表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
12.論理構成図 -結界を決壊せよ!-
175/295

12-12. 私達は、アタナ達をロックしまうー、永遠に

 突然。辺り一面が真っ暗な闇に包まれた。チュウニ大好きダークネス。何事かしら?


 くえー!

 うにゃあーん


 魂の奥底を揺さぶるスクリーミング・シャウト!?


「アマテラス!」

「ボンジリ!」


 山を越え、大海を越え、結界も越え、私達の村へやって来た。

 ドラゴンとフェニックスが、やって来た!


 フェニックスアロー!

 じゅぼわあああああああ!!

 クエーーーーーッ!!


「あれは、大神獣フェニックスが、自らを炎の矢と化し自爆特攻する神話級の大技フェニックスアロー!喰らった相手は全滅する!」

「解説乙」


 しかもフェニックスは文字通り不死鳥なので、死ぬ事もない。くくっ、カッコいい。ずっと、放し飼いじゃったのとゆうのに、忠誠心も神話級。


「にゃーん」

「アマテラス、ああぬくい」


 アマテラスは結界の突破で力を使い果たしたのか、仔猫になってる。真っ黒なおはぎみたいな仔猫型アマテラスは、私の腕の中に転移して来た。


「おっと、こりゃやべえや」


 スピンターンを決めたタクシードライバーは、魔獣キル・ザ・キングを私の側まで走らせてきて、ドリフトターンで、きゅきゅっと停めた。私をフェニックアローの衝撃から守るように。さすが、オトゥフゥの名は伊達じゃない。見事なドラテクだよ。


「みなさん!こちらで固まって下さい。ワタクシのQTフィールド全開で防御しますわ」

「1024重まで張るのじゃあ、ボッスン」

「イエス!マスター!」


 ずっどおおおおおおおおんんんんん!!


 どて、ぽき、ぐしゃ


 うわー。フェニックスアローで最後に残されたミヤコの土地まで焦土と化しましたよ。


「いえ。フェニックスの加護で、魔法汚染された土地まで浄化されました。これから復興が大変ですよ」

「その前に、ヨコヤマ潰しじゃろうね。土地の奪い合いじゃわ」

「そうですね。まずは王宮へ帰って、体制を組みましょう」

「のじゃー!」


 フェニックスのボンジリはピンク色のひよこになりました。大技フェニックスアローで、力を使い果たしたんだね。

 アンを、おっちゃんのタクシーに乗せて、今度はフルメタルチャイルドシートなしで、魔獣ルーチェに乗ります。ミクルちゃんは運転席だよ。考えてみれば、王室すら私の配下なのだ、道路交通法なんか知ったことじゃないでしょ?自分の身の安全は、私を膝に乗せた剣聖が命と引き換えにしても守ってくれるもんね。


「いやー、爽快だったナリー!まだこの後、ヨコヤマとの合戦があるのでござろう?たまらんナリー」

「剣聖は、バトルジャンキーですのね?ワタクシは、魔法の特訓をする猶予が欲しいですわ」

「私も、メンテンナスしなきゃ。あちこちガタガタだわ」

「私はー、久々にアマテラスを丸洗いするかなー」

「仔猫だし、あまり洗わない方がいいんじゃない?」

「ほうじゃね」


 ふむん。普通の幼女になったので、私だけ特にすることが無い?いんや?何かを忘れてそう。


「アンと別行動にしよう。学校に帰ろうよ」

「そうね。そうしましょうか」

「のじゃー!おやびん」

「承知ですわ」

「がってんしょうちのすけなりー」


 ほいでー、私達は久々に学校に帰って来た。何日空けてたんだっけ?3日間程度か。お休みの日曜日と月曜日も挟んだから、ちょっと遠足に行ってましたでも通るな。実際、そのようなものだし。


「担任の剣聖が言いなりなのは、こういう時便利ね。クラスメイトは私とニャアだけだから口裏を合わせる必要もない」

「ははっ。アタシの事は、便利に使って下され。こんなに充実した体験をさせてくれる主君は初めてでござるよ。ニンニン」

「それは、よかった。主君としても嬉しいんよ」


 ほいじゃあ、まずはお風呂だね。


「ワタクシは、ミクルちゃんとチヨちゃんと一緒に、ボンジリさんの鳥小屋と、アマテラスちゃんの寝床やおトイレの準備をしておきますわね」

「剣聖は木工も得意なんでござるよー!」

「あっしこそ何でも作れるやんすよー」


 ありがたいわー。家臣に恵まれたねー。私は、お風呂に持って行くオモチャを用意しないとー。あ、そうだ。ルフランに貰ったスマートウォッチ的なリストバンドを着けてみよう。お風呂で水没するようだと使い物にならないから、早速テストだ。


「ふっひゅううう。学校のお風呂もいいねえ」

「そうね。王宮のお風呂は、真っ黒な川崎風で、あれもいいけど」

「湯温35度。幼女が入るには、ちと高いんちゃうか」

「あら。そいつ、そんな機能まであるのね」

「ほんまじゃ。ところでルフラン。もしかして結界消えてない?」

「んー、せやなあ?弱まってはおるかな?ドラゴンが破壊したんやろか?」

「ドラゴンに結界の破壊が可能であったら、もっと早く来てそうなものよね?」

「ほな、ドラゴンと違うかぁ」

「んー?ルフランにも結界の原理が把握できてないんじゃろか?」

「せやで。魔法でも科学でもないんちゃうかなー。ミヤコの陰陽師のドーマンセーマンとかいうアレちゃう?」

「それもあるんじゃろかー?でも、ミカドの寝所には簡単に侵入出来たんよ」

「ほな、陰陽師と違うかぁ」

「あんたじゃないの?ルフラン」

「あー、うーん?わいも確かに結界張っておるけどもお?」

「最初にすんなり入れた時点で違うような」

「ほな、わいと違うかぁ」

「ヨコヤマの異星人ロボじゃろか?」

「それだと、順番が前後してるじゃないの」

「ほな、異星人ロボと違うかー」

「ミーナが外側から何かしたんじゃないの?」

「じゃったら、デミヲ召喚にあんなに苦労してないじゃろ」

「ほな、ミーナはんと違うかぁ」

「おかんが言うにはな?」

「おかんって誰よ?暁の魔女?今、会話も出来ないでしょ」

「ほな、暁の魔女と違うかぁ」


 さっぱり分からんちん?


「ボッスンが引き起こした大厄災ゲロローンだっけ?それが、結界の発生器を破壊したけど、まだ何処かに同じものが残っている、ってとこじゃないの?」

「ソレだ!」


 だとすると、ヨコヤマかダモンの何処かにまだあるんだ。どんなものかも全く分からないけども。


「わいの演算によるとやなー、その仮説に立った場合、わいの知らん世代の古代遺跡ちゃうかなー」

「なるほど。まずはダモンの地下ダンジョンを調査か破壊?」

「ヨコヤマを叩くのが先じゃろね?ヨコヤマは、それを理解して発動させた可能性が高い」

「ああ、そうか。国連の怪人安スーツ男に会う直前まで、転移で村と往復出来てたもんね」

「ミヤコにあった同等品は、勝手に動いとったんやろか?」

「ヨコヤマの工作員が動かしたと考えるのが妥当なんじゃない?」

「せやなー。つまり、その仮定は、けったいな問題を孕んでるんちゃう?」

「ダモンにもヨコヤマの工作員が居る?そりゃまあ居るでしょうねえ」

「私は、おっちゃんのタクシーにダモン神獣のツノ短剣を忘れたマヌケがアヤシイと思っちょる」

「じゃあ、まずは王宮に行くの?」

「うん。でもそれは明日以降じゃね。さすがに疲れたびー」

「そうね」

「今夜は、ゆっくり寝たらええよ」


 寮の私達の部屋には3つの個室がある。剣聖チヨちゃんは不寝番の役目があるし、昼間学校で寝るというので、個室は1つ空いていた。そこにはボッスンが入る予定。


「あ、マスター。考えてみたら、ひよこの小屋なん不要ですし、アマテラスちゃんは、外で勝手におトイレしちゃうんでしょ?」

「ほうじゃね」

「ですよね。ワタクシ達も、お風呂入ってまいりますわね」

「いってらーん」


 ボッスン用の部屋は、畳敷きの和室だ。押入れもある。


「押入れを見ると、ニートンを思い出すわね」

「ほうじゃね」


 私達すっとんとん4姉妹が日本に居た14年間。コロナカの期間は、ニートンは押入れに籠もって、ずっとギターヒーローさんを目指していた。日の目を見る事は無かったけども。夜は、上の段でまるでドラえもんの様に寝てた。

 私も、ニートンの真似をして、押し入れの上の段に、寝転んでみる。タオルくんも、隣に来た。幼女2人なので狭いけど、並んで寝られなくはない。こんなに密着したら赤ちゃんできちゃうん。


「できないわよ。あら?あれは何かしら?」

「おんやあ?」


 押入れの天井に絵が一枚張ってある。私はそれを剥ぎ取って見る。絵の内容に驚愕しながら。


「4人の少女がステージ上で演奏しているわね。ジャガーに乗った幼女がうろついているけど、これはあんたね?」

「ほうじゃね」


 ああ、涙が溢れて止まらない。この、異常に線の多い書き込みは、間違いなくニートンの筆致だ。あいつも、ここに居たんだ。ちゃんと転生して、ここで私達の事を想い出していたんだ。この寮は、何万年前から此処にあるのよ?


「あいつ、なんでこんなに金にならない事ばかり得意なのよ」


 そう悪態をつくタオルくんも、涙でぐしゃぐしゃ。


「ねえ?裏に何か文字が書いてない?痛いポエムかしら?」


 ニャア殿


 きっと見つけてくれると思って、ここに残すナリ。

 4姉妹で暮らした生活は、拙者の輝ける暗黒の伝説でござる。

 拙者は姉上と楽しく暮らしているナリ。

 だからニャア殿もタオル殿と楽しく暮らすといいナリ。


 遥か彼方の時の向こうから、うぃーうぃるろっきゅー!ござる。


 すっとんとんふぉーえばー


 イモータル・イモートここに記す


 ニンニン


「痛いポエムね。こんな黒歴史、絶対に消してやんないんだから」

「ほうじゃね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ