学園の秘密
王都魔法学園付近に指名手配犯確認!
新聞にはでかでかと書かれていた。
十中八九あいつらだろう。
「なぁ、どうする?」
「どうするもなにも、学園に行きましょうよ。」
「そうじゃなくて、もしこいつらに出会った時の対処だよ。」
「あー、確かに困りますね。」
同じ組織内の人間同士で争うのは下手したらここら一帯がどうなるか分からないし、かといって見逃せば仲間だと思われるし、難しい。
「いいんじゃないの、普通に交戦しちゃって。だって知ってるんじゃないのこのこと。」
「あいつらこないだ爆睡してただろ。聞いてると思うか?」
とりあえず一階に降りて、どうしようか悩んでいた。
「セナさん、学園からこちらが届いています。」
そういってマスターから渡されたのは水晶。
若干水色がかった水晶は、白く光っていた。
「転移晶ですか。なるほど、ありがとうございます。」
これで学園まで行けということか。
「ニェール、リナ行くぞ。」
「分かった。」
「行きますか。」
水晶に手を触れ魔力を通した。
白く光り、浮いた感覚がしたと思ったらもう学園内にいた。
「セナ君、それにそちらはリナさんとニェールさんですか。おはようございます。」
俺のクラスの先生がいた。
「おはようございます、先生。それで今日はどうするんですか?」
「新聞で見たようね。まぁ、一旦この教室に入ってね。みんなよ。」
指定された教室に入ると俺以外の全員がいた。
昨日腕を折られた男もいた。
「これで全員だな。よし三人とも座ってくれ。今朝、新聞で見たと思うが、さっそく最重要指名手配犯リストに掲載されているやつらが現れた。最初の授業だ。みんな己の実力を犯罪者にぶつけてこい。
死にそうになったら、緊急で転移するようその水晶に刻まれている。個人で挑むのもよし。グループを作り、共闘するのもよし。捕まえてきたら一発卒業だが、今回は初めてだろう。相手の戦力を削るか、相手の情報を盗んで来い。もちろん我々先生も行くぞ。競争だ。では、始め!」
とんでもないことを言いやがった。
なんて命知らずな課外授業だろう。
「一回作戦会議だなこれは。」
「あのぉ、私もご一緒してもいいですか?」
チェロンが来た。
「あぁ、別にいいぞ。」
「えぇ、いいですよ。」
「頑張ろうね。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、まず作戦会議を行うから教室出るぞ。」
開始の合図を聞いて、飛び出ていった奴らは多数だが、俺たちみたいに状況把握をしっかりしようとするやつもいるみたいだ。
もちろん先生たちは飛び出ていった。血気盛んすぎるな。仕事や研究のストレスがすごいのだろう。
そして、この作戦会議では気を付けないといけないことがある。
チェロンの存在もそうだが、あの二人に出会ってしまった時の対処が非常に難しい。
「それで、どうします?」
「そうだな、チェロン、あの二人についてしってることはないか?」
「そうですね、<アフレイド>という組織に属していて、大陸消滅の大罪があることぐらいですかね。」
「そうだな。そしてあの二人は通称、氷炎と言われているんだ。これは酒場の情報屋が言っていたんだが、どうやらこの王都にはとある目的を持ってきたみたいなんだ。」
「とある目的?」
ニェールとリナの目つきが鋭くなる。
それに気づかないほど話に夢中になっているチェロンは唾を飲み込んだ。
「ここ王都魔法学園に眠る秘宝を探しに来ているらしいんだ。だがそんな秘宝聞いたことがない。そうだろう?」
「そうですね。そもそもその上方は正しいのですか?」
「冒険者の間では間違ったことがないぐらい正確な情報として高値で取引されている有名な情報屋だ。信用してもいいだろう。」
「秘宝ですか。そういえば、この学園には地下があるそうですよ。」
「地下?」
「噂ですけど、知りませんか?」
俺たちは首を振る。
「えーっとですね、この学園が設立されたとき、魔王の侵略を防ぐためここが最終防衛ラインとして使われたらしく、その地下にはいたるところに危険な罠があるとかないとか。そういう噂です。」
「じゃあ氷炎はその地下にある何かを狙っているということか。」
「確証はないですけど、おそらくそうです。地下があればの話ですが。」
「地下は存在するぞ。」
後ろから、先生の声がした。
「おまえたち、よく調べているな。興味関心は良いことだ。だが、その地下に行くには学園長の鍵が必要だ。しかしあいにく、今学園長はこの学園にはいない。魔領に行っているので絶対無理だ。」
王都から魔領はとんでもなく遠く、真反対の場所に位置している。
情報が情報を呼ぶ。俺の狙いはこれだ。
「大方の先生たちは外へ行ってしまい、ここには二人の先生しかいないが協力しないかい?」
「生徒と先生が手を組んでも平気なのですか?」
「ダメとは言われてないからいいんじゃないかな。僕はBクラス担当の、リドウ。よろしくね。」
「私はDランク担当のエレザ。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
そうして強い駒を手に入れた俺たちはその地下の入口とやらに向かった。