彼女はなに者?
いきなりの衝撃に、呆然と立ち尽くしてしまった。 そんなの当たり前だ、いきなり抱きつかれる衝撃に 目の前にいる幼女からの『見つけましたわ御兄様』発言。俺は混乱する頭で状況を整理するので一杯だった。
そんな立ち尽くしている俺に、幼女が身だしなみを整えて何もなかったかの二歩さがり、俺を見つめながら口を開いた。
「いきなりの訪問失礼しました。私の名前は、有栖川咲希 有栖川財閥の当主の娘です。今日、あなたに会いに来たのは当主様からの依頼です。私の方から簡単に説明してもよろしいのですが、間違いなく混乱する内容なので、ぜひ当主様からお話を聞いていただければと。」
この幼女は、また俺を混乱させにきた。有栖川財閥はいくら世間知らずの俺でも、分かる日本屈指の大企業の名前だ。仕事は多岐にわたり、名前を目にしないほうが珍しいからだ。日本だけにとどまらず海外にも進出しており最近では、宇宙事業にも手を出したと聞いた記憶がある。
「クスッ、御兄様混乱しているところ申し訳ありません。少しずつですが、こちらを見る人も増えてきていますので移動出来ないでしょうか? いきなりで不安もあるとおもいますが、有栖川財閥の名において御兄様の安全を保証いたしますのでぜひご同行ねがいます。」
俺は混乱する頭の中で、言われた通りだんだん人が増えている気配を感じ諦めることにした。このままでは一人になった瞬間知り合いなどに問い詰められる可能性もあると感じたからだ。幸い大企業の名前を出しているので下手なことはしないだろう。それならついていって、事情を聞いてからでも遅くないと考えた。
ドアを運転手が開き、まるでドラマや映画で見るような優雅な佇まいで車内に案内する。
車内に入りまず広さに驚き 座ると今まで経験したことのない座り心地の座席に緊張していると、幼女が、向かい側に座り、どこから出したのか分からないが、グラスに入った水を差し出された。 程よく冷えた水は火照った体を冷ましてくれて混乱していた頭も、ゆっくりだが落ち着いてきた。
お互い落ち着いたところで車が静かに動き出し、なんともいえない緊張が走る密室の空間が出来上がってしまった。俺は、なにするわけでもなく外を眺めていた。すると、幼女のほうから
「改めまして自己紹介といきましょう 私の名前は有栖川咲希 有栖川財閥の当主の娘です 血のつながりは、実際のところありませんが詳しくは後で」
血のつながりがないが、娘という言葉に思いついたのはまずは養女だ。
大企業の家柄だ、なにかの理由で跡継ぎが出来なければ優秀な子供を引き取り一から教育する。
もう一つは結婚するさいに奥さんにすでにいた娘 連れ子だ。多分だがこのどちらかだろう だがなぜこの説明をしてきたんだ?とりあえず、大人しく幼女の話を聞いてみよ
幼女が俺の瞳を見つめ一息つくと俺に問いかけてきた。
「なぜ私が血の繋がらない娘だと話した理由は分かりますか?」
俺は少し考えて何通りかの仮説は建てたがあまりにも馬鹿らしい答えになりそうなので正直に
「何通りか仮説は建てたが正直ありえなすぎて分からないんだ。良ければ教えてくれるかな?え~と、咲希ちゃんでいいのかな?呼び方は」
「仮説がたつだけでも今の時点なら良しとしましょう 呼び名は咲希ちゃんでも サッキーでも構いません これから長い付き合いになると思いますので好きな呼び方をしてください」
御兄様から咲希ちゃんと呼ばれてしまいました。何でしょうこの感覚は?もっと呼んでほしいです、咲希ちゃん以外なら御兄様はなんて呼んでくださるでしょうか?でもまた、咲希ちゃんとも呼ばれたいし、でもでも御兄様なら咲希と呼び捨てなんかも捨てがたいですね。サッキーなんかも気軽な友達みたいで悪くないかもです。
この幼女、いや、咲希は見た目どう見ても幼女だし小学三年くらいだろうか?なのに口調や考え方が大人びてるんだよな。最近の子はみんなこんなに大人っぽいんだろうか