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衝撃の事実

咲希が再びこちらを見つめ口を開く


「もう一つお聞きしていいですか?」


俺は咲希を見つめながら静かに頷く。今回の目的地であり当主の元に着くまでどのくらいかかるかわからないし、先程一瞬だったが高速道路に入るのが見えたのですぐに着くということはないだろう。


俺自身、混乱した頭も徐々にだが整理できてきたので今は当主の前に着くまでに知っておける情報は増やしておきたい。詳しくは当主に会った時に聞けるだろうしな。


「私がなぜ会った瞬間、御兄様と言ったのか疑問になりませんでしたか?」


そう言われ考えると、俺自身はあまり違和感なく御兄様呼びを受けいれていた節がある。

 まずどう考えても咲希は年下にしか見えないし、 それに、咲希が持っている空気感が、お嬢様という言葉に相応しい雰囲気をもっていたから、御兄様呼びも違和感なく受け入れられたのだろう。


「俺自身は咲希ちゃんがあまりにもお嬢様に見えたから御兄様呼びに違和感感じなかったよ。実際年上だからお兄さんだしね」


お嬢様に見えただなんて、御兄様はなんて優しいんでしょう。はじめて会った時は、つい興奮を抑えきれず飛び出してしまいぶつかってしまったのに本当に御兄様は、優しすぎます。きっと今までにも何人もの女の子が御兄様にぶつかってしまう度に優しくされたのでしょう



「なるほど、そうですか、まー違和感なく受け入れられたのなら、今後のことを考えると良かったと言えるかもしれません」


咲希ちゃん的には都合が良かったのか納得してくれたのは良かった。さっきから顔が色々変わって見飽きない。

 でもこんな話をするということはまた咲希ちゃんは俺を混乱させるびっくり情報を出してくるのだろうか?今後のことってなんだろう、まだまだこちらを驚かせるネタを持ってそうなんだよな〜


「では簡単に説明させていただきます。御兄様は有栖川財閥当主の息子だと判明いたしました。ですので血のつながりはないですが、私は御兄様の妹、義妹になります。御兄様」


なにを言ってるんだ?この幼女は、俺にはちゃんと両親がいてここまで立派に育ててもらったんだ。

 なのにいきなり両親は、偽物みたいなこと言いやがって。内心怒りが込み上げてきて顔にも出ていたのだろう。


「ここで一ついっておきますが御兄様を育ててくださった両親が偽物とかいうつもりはございません。 御兄様は顔にすぐ出ちゃうんですね、言わなくても感情がこちらに伝わってきました。顔は口ほどものを言うと聞きましたが納得ですね。さてまもなく目的地になります。

 詳しい話は当主様にお聞きください、御兄様」何事もなかったかのように涼しい顔でこちらを見る。 


どうしよう、どうしよう。御兄様を怒らせてしまいました。でも、これは言わないといけない大事なことだったんです。

 それに、私は御兄様をここまで育ててくれたご両親とお祖母様には、感謝しているんです。ご両親はもとよりつい先日なくなってしまったというお祖母様には、ぜひお会いしたかった。私の御兄様になる方をここまで大事に育ててくださってありがとうございますと感謝を伝えたかった。私の見た目とこの年では何を言ってるんだろうと不思議がられるだろうが、そんなものは関係ない。ご両親やお祖母様さまのおかげで私は、御兄様に救われたのだから、今度は、私が御兄様を救う番だ。今の私なら昔は出来なかったことも可能にできるんだから。


車の中は、目的地に着くまで無言だったが咲希だけは、やっと会えた御兄様とドライバーを除けば二人きりだったので満ち足りていた。

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