1話 かっとび少女の誕生
この物語は、かっとび少女の愛称で親しまれた主人公が、職人技と知識を極めて“カット美美容師”として活躍しながら、世界人類家畜化(奴隷化)を進めていく“闇の支配者たち(ディープステイト)”の存在と計画に氣づき、その陰謀を暴いていくストーリーである。
惑星ガイアでは世界共通の暦として、セイ歴(セイイエス歴の略)が用いられており、1年は360日(ひと月は30日で12カ月で1年)と定められていた。
このセイ歴といのは、惑星ガイアにセイイエス教を布教した教祖“イエスタカス”の生誕を元年とする世界共通の暦である。
そしてここ惑星ガイアには、この世界の所有権を主張し、世界を我が物にしようと企む“闇の支配者たち(ディープステイト)”が、地上からは見えない“空中庭園(イルミナ庭)”で優雅なお茶会を楽しみながら、世界人類家畜化計画と人工削減計画について活発な議論が日夜行われていた。
舞台は海に囲まれたジャポニカ国(首都はトモアレ)のナニワという街に移る。
ナニワは商業の街(天下の台所)とも呼ばれていて、首都トモアレとの交流も活発であり、街全体が活気にあふれていた。
このナニワで大衆向けに小料理屋を営む夫婦に、元氣で活発な娘が生まれようとしていた。
小料理屋の名前は、和来亭。
店主は和来真師太、その妻は和来珠恵。
和来亭は素材の味を生かした素朴ながら、栄養満点&元氣満タンが売りで、笑いが絶えないと大人氣の小料理店だった。
腕のいい料理人である真師太と、気さくで笑顔の絶えない珠恵の絶妙なコンビネーションも料理に華を添えていた。
その日、和来宅にはお産婆さんと近所から出産を手伝いに来ていた人達が忙しなく動き回っていた。
そして、セイ歴1965年3月23日、母となる珠恵から、元氣な産声を響かせる“お姫さま”が誕生した。
そのお姫さまは“和来喜代芽”と名付けられた。
この喜代芽の誕生が、“闇の支配者たち”にとって厄介な存在になろうとは、誰も想像できなかったことだろう。
この物語はフィクションであり、登場人物や団体名は実在のものとは一切関係ありません。