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魔法少女と夢見る電気魔王 ~女神の異世界ITパスポート?~  作者: へるきち
12.論理構成図 -結界を決壊せよ!-
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12-0. ちんちんファンタジー

「お前の親も、マニアックなプレイしてんなあ」


 多様性に寛容な私は、どこからがマニアックなプレイなのかは判断出来ませんが。ボッスンの親は3人居る事が判明しました。タオルくんの感性では、それはマニアックなプレイになるようです。「も」ってのは誰にかかってるのかしら?


 ボッスンに、ウソはつくな、ただし真実を黙っている分は許す、と言ったのですが。彼女はフルオープンなので、黙っててもいい事まで、ペラペラと勝手に自供しました。なるほど?ヨコヤマの連中が本音ダダ漏れなのは、彼女と同じ血統なんですかね?


「ダモンでは、今でもミヤコは仮想敵国なんだっけ?だから陰陽師も親である事を隠していたと」

「ワタクシも、好んで敵を作りたくはありませんので」


 ふっ、ワタクシ以外のニンゲンなど全てゴミですわ。とか平然と言ってのけるチュウニのボッスン。正真正銘の14歳なので、彼女の脳内にはドロドロとした妄想が渦巻き、それが垂れ流しなのですが。近衛騎士の親から受け継いだウソつき回路が、いい感じに彼女を保護しているので、一般社会でも生きていけます。

 しかし、私の前ではウソつき回路が無効化されてしまうのでー。


「親は3人共、ちんちんがついてないので、ワタクシちんちんをいじったことありませんの。見た事すらないですのよ」

「よし。ちんちんも禁止だ。私も、過去にオスに転生した事があるが、ちんちんいじくる暇も無く死んだから、まったく知らん」


 私が、過去に渡り歩いた異世界は、おおむね中世。日本だと戦国時代なイメージ。男は完全に消耗品。この世界へは、幼稚園児が遊んでいる公園にぽけーっと転生して来ましたけど。いきなり合戦のど真ん中に足軽XYとして転生しちゃったりね。即死ですよ。ちんちんなんか見てる暇も無い。


「私も、ちんちんは知らん。歴史には子供が4人居たとか残ってるけど、全部ウソだからアレ」

「ちんちんってなんですか?伝説のぼっこかしらー?剣聖は生物の知識が薄いのよー」


 歴史が大概ウソってのはよく分かります。有名な本能寺のアレだって、私がロケット花火を撃ち込んで遊んだのが原因だったと記憶しています。この事実は、どの歴史書にも残ってねえっすわ。居酒屋で意気投合した第六天魔王と撃ち合いしてました。お酒の飲み過ぎは人生を狂わせるといいますが、アレは最大の失敗ですわー。もう、お酒は結構です。

 タオルくんは地球の歴史に残る王妃とか王女だった前世があります。それ自体がどこまで本当かも、私には分かりませんが。なんなら本人にだって分かりません。100年以上生きてると、現実と妄想と夢の区別が曖昧になっていきますからね。ちんちんなんてファンタジーじゃないの?形而上の仮想器官なのでは?


「記憶って言えばさあ、私達って異世界転生した時に、別の肉体に入っているじゃない?転生前の記憶って何処に記録されてんのかしら?人体的には脳よね?」

「確かにー?」


 どこかの異空間だか魔空間、あるいはマヌケ時空に、クラウド的なデータストレージがあり、そこに記録されているとか?管理者がマヌケで、rm -rf /*とか実行しちゃったら、私達どうなるのん?記憶を全て失っても、自我とか魂って不変なのかしら?

 こういう妄想が止まらなくなり、おしっこを漏らすのが、私という生き物です。


「いや、よく分かるよソレ」

「分かりますわ」

「剣聖には、よく分からない」


 ツッコミが遅くなったけど。剣聖って生物破壊のプロフェッショナルなんでしょ?生物の知識が薄くてよくやっていけますね?


「急所はだいたいセンターライン上ですよ」

「なるほど?右眼が弱点とか、そういう生物は居ないの?」

「んー?少なくとも全ての生物は脳を破壊すると機能停止しますね」

「でしょうね?」


 いい加減、本題に入りましょうか。朝礼の小噺が長過ぎると不評だった私ですけど、プロジェクトも推進していかないと。本プロジェクトのゴールは、ダモンに張られた結界の突破ですけど。当面の短期目標は、魔法幼女である私の魔力補充と、サイボーグ戦士であるタオルくんのメンテンナス。

 

 魔力は、ボッスンをぎゅっと抱き締めてクンカクンカー!すると補充出来る事が判明しました。変身腹巻きを装着していると内蔵のモバイル魔力バッテリーに充電しておくことも出来ます。全裸でクンカクンカしてもいけます。

 ボッスンが、カナの固まりなのか、もしくは触媒なのでしょう。純度100パーセントのマナであろうが、カナであろうが、マナカナ混合であろうが、魔力に変化はないみたいです。

 レギューとハイオク、そんな感じ?違うかな。カナ多めだと、なんか音がイイネー、くらいの違いですよ、マナとカナは。芋焼酎と麦焼酎、モルトウィスキーとグレーンウィスキーくらいの違いですかね?

 問題は、見た目が百合過ぎるって事だけです。もう、今更です。タオルくんと私は入籍しちゃってるし、この国も多様性には寛容ですし。ボッスンか私がクサクサの時だけ、ちょっと困りますね?ふたりともお風呂スキーなので、おそらく問題なし。


 残る当面の課題は、タオルくんのメンテンナス。


 頭の上に本を載せて、直線の上を歩くタオルくん。

 歌劇団の訓練か、酒気帯び検査みたいなコレで、回路の曲がりがはっきり分かるのだとか。


 ぼすん


 数歩歩いたところで、どうしても本が落ちます。私がやると、そもそも本が頭に載りませんけどね。


「んー。剣聖のアタシの目でも、どこか軸がブレているのが分かります」

「回路って、具体的に何処が曲がっているの?ボッスン」

「うーん。仮想タマ袋の右側がちょっと重い感じですのよ?」

「ちっとも分からんちん」


 己の得意分野を他人に説明するのが壊滅的に下手ですよ、この子。剣聖もそうですし、私もそうです。主従なのだから是非もなし。あと、この子は下ネタが多過ぎます。チュウニだから?そうかなー?6歳幼女達相手に何言ってんだ。


「ボッスンのその能力は、親の遺伝なのかな?」

「どうでしょうかね?3人とも、異星人襲来の時に滅してしまったので。もう聞くことも出来ませんわ」

「んー?近衛騎士と巫女って死んでも蘇るんでしょ?陰陽師は知らんけど」

「騎士は名誉ある死、巫女は女神に殉ずる死、それ以外だと魂がこの世界から消える設定だったよね?」

「設定というか、仕様ね」

「6年前の異星人の襲来の時に、3人共古代遺跡から発掘した人形のリバースエンジニアリングに夢中でして。パンイチのまま、異星人の巨大ロボに踏み潰されちゃいました」

「なるほど。確かに騎士の義務も、巫女の義務も一切果たしてないね。陰陽師は知らんけど」


 陰陽師の事が一切分からんのですけど、重要なキーワードが出て来ました「古代遺跡」「人形」「巨大ロボ」。この子の親は、シャアのサイド7潜入の時に、避難しなかったアムロみたいな事になってますね。


「巫女の義務というのは、割と曖昧なんですけどね。命を弄ぶのだけは禁忌だそうで。人体実験してたのがアウトでしたのかと」

「ふむー。その親達が存命なら、何か有用なテクノロジーが入手出来たかもねえ。共同研究者は居なかったの?」

「3人共コミュ障でしたから。ご近所さんとも挨拶すらしませんでしたわ」


 ボッスンの実家はぺっしゃんこになった挙げ句、全焼したとのことで、何も残ってません。ボッスンは当時既に、この近衛騎士予備校の生徒だったので、すぐに避難したし、現役の近衛騎士である学校職員に守られていたので、無事だったわけです。


「異星人の巨大ロボなら、ヨコヤマが鹵獲してリバースエンジニアリングに失敗して、ぼっかんしちゃいました。残ってませんね」

「その辺は、リンリンか担任辺りにも聞いておこうか。剣聖チヨちゃんの記憶はいい加減だからね」

「ワタクシが聞いている話とも、今のは一致してますわよ」

「ほいじゃあ、残ってそうなのは、古代遺跡ってやつじゃねー。ボッスンは、それがどこにあるか知っちょるの?」

「ワタクシの実家の地下にダンジョンがありますの」


 ついに出た!ダンジョン!!学園編を中断してダンジョン攻略編に突入ですかね!?

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