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7-16. ねらわれた村

 女騎士達の中にヨコハマの工作員が紛れ込んでいる。


 はてー、どうやって炙り出すのかー?

 パンツの色を見る?純正なニャア教徒なら黄色のシマシマのはずです。黒か白はちょい怪しくて、それ以外は有罪です。しかし、パンツの色なんてどうとでもなります。人体に癒着しているワケでもないので。

 ほいではー?どうするかー?


「うええええ!ちょ、げろでーるー!」

「や、やめてよね!あんた私の真上に居るんだから!」

「今は真下ー」


 回転する的に何人かの女騎士を括り付けて、ポチがダーツを投げます。ぶっ刺さったヤツが居れば、そいつが犯人です。ポチの豪運なら外れる事はないでしょう。アレです、四輪駆動車が当たるゲームと同じです。


「あのー、おまえら、こんな扱いされてええの?」

「だ、大丈夫です。裏切り者を始末するためなのれ!」

「噛んでるやん」


 ポチは豪運ですが、剛力ではないので、ダーツくらい刺さっても死にません。

 ただまあ、これはコワイでしょうねえ。


 結果ー。

 なんと、ベーコン・レタス・トメィトゥの3人に、ダーツが刺さりました。念のため3回やりましたが、3回ともにコイツらの額や眼球をさくっと貫きました。ちゃんと治癒魔法で治したよ。拷問的にはまたやられんの?って方がコワイんだろうけど。見てるだけで痛いので。特に眼球は。


「えー、なんで最古参があ」

「もはや村を丸ごと浄化するしか無いナリ?」

「いやー、それはお姉様に禁じられたのでダメ」


 こいつらは最初期に入っていた移民です。なつかしのパンツとデートでは、かぐや姫ゲームのコーナーに参加してくれました。ずっとまじめに労働してたのになあ。なんで?


「女神様、私達、普通の女の子に戻りたいです!」

「は?キャンディーズみたいな事言い出したぞ」

「らん・すう・ひょう、やろ?全然ちゃうやん。こいつらハンバーガーやん」

「その度胸を評価して座布団あげるよ、ヤキイモちゃん」

「やった!それ10枚たまったら何かくれんの?」

「好きな座薬をあげる」

「いらんわ!」


 こややし製薬の魔法座薬に「自白するーよー」とか無かったっけ?無いですか。


「おやびん。こいつら精神汚染されてるでやんす」

「なんと?そんなん分かるなんて、さすがインチキ科学じゃ!浄化出来ないの?」

「んー、汚物はまとめて消毒する方法しか知らぬでやんす」


 さすがは世紀末アンドロイドだわ。デリケートな処理は無理かー。そうか?まあいいや。ほいじゃー?


「おーほっほっほ!人体の汚れなら、呪いでもなんでも落とせますのよ!」

「落とすだけじゃあなあ。背後関係や動機を洗いたいんじゃがー」

「まあいいじゃないの。背後に居るのはどうせヨコハマなんでしょ?それこそ丸ごと消毒すればいいじゃないの」

「ソレだ!」


 人道とか倫理はどうか知らんけど、私達も自衛のためです。やむを得ません。ヨコハマが元締めなのは確定にしてしまいましょう。証拠ならいくらでも捏造出来ますし。目の前の危機を回避する事を優先しましょう。

 女騎士の呪いをポチのニンゲン洗濯魔法で浄化してハンバーガートリオは普通の女の子に戻りました。普通が何かは気にしてはいけません。多様性デス。


「あ、ありがとうございますー!」

「もう、おかしな座薬で遊ぶなよー」


 本人達が自覚している範囲で話を聞くと「あなただけに特別チャンス!今ならサンプル無料!」とかいう荷物が届いて、中身が座薬だったそう。座薬は10個で、その内3個だけはちゃんと「工作員になーるー」が発動、残り7個は「ちんちんはえーる」でも入ってたのか?とゆーと単に消費期限切れだったらしい。そっちを入れた7人の女騎士には何も起きてませんでした。

 

「女騎士が殖えておる理由が分からんのう」

「あのー、私達単体生殖とか出来ませんよ?ニンゲンなのでー」

「そこのメイドさんに、この子達を育てろって託されたんですけど」

「あ?ミクルちゃん?」

「あー!あーあーあー。分かりました。どこかの王宮で大量のメイド幼女を保護したじゃないですかー?」

「忘れてたね?僕もニャアも」

「なんじゃー、それかー」


 なんだ、そういうことか。謎の増殖現象じゃなかった。しかし、あれだね?他にも似た境遇の子供がいれば、村の人口問題が解決するのではー?


「いや、若いオスの群れが居れば解決でしょ?」

「ほじゃねー」

「そんなカブトムシかコオロギ殖やすみたいな感覚で。狂ってるなーお姉ちゃん達」


 今回、もうひとつの謎も解決しました。


「お芋さんも盗んで、ヨコハマに横流しさせられてました」

「そーゆーことかー」


 あの凶悪なお芋さんを盗めるとはタダモノじゃないと思ったら、生産者自らやっとったんかー。


「さーて、問題はもういっこ残っておるなあ?ミクルちゃん」

「はい、僕も汚染されてると思うます」


 そうなのだ。ミクルちゃんは、マヌケ回路では説明つかない行動が目立った。キャンディーズを治せないと言ったり、幼女メイドの事忘れてたり。


「あ、忘れてたのはほんとでやんす」


 ミクルちゃんには、しばらく、グランドタンクであっはっはのゲーム世界で暮らして貰う事になった。これで浄化出来るはず。魔王も居ない旧バージョンだし。でも、どういう理屈で浄化されんの?


「ダメじゃないの?これ犯罪やり放題ゲームでしょ?逆効果に決まってるじゃない」

「確かに?これをアールくんの浄化に選んだ時点でもう汚染してたか、ただのマヌケなのか?」

「浄化させるなら、ブルブル・オブ・ザ・ワイルドだろぉ?よ。この世界で、延々とリンゴの収穫と焼きリンゴ作りをさせましょう」

「ソレでやってみるかー」


 ゲームの中にミクルちゃんを送り込んで、延々とリンゴ収穫、焼きリンゴにする、残った木は木材にする、のループを繰り返しすタオルくん。何がオモシロイのかは、分かるような分からんようなー。タオルくんはポチと一緒に、ずっーーっとソレをやってた。やらされてる方は、写経か坐禅でもしてる境地でしょうかねー?無の心がないと自我が崩壊するでしょ。んー、それが狙い?

 ほいでー、焼きリンゴと木材の売上だけで最強装備と各種効果の料理を用意すると、パワープレイでラスボスのガンモドキドロンジョーを倒しました。地味な作業を延々3ヶ月もやってからのカタルシス。見てる方も最後は爽快でした。


 ミクルちゃんは浄化されて、ただのマヌケなアンドロイドになりました。

 キャンディーズ達も、元気に農作業や焼酎造りをしています。しょうもない工作は、もうする気配もありません。

 めでたし、めでたし、おしまい。


 いや、違う。ヨコハマをどうにかしないと。

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