。
「パンツが、粉々に」
「寝てる間にナニをしているでござるか?」
「私じゃ、ないわよ?」
おそらくは私も一度は14歳児に戻ったのでしょう。急成長したおしりがパンツを引き裂いて、その後で、魔力袋の都合で6歳時に戻ったのではないかと。むう、今日から全裸で寝ようかしら? でも、パンイチと全裸では大きな違いがありますね。パンツが無ければ即死だった、なんて事がありそう。
「パンツはどうでもいいよ。はい、これ」
「あ、拙者もあるでござる、はいナリ」
2人揃って、ラッピングされた箱を差し出します。なんじゃっけ? 今日は2月14日?
「怪人ヴァレンティヌスの命日だよ」
「バン・アレン帯でござる」
2人とも日本を離れて久しいので、なんだかアヤしい認識になってますが。お菓子を上げる日っていうのは覚えてたんだね。
「私、用意してないんじゃけど」
「ニャアは来月返してくれればいいよ。3倍でね」
「そうでござる。ポイント3倍デーに返してくれればよいでござる」
ホワイトデーって、そろそろ言葉狩りの対象になりませんかね?
ホワイトリストとブラックリストは、許可リストと不許可リストに改めるような動きがありますよ。ネットワーク屋さんは前から、AllowとDenyだった覚えがあるけど。
というかバレンタインデーもホワイトデーもハラスメント扱いされそう。
「朝ご飯の後で食べるよ」
「ほいじゃあ、朝ご飯食べに定食屋に降りましょうぞ」
「だねー」
すっとんとんシスターズは、屋根裏部屋から降りて、1階の定食屋に移動します。
ドラ肉目当ての観光客が増えて手狭になって来ましたが、いっときのブームで図に乗って業務拡張すると、ブームが去った時に負債だけが残るので、テラス席をテキトーに外に増やしただけです。
朝は満席なのですが、私達は寝坊したので、もう店は空いてました。客はシスターと巫女ちゃんだけですね。
「はい、あんた達にはコレ。バレンタインデーよ」
「あざます」
日本生まれではないお姉様だけが正しくバレンタインデーと言ってますね。教えたのは誰?
「はい、村長。これあげるから便宜図ってね」
シスターは代々俗物ですね。分かりやすいのはいいことです。
なお、この村にはチョコは存在しいので、貰ったのはクッキーとかおはぎです。クッキーは定食屋とライブハウスで売っているものですね。いずれにしても、全部お姉様が作ったものです。この村で厨房がある場所は限定されているので、個人が手作りでお菓子作りするのは無理なのです。
「来年から、バレンタインデー教室でもやろうかしら? うちに来ればお菓子を手作り出来ますよって。ぼったくれるんじゃないかしら?」
「それいいですね! 教会も協力しますよ!」
「仕事増やさないで欲しいけど、私もお菓子作りたい」
「巫女ちゃんも、うちで働けば? 休憩時間とか厨房好きにしていいわよ? うちの3姉妹はポンコツだから人手が足りないのよ」
「それは魅力的な提案ですが。私が居ないと神社がろくでもないことになるので」
「そうねー。神社を私一人にしちゃダメよー」
大人達が何やら企画してますのジャガー。すっとんとんシスターズ的には金儲けよりもー。
「やっぱりチョコ食べたいよね」
「でござるなあ」
「チョコなぁ。カカオ豆を栽培すればええんじゃろか?」
「そりゃカカオ豆は必須だけどお」
「テーパリングだか何だか専用の機材が必要でござるな? 知らんけど」
うーん。チョコレートつくーるー! てってれってっててー! な機械が何処かにないものかしらね?
「召喚出来ないでござるか?」
「お? 食べ物の召喚は斬新かも」
「最初に出たのはニートン食べていいよ」
「実験台でござるな。拙者は騎士なので引き受けるでござる。にんにん」
生きてる有機物は危険なので召喚するのは封印してるけど、死んでる有機物ならばー。
「チョコレートが暴れたりはしないでしょ?」
「クッキーやマシュマロならともかく。チョコレートモンスターは … 危険なチョコレート工場があるでござるな?」
「ディスコもあるよ?」
「いやー、召喚者がよく知っているものは、おおむね大丈夫だから」
レプリカのストラトなら召喚出来たからね。全部ニートンにステージで燃やされちゃったけど。
「むーん、むーん! ぶりりりー!」
「どんな呪文なのよ?」
ぽっすん
高級なトリュフチョコのセットが出現しましたよ!
「ではさっそく食べてみるでござる」
なんのオチもなく、普通に美味しかったよ。みんなにも配ったので、来月のポイント3倍デーは無しです。絶対忘れてるって。




