11-15. ストラトキャスターは世界を制す
「ニートンってそんなに役立たずかしら?」
「う?うーん。まず戦闘力は皆無じゃろ?」
「そうね。じゃあ、知能はどうかしら?ギタリストとしては神技級でしょ?」
「ほじゃあなあ」
しかし、ギタリストに知能が必要かと言うとですよ?知力代表みたいな魔法使いにだって脳筋は居るようですし?私なんか、知識も筋肉もうっすい魔法幼女ですよ?
ニートンの知能というか、ギタリスト能力が如何ほどのものかと言えばー?
曲調でスケールを使い分けるんでしょ?
「マイナーペンタトニックスケールで万全」
複雑なコードとか沢山知ってるんだよね?
「パワーコードは勝利」
この曲、四分の七拍子だよね?
「世はなべて四分の四」
どうやって速弾きしてるの?
「タッピング不許可」
なんで真っ黒のメイド服しか着ないの?
「衣装の空白は敵だ!」
偏り過ぎのネタのはずが、むしろ王道のロックンロールだわー。しかも、最後のはギター関係ないわー。
まあ知能は未知数ですね?戦闘力だって皆無と断言出来るのかと言うと、質量のある残像を最大で20体出せますからねー?
すっとんとんファミリーの中で、最も行動力があるのは間違い無いので、最初にやって来るのはアイツかな、と思います。ミーナちゃんは「手順書作ってリハやるまで行動しない」とか言ってますけど、あれも猪突猛進のツッコミ星から来たイノシシですからね。どっちが先に乗り込んで来るかな?結界が一方通行で侵入は可能だとして、ですけど。
「なあ、小咄はもういいから、オレの相談にのってくれない?」
おっと。うっかりと5話くらい小咄しかしてませんよ。ハルヒ女の事もすっかり忘れてました。
「あ、その前にオレもつぶあんのおはぎ食べたい。無いの?」
「じゃあ出前頼むわね」
お腹を空かせた幼女には逆らえません。タオルくんも中身は、おばあちゃんですからね。内線でカフェに出前を頼んでいます。カフェに出前メニューは無いし、デリバリー代行サービスも学内には無いんですけどね。不可能を可能する女なので。
「おはぎどぞー」
「おい!?お前ら、王女殿下に使いっ走りさせてんのか!?」
「は?土下座して配下にしてくれって頼むから、面倒見てやってんのよ?」
「ええー…。こんな大物に相談していいのかなー。さすがのオレもびびるわー」
「相談というのは、お名前の事ですかね?」
「そうそれ。オレの名前は、学校に入ったら、そこで一番上位の存在につけて貰えって、両親が決めてて」
「それも預言か何かなのかしら?」
「さあ?よく分かんないんだけど、ここの最上位の存在ってニャア様なんだろ?」
「それはー、どうじゃろうかー」
正直、めんどくさい。勝手に名前付けるのは私の習性だけども、名無しのモンスターをネームドにする儀式はなあ。責任とらんよ?モンスターじゃなくてモブだし。
「「じゃあ、こいつ消すか」」
タオルくんと剣聖がハモった。そんな簡単に人を殺めちゃダメでしょ?ダメかな?ダメでしょ!ダメだよね?
こいつも、6歳で死んじゃうよりは、ヘンテコな名前付いてもいいでしょ。
「いやー、オレ多分輪廻転生出来るし、ヘンテコな名前付くくらいなら、死んだほうがマシなんだけど」
「近衛騎士なら、この先何万年経っても、その名前ですからね」
責任重大過ぎでしょー!?
ハードル上げないで欲しい。私は、大喜利苦手なのだから。
「大喜利じゃないよ!?」
うーん、そろそろ話を進めないといけないしなあ。まーだ、入学式が終わっただけで、初日の授業すら受けていない。学園編がこんなに長引くとはー。これ新作でいけたんじゃないのー?
ハルヒ女ってわけにはいかないよ?さすがにそれはなあ。むー。こいつ特徴無さ過ぎじゃん!
「「やっぱ、こいつ消そう」」
あーあ。ホントに消しちゃった。びくんびくんした死体が転がっているのだけど。これ、どうすんの?まーた、剣聖が脳を一撃でクラッシュしちゃってるから、蘇生不可だし。
「あ、おかしいですね?近衛騎士の死体は光になって消えるはずなんですけど…」
「ええ!?」
「いや、巫女の血のせいだろう。巫女は死体を残して転生する」
「どっちに還ってますかね?神社と王宮。ちょっと確認してみますね」
どうやら巫女なら神社、騎士なら王宮に転生するみたいだね。神話と同じ。アンが何処かに電話かけてます。
「あ、はい。ああ、良かった。では、再入学は6年後ですかね?はい、ではではー」
「赤子になってたの?じゃあ王宮に?」
「いえ、それがですね。神社の境内に赤ちゃんが居たそうです」
「ほう。そうなるのか」
「なので、6歳に育つ期間も不明ですね」
ふーん。よく分からんけど、復活したんだね。そして貴重なクラスメイトがまたひとり減ったと。
「とりあえずー、これはー」
「どんぐりにしちゃえば?」
それしかないね?いいのかなー?この場の誰一人として動揺とかしてないのだけど。私も、「ああ部屋汚れちゃった」としか思ってない。私、ホントに女神になってしまった?
ちちんぷるんぷるんー。
ちんからほい、に飽きて雑呪文変えてみたら、下ネタをギリ掠めてる。いやん。
「有機物に限っては、お掃除魔法に匹敵するわね。血の一滴も残っていない」
「うん。無機物を代償にすると、周りのものを巻き込んじゃうけどね。ペガサスの羽根とか、それでロストしちゃったし」
「昨日は、血だけは桜に吸わせてたもんね。随分と違う」
そう言えば?村の東にある山脈を召喚した時に、有機物混ぜてんじゃないの?そのうち、巨大なカメとかになりそう。村には、ミーナちゃんが居るし、魔王じいちゃんも居るから、何とでもするでしょ。フェニックスもドラゴンも居るしね。
「ふむー?ドラゴンが鳳凰なら、山脈は玄武ね?後何だっけ?」
「蒼龍と白虎だね。んー、この世界の場合、ドラゴンも虎みたいなもんじゃろ?白じゃなくて黒じゃけども?」
「白虎は、春菊の大群じゃないの?黒い方が多かったけど?」
「蒼龍は、青いピクピク星人?ほいじゃあ、残るのは玄武だけかあ」
「いやあ?巨大観音とかも居たし、カメっぽい古代ロボも居たでしょ?」
「まあ、四神相応とは限らんけどね」
結局、今回も小咄で終わりです。次回こそ授業が始まりますよ。
んー、もっと頑張れば漫才ノベルってジャンルになりませんかね?呆れられる前に、お話を進めます。