彼女との出会い
ハァハァ心臓がいたい、今にも張り裂けそうだ。
これは走って息があがってるからなのだろうか、周りの景色がぼやけて周りの音が聞こえない。いま聞こえるのは、激しく鼓動する、心臓の音だけだ。
それとも今から見るであろう見たくない現実を感じているからだろうか。
汗をかきながら着いた先は救急病棟。学校で、授業中に祖母が街で倒れて、運ばれたと連絡がきたのだ。俺は、すぐさま学校を、飛び出し連絡のあった病院にむかった。
最近は気温も上がり熱中症には、気をつけるよう伝えてはいたんだが気持ちはまだまだ若いらしく、暑い中でも買い物にいく始末だ。
その行動力が、裏目に出たらしく、急にふらついて倒れたらしいのだが、倒れた先が運悪く階段の頂上付近で頭から落ち、全身を強打しながら階段下に転がり落ち、意識のがない状態で運ばれ、救急隊員や医者の努力も虚しくそのまま息を引き取ったと連絡がきたのだ。
救急病棟に入るやいなや近くにいた看護師に説明をして、祖母のいる、遺体安置所に案内してもらった。祖母の体は階段から落ちたと聞いたわりにきれいで安心したが、触れると冷たくなっており、祖母の死を実感するのに、時はあまりかからなかった。
俺は三年まえに、両親を事故で亡くしそれ以来、祖母の世話になっていたんだが、その祖母も亡くなってしまい、この瞬間天涯孤独の身になってしまったんだなと感じてしまった。
家に帰るときには、何も考えられずただ呆然と帰っていたら、ポツリ、ポツリと頬を濡らす水を感じて拭い雨が振り始めてきた。それが涙なのか雨なのかその時の自分にはわからなかった
祖母が亡くなり、遺品整理などをして落ち着いたのは亡くなってから二週間経ってからだった。
葬式などは、近所の祖母の世話などになった人達が手伝ってくれたおかげで無事済んだ。
俺にとって、身内といえる人が誰もいなくなりそんな俺に残ったのは、両親が事故で亡くなった時に入った残り僅かな保険金と祖母の保険金と祖母の家だった。
今後のことを考えると、不安しかなかった。一人暮らしは初体験だし、生活費などの支払いは祖母がしていたのでなにもわからないのだ。
幸い今は、夏休みの半ばで学校がないので、自力で調べて生活基盤を立て直していかないと夏休み明けの学校が始まるまでになんとかしなければ学生生活が、終わってしまうかもしれない。
まずは、最低限ご飯を作れるようになるところからかな?この2週間はコンビニや、スーパーの弁当や惣菜で過ごしていたが、残ったお金を考えると自炊して食費を抑えることを考えなければならないし、洗濯なども、やらなければ鳴らない。一人になった途端、今まで祖母に頼っていた自分が、情けなくなり、いない事を、悲しく感じてしまった。
駄目だ、こんなとこでクヨクヨしては、いられない。悲しんでも現実は変わらないし、生きるためには行動していくしかないんだから
さて、洗濯などはもともと出来たが、一人になったんだし、もう少しこまめにやったほうがいいかもしれない、一気にやって着る服が無いとかになったら大惨事だ。
料理だけは手をつけたことが、無かったのでまず俺は本屋に行き料理初心者でも出来そうなメニューが書いてありそうな本を数冊選び厳選していた。
最近は、時短料理など色々簡単に出来る男飯などが流行っているのか、買う本は厳選したが、すんなり決まった。本屋を出たがまだ昼前だし、一度帰宅し本を読んでから、今日の晩ごはんを決めスーパーに行き買い物しよう。昼はまだカップ麺が残ってるからいいだろう。
帰宅してみると、家の前に見たことない車が見えた。 黒塗りで、いかにも高級そうな車である。これからの人生悩んでる俺には、関係ないだろうなと考えながら横を通る。
ついに見つけることが出来ました。あの日から、私はもう一度あなたに会いたかった。お父様のおかげで今日またあなたにやっと会えます。まさか、こんな奇跡のような出来事が起きるなんて誰も予想なんて出来ないでしょうね。
あんなに辛そうな顔をして、私にはあんな顔をさせるのも、見るのも耐えられません。待っていてください、私が必ず幸せにしてみせますからね。
車の横を通り家に向かうと、先程の車の扉がバンと開くのに、反応し振り向くといきなりドンと衝撃が下半身に走る。俺は、いきなりの衝撃でびっくりし倒れそうになったがふらつく程度ですんだ。
何がぶつかってきたのかを、下を向いて確認すると、太ももにしがみつく120はないであろう幼くもきれいな顔をしていて、その髪は目にするものを一瞬で惹きつける金色の髪をした幼女がこちらを見上げていた。
この幼女太ももの絶妙なとこにとこにしがみついていて下手したら俺のあれに・・・・そんなふうに困惑していたら幼女からとんでも発言が飛び出してきた。
『見つけましたわ 御兄様』と意味の分からない言葉を発したのだ。




