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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
16.テスト仕様書 -神話とか言い出したらまさになろう-
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16-20. 固過ぎるアイスに歯が立たない夏

「今日は、8月42日なのよ! だって、世界は観測して初めて成立するのだから。観測者である私が、今日はまだ夏休みなのだと言えばそうなのよ! 量子力学の勝利なのよ!」


 タオルくんが、壊れてしもうた。

 最近は、タオリンだかカオリンだかいってた様な気もするけど。

 どっちみち、ワシらずっと夏休みか春休みか冬休みかゴールデンウイークじゃん。


 そんなわけで、この日記は、ワシ(ニャア)が再び巻き取る事になった。

 元々、ワシの日記じゃし? タイトルに「魔法少女」ってあるじゃろ?(2025年9月現在)

 破壊神が主人公の話じゃないんよ。

 今のワシは、魔法少女でも魔法幼女でもなく、素幼女じゃけどね?

 

「ふーん、そうじゃねー」


 と、適当に相槌をうっておく。出来る女は相槌上手じゃからね。


「核融合理論的には、今日はまごうことなき9月11日なんだが」


 数子ちゃんや、そいつは実はお前の叔母さんなんじゃぞ?

 名前も同じ、ファースト数子じゃ。

 だから、なんだって事もなかったね。


「あー、今日は911かー」

「ドイツのスポーツカーがどうかした? 警察に反則金むしられたのが、癪だったから、彼女のカレラ全巻を古本屋20軒くらい回って買い集めたのに、ちっとも読んでないまま押し入れに仕舞っちゃったの思い出すけど、それがどうかした?」


 さすがタオルくんの姪じゃな? 何言ってんの?

 

「911といえば、合衆国が初めて本土に攻撃を受けた日なんじゃけども?」

「あー、あれかー。全米が泣いたやつ。私は、笑っちゃったけど。最後、サメはないわよね」


 ん-? あの大事件が、フィクションの中にしかないの? それもゴミカスB級映画っぽいけど。

 むしろ「朝からB級映画やっとるのは、テレ玉かー? と、思ったらテレ東でもやってて、マジか、これ現実かよ! オーソン・ウェルズも真っ青じゃのう。火星人襲来のラジオドラマの逆じゃん!?」って思ったのに。その911が起きていない?


 どうやら、この世界はワシらの知る川崎市とは違う可能性を辿っておるようじゃのう。

 神聖カワサキ帝国とか、ネーミングセンス頭沸いとるし。


「ほいでー? 何をするんじゃったっけ?」

「なろうを見つけるんでしょ?」

「新作アニメを観るんばい?」

「うちに帰るんだろ?」

「パピコイチゴ味を探すんでしょ?」


 最後のは来年の春まで無理じゃないかな? レモン味もそろそろ品切れっぽい。

 そろそろ、ブドウ味のシーズンじゃないかのう。くり味は出ないの?


「アイスと言えば、ワシは最近やっと気づいた事がある」

「 … 話が、脱線してるけど、聞きましょうか」


 アズキバーは、人の食べ物ではないと思ってたんよ。

 あんな固いの食べたら、前歯折れるでしょ。ってゆーか、折れたし。ワシの前歯差し歯じゃったから。


「前歯が3本くらいなくても人は生きていける!」

「通天閣の麓にたむろしてる、おっさんみたいな事言い出したわね」


 前歯が折れないようにするにはどうすればいいか?


 前歯が無ければ、折れる心配などない!


「これが、真理ってやつじゃよ。アズキバーは、実にうまかったんよ … 」

「遠い目をするほどか、そうかも知れんが」

「あんた、あんこ大好きだもんね。そりゃそうでしょうとも」

「今まで、食べてなかったのが不思議ばい」

「柔らかいアズキバーもあるよ。箱に入ったのしか見ないけど」


 無駄に差し歯に拘って50万円と半年の期間を費やしたのにさあ、5年ももたないってどういう事?

 全部抜いて、部分入れ歯にしたら、前歯が折れるかも知れない恐怖から来るストレスから一瞬で解放されて、1万円もせんかったんよ!?

 最初から、抜いてしまえば良かったんじゃ … 。

 今の体は、不老不死じゃからして、永久歯を抜いても生えて来るから、これは前世の話ね。


「前世のあんたって、ど近眼かつ乱視かつ老眼で、おりしの穴もどうかしてたし、前歯三本入れ歯だったの? わりとサイボーグよね? 頭髪はあったの?」

「そういうワケなんでー、出来る事から始めようと思うんじゃけど」

「急に、話を戻したわね」


 異世界への転移は、破壊神の行いとはいえないから、タオルくんには行使出来ない。

 ここに来た時、タオルくんの魔法じゃった気もするんじゃがー? 4姉妹全員、何かを忘れてしもうておる。マヌケじゃからして、是非もなし。


「過去に行くのはどうじゃろかー?」

「時空を破壊する? うーん、そんなちゃちな解釈じゃ、破壊神の合理性が」

 

 破壊神の魔法は、合理性さえ整えば、道理が引っ込む、という。

 意味が分からんのう … 。

 逆に言えば、タオルくんの中で合理的な理論が整わないと、何も出来ないのだ。


「扇島に、過去へ行けるマシンとかないんじゃろか?」

「核融合は、過去へは行ないって道理を建前にしてるから無理よ」


 それは建前じゃなくて特殊相対性理論じゃろ? 逆らえる現代科学者おるの?


「うーん。パピコ買ってくるわー」

「おいどんも行くー!」

「俺、ブドウ味なー」

「私、ノーマル」

「ノーマルってどっち?」

「コーヒー味」

「ノーマルは、白パピだろ?」

「危ないから全員で行ったら? 後で、揉めるよ。コレ頼んでないって」


 ワシらは、全員でパピコを買いに行く事にした。

 店によって品揃えが違うからね。といって、何店舗も回ってると、最初に買ったのが溶けちゃうからなあ。


「どこに行くかが重要じゃのう」

「あったやつをその場で食えばいいんじゃないか? その後で、次へ行けばいい」

「ソレだ!」


 あ、箱入りの柔らかいアズキバーも買わないと。

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