表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
13. インターフェース仕様書 - 新たな分解点 -

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

215/296

13-15. 夏休みの自由研究

 一学期最後の今日。急遽、私達一年ドラゴン組のホームルームを開催しました。


 4枚あった学生証のうち、新規発行は1枚のみで、ミーナのです。私とタオルくんのは元からあります。では、ニートンのはというと、学生証ではなくー。


「このクラスの担任の、スズメ・ニートン・チヨ・コレィト・スットントンでござるよ。剣聖にして、教師総代でもござるからな。夜の校舎で窓ガラス割るようなスケバンは即斬るナリ!」


 そうです。彼女は、教師ですよ。そして、このクラスの担任です。だって剣聖として甦ったので。666代先まで転生を封印されたはずですけど、きっとミーナが何かしたんでしょ。掘り下げるとコワイこと白状しそうなので、そっとしておきます。


「なんで拙者だけ教師ナリ? ま、いいかー、軽音部かフォークソング同好会やるなら、顧問になるでござるよー、自己紹介やっとくナリ?」


 クラス全員身内なので不要だと思いますが。


「タオル・スットントンだー。特技は、毎秒100発で撃ち出されるガトリング砲。野球をやればどんなタマでもランニングホームランだぜー、よろぴくー」

「ミーナ・スットントンです。特技は、120万年前の昔話かな? 昨日見て来たように語るよー」

「興味ねえけど」

「うるさいぞ? ポンコツ機械獣」

「ほらほらー、そこ。ケンカなら伝説の樹の下でやるナリ」

「ニャア・スットントン。スットントン家の当主じゃよー。爵位はドラゴンでー、終身名誉王女なんよー、自他共に認める女神で、大天使の妹なのじゃー。本業はシステムエンジニア」

「属性盛り過ぎよね?」

「ヒドイよ?」

「ワシ自身もそう思うんよ」


「明日から夏休みだけど、世界滅ぼしたりするなよー」


 しねえよ! とは言えないメンツしか居ませんね。 


「あとなー、美容室には気をつけるナリ。バンギャみたいにされちゃうから」


 ニートンは剣聖チヨちゃんとして認識されているので、美容室に行ったら、勝手に金髪のロングソバージュにされちゃいました。本人は、ポニーテールにしたかったのに。

 素体として眠っていて、成長を止められていても、何故か髪だけは少しづつ伸びちゃうのです。起きた時のニートンの髪は、ポニーテールにするには長過ぎでした。自分で切れば良かったのにね。立派な刃物が腰にぶら下がってるんだから。

 コミュ障のクセに美容院なんか行くから、こんな事に。でもカッコいいと思いますよ。金というより、プラチナって感じの、キラキラした白髪が。アレだ、これデビル先生だ! 先生、俺ロックバンドやりたいです。


「美容院で勝手されちゃうのは、あんただけだと思うわよ?」

「そうかな? タオル姉ちゃんもアホ毛にされちゃうよ?」

「この縦ロールはDNAに刻まれてるから、神でもなきゃアホ毛にするのは無理よ」


 この学校でのタオルくんはアホ毛のイメージでしたけどね。さっき食堂でみんなのイメージを上書きできたでしょう。神が実はカリスマ美容師で、ここの美容室に居たりはしないだろうし。この世界にもし神が居るとしたら、システムエンジニアだと思います。


「ほいじゃー、寮の部屋にー、ってワシらの部屋なくない?」

「そういえば、最後は馬小屋だったわね?」

「何をやらかしたの? いや、知ってたわ」


 ミーナは、相部屋のボッスンという大魔女が前世なので、この学校で私とタオルくんがやらかした事を知っています。それは、剣聖チヨちゃんだったニートンも同じですね。


「ニートンじゃなくて、スズメかチヨがイイなり。もうニートではないナリ。教師ナリ」

「じゃあ剣聖かチヨって呼ぶけど。あんた教師なんか出来るの?」

「ミーナ脳が移植されているナリよ?」

「それはそのカラダじゃないでしょ?」

「そうでござったな。教科は他の教師にやらせるナリ。教師総代なので人事も自由ナリー」

「校長を倒しておけば? 邪魔されるかもよ」

「あー、それは不要。校長は私が潜り込ませた子分だからね、言いなりだよ」

「すげえな、痛ポエム貼るためだけに潜入させたはずが、登り詰めたもんだな」

「ついに校長まで支配下にしてしもうた」


 ほいではー、まずは寮の部屋の確保だね?


「1年は最上階で4人部屋なんだっけ?」

「全部空いてるから自由に使えるのでは?」

「なるほど。そういえば今年の1年生は、私ら以外全滅だったわね」

「拙者が斬ったでござるよ」

「ひでえ学校だなあ」


 弱肉強食の掟だからね。油断してると狩られちゃうよ? 妖怪パンツ剥ぎとか出るし。


「じゃあ、部屋はどうでもいいわね?」

「では早速、探しに行くでござるな?」

「999か666だね?」

「どっちも押さえておけば、どっちなのか気にしなくて済む」


 探しに行くのは、女神シリーズの素体です。私のカラダのバックアップですね。今の私が999か666のどっちか分からないので、両方押さえます。


「バックアップさえ確保できれば、ナンバーはなんでもええんじゃけどね」

「問題は場所よね? 原則として学校内で探すけども」

「外出禁止の校則があるからね」


 学校内で、人体がありあそうな場所といえば。


「理科室に生の人体あったらこええだろ」


 理科室なので骨格標本なんかもありますね。多分コレ本物だわ。日本でも昔は本物置いてたらしいですよ? 知らんけど。


「ここで標本のフリをしているのは、ボンジリとアマテラス。何やってんの?あんたら」


 オウムと猫のフリをしてますね。猫は寝てるだけかな。


「自由にさせておこう」

「ほうじゃね」


「コロしの術とは、人体を知る事が肝要ナリ。生の人体標本のひとつやふたつあるデショ」

「確かに、あるわね」

「タオル姉ちゃんの回りくどい事を回避するルートかあ」


 ありました。理科室に大型の冷凍庫があって、その中に女神シリーズの素体が。


「しかも、666か999のどっちかじゃよ」


 天地が不明なのでどっちなのか分からないのです。これで、どっちも私のものですね。


「しかし、どうする? ここで取り出すと溶けて腐っちゃうんじゃ?」

「剣聖が寝てた部屋に転送して自然解凍しておくよ、ほいっと」


 もう送っちゃった。やっぱり、魔法ではもうミーナには敵いません。


「あの部屋の電源系統を調べて、必要なら2重化3重化しておく?」

「それは難しいとこじゃね。シンプルなシングル構成の方が、むしろ耐障害性は高いんよね」


 念入りに冗長化したシステム程、いざって時に動かずに事態を悪化させるような。気のせいですかね? そうそう系統が切り替わる障害ってないし、事故ばかり印象に残っているだけですかね。


「あの部屋は既に科学と魔法のハイブリッドだよ。ミクルンが知っているはずだけど。科学部分を作ってもらったし」

「あー、あいつも知っている事を黙っている権利があるからね。嘘はつけないはずだけど」

「そういえば、ミクルンの素体のバックアップも探さなきゃね」

「ソレだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ