表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
12.論理構成図 -結界を決壊せよ!-
189/295

12-26. 異世界日本で悪事魔法

 川崎市川崎区、駅から徒歩10分程度の風紀の乱れた界隈に、ニャア大佐のお家はありました。


 200坪くらいの敷地に、2階建ての高気密高断熱省エネ住宅。ガレージには、高級車が3台停まってます。どんな悪事に手を染めたのやら。お金持ってそうですねー。


「こにゃにゃちわーん!」

「お? 久しぶりだにゃ?」

「おう! うちの子達は?」

「学校に行ってるにゃ」

「え? 医師免許とるために大学に再入学とか?」

「ちがうにゃ。治癒魔法あるから医者は要らんにゃ」

「ほいじゃー、弁護士?」

「それも、もう要らないにゃ」

「まさかの、代アニ!?」

「おい、宇宙海賊さんの母校をディスってんのか?」


 あれ? タオルくんは宇宙海賊タオ☆ルンじゃった!? クイーン某か、キャプテン某かと思ってました。


「小学校にゃ」

「ほげー! こっちでも、似たような事を」


 小学生の戸籍なんて、よく手に入りましたね? 小学生の浮浪者なんて居るのん?


「子供なら脱法的に手に入れ易いんにゃ」

「合法的ではないんじゃね。えーっと、うちの子達全員そうなんじゃろか?」

「いや、ナツコ大先生なら、在宅にゃ」


 ナツコ大先生?


「おー、ニャアちゃんじゃないの。まだ生きてたのかー」

「おばさん、誰? まさか、オモッチお姉さん?」


 子供部屋おばさんか、ヒキニートみたいなのがリビングにやって来ました。寝グセぼっさぼさ、上下スウェット。平日の真っ昼間から、ビール飲んでますよ?

 これは、間違いなく和名ハルコ真名オモッチ、私達の平成末期日本転生時代のとーちゃんです。ちんちんレスだけど。

 そうか「疎開転生」って言ってたわ。別の個体に入ってるんだ。見知らん顔のはずだわ。次に転生したらアキコさんなんじゃろか?


「発行部数1億部越え、アニメ化映画化実写化ゲーム化パチスロ化、無駄グッズも量産し、川崎市の更なる聖地化も果たした、超絶売れっ子マンガ家様じゃー、ひれ伏せ愚民共」

「ほげー!」

「私達がアジの一夜干しにゃ」

「絵に描いた餅はうまいにゃ」


 ふむん? ニャア大佐の部下魔獣さん2頭がアシスタントさんなんじゃね?


「あんた、今のでよく分かったわね?」

「異世界転生のエキスパートですから」


 私は、ちょっとした事でコロっと死んで、異世界転生します。経験した異世界は、100を越えるかしら? 元IT派遣奴隷だった時の「新しい派遣先の独自言語を覚える」というニュータイプ能力があるので、異言語の習得は得意なのです。何故か、未だに英語は習得できませんが。IT派遣奴隷は人類の革新なのです!


「こいつら魔法でアシストしてくれるからなー。未だにアナログでやっていける。私は落書きみたいなネーム描くだけよん」

「あんた元システムエンジニアなんでしょ? デジタルでやらないの?」

「はぁ? システムエンジニアが何でもデジタルに強いワケあるか。デジタル作画も、DTMも動画編集も無理だぞ」

「まぁ、そゆうもんじゃろね」

「で、ニャア大佐は何してんの? マンガの上前はねてんの?」

「失敬だにゃ?」


 ニャア大佐は、最初のうちこそ毟り取ったキネマであるIT派遣奴隷をやったそうですけど。魔法を使う事にしちゃったそうです。魔法で、この辺一帯の反社の大脳新皮質をフォーマットして舎弟にし、上前をはねたとかはねなかったとか。

 銀行の支店長に貸金庫荒らしをさせたり、浮浪者の戸籍を転売したり。でも、魔法を使ってまで悪事を働くこともないな? と気付き、弁護士を下僕にして、カバのライ金がどうとか、なんたら被害がどうとかで、荒稼ぎ。今は、マンガ大先生ナツコ様の、法と暴力両面の用心棒だそうです。

 なるほどー、その手があったかー。今の私は魔法の使えない素幼女なので真似出来ませんけど。


「そんなワケだから、お姉さんはもう日本に永住するわよー。あんたらは、とっとと帰りなさい」

「小学生やってる連中も、お前にはもううんざりだそうにゃ」


 そりゃまあ、奴隷にしたり、どんぐりにしたり、散々な目に合わせてますからね。いや、どんぐりにはしていない。


「はあ、ほいじゃあ、帰ろうかタオルくん、ボッスン」

「は? 私も、この世界で魔法無双しますわ」

「え!?」

「お前にはもう、愛想が尽きたからな! なんなら今スグ死ねー! 怪人ミツバチ幼女め! あふんっ」


 突如、反撃を開始したボッスンはニャア大佐に倒されました。

 何と!? 絶対服従の契約まで大嘘でしたか!? 所詮は、私の家臣です。是非もなし。


「こいつはもうダメだにゃー。お前ら一体何をさせたんにゃ?」

「いやまあ、心当たりなら沢山ありますん」


 32万年も「精神を病んじゃうドッキドキの部屋」で修行させたり、全裸でダンジョン攻略させたりね。いや、全裸は無かったっけ?


「最悪処分するとして、大脳新皮質をフォーマットして舎弟にしてもいいかにゃ?」

「いいよー、返品不可ね」

「最近、仕事が増えて困ってたんにゃ。この世界の魔法使いは貴重だからにゃ」


 あれ? そういえば、この世界には魔力の源であるマナもカナも極薄で、使える魔法も限定的だったはず?


「お前は、まだそんなものに囚われていたのにゃ?」

「いや、まあ、もう魔法は使えない素幼女なんで、どうでもいいんじゃけど」

「あ、そう? なんならしばらく滞在してく?」

「いやー、私らも小学生なんで。退学したくないし。留年も出来ない厳しい学校じゃからして、出席日数足りなくなるのはまずいんよ」

「さっさと帰りましょうか」

「ほいじゃー、私が転移魔法で送ってやるにゃ」

「そうはさせるか! ゴミクズがあ!」

「あ、やっぱこいつ処分にゃ」


 あ、おい。ボッスンが異世界転移魔法に割り込んで、邪魔しやがった!

 え? これってどこへ転移しちゃうの~?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ