学園受付
王都魔法学園は完璧実力主義の学園だ。
A~Eクラスまであり、Aクラスの者たちは、騎士団本部の上層部、つまりこの王都を守るトップと同等の力を保有しているらしい。Eと言っても、そこら辺の冒険者よりかは強く、一般人には負けることはないが、AとEの差はとんでもなく大きい。
願書を提出し、実技試験と筆記試験、魔法適正試験などいろんな試験を経て、合格した者だけがこの学園に入学できる。
しかも各クラス6人という少数精鋭の方針で人数を絞っているため、難易度が爆上がりしている。
そんな中に俺たち3人は入らないといけない。
まぁ俺たち、ひとりひとりの実力はとんでもないのでそこは良いのだが、問題は筆記試験と魔法適正試験だ。実技試験は力を制限すればいいだけなんだが、筆記はまずいな。
この王都含め、魔法や生活以外での知識はほぼ無いに等しいぐらいだから、どうしたもんか。
魔法適正試験も、どのくらいの魔法を発揮したらいいのかわからず、もしトップバッターになってしまったら、本気で困る。
まぁ、それもこの願書が出せなかったら意味がないんだがな。
「おい、ニェール。おまえいつの方式で願書書いてんだよ。本屋のおやじに本気で心配されたじゃねえか。」
「すみませんねぇ、まさか私の知らない方式だなんて、思いもしませんでした。あと一日で締め切りなのに大変ですねぇ。」
「おまえも入学するんだぞ。他人事みたいに言うなよ。もうリナは終わってるんだぞ。」
「早くしてね。ニェール、お兄。」
腰に手を当て、はぁ、とため息をついてる妹に言われながらめんどくさそうに願書を書いた。
この願書は学園に持っていかないといけないため、今から学園に向かう。
酒場を出て、まっすぐ歩き、途中のパン屋でパンを買い、食べ歩きをしてたら、学園についた。
「到着しましたね。」
ニェールがパンを口に突っ込みながら言う。
「お兄、早く食べて。」
「うぉう。」
買ったパンを急いで口に入れ噛んで飲み込んだ。
さて、願書受付口はこっちか。学園の門の右横にある入口に向かう。
「はぁー、間に合ったー。だから言ったでしょ!ここに来るのに時間かかるって!!」
「うるせー、はぁ。相変わらず体力だけはあるな。」
男女二人組が走ってやってきた。
「あ、あなたたちも明後日の入学試験に参加するの?」
長い茶色の髪が目に付く、女の子と短剣を携帯してる筋肉がそこそこついてる男の子が話しかけてきた。
「あぁ、そのつもりで今願書を出しに来た。そちらも?」
「そうよ。この学園に入学して私はエリート一本の道を歩むのよ!こいつと一緒にね!」
「こいつって言うなよメル。」
「あ、私メルっていうの。こっちはフィレン。三人ともよろしくね。」
「俺はセナ、んでこっちが妹の、」
「リナ。よろしくね。」
「私はニェール。よろしくお願いします。」
挨拶を済ませ、5人で受付に行った。
入口を抜けて、白い机が並べられた部屋についた。
「ようこそ、王都魔法学園へ。ここに願書の提出をお願いします。」
5人はそれぞれ願書を提出し、そのまま別れた。
「なぁ、ニェール、あいつらどう思う?」
「そうですね、おそらくあの若さであの強さは、騎士団長の下の下ぐらいの実力を保有しているかと。」
その二人、見た目はそこら辺にいる子供みたいなもんに見えたが、やはりそれ相応の実力者だった。
メルとかいう女の子は、ぱっと見武力派だ。フィレンとかいう男の子は、サポート系の人物に見えた。
さっきから女の子、男の子で分けているが同年だろうな。
冒険者とかやってそうな感じだったな。
「お兄、お腹空いた。」
「分かった。今日は俺が作ってやるよ。ニェールも食うか?」
「あら、いただこうかしら。」
そのまま酒場に帰り、ゆっくりと過ごし、暇つぶしをしていたらあっという間に試験日になった。
暇つぶしをしていたので、勿論勉強していない。
なんとかなるだろう。
俺はそう思い、人で溢れかえる道をかき分けながら学園に向かった。