ジュネの戦い
ジュネはエメスの国に連れて行かれた。
ジュネの能力を侮っていないエメスはジュネが絶対に逃げられないよう人質を連れていた。
それは修道院にいたはずのエデットと二人の元恋人たちだった。
ジュネは逃げる事を辞めた。
三人は死のうとしたらしく舌を噛み切らないように縛られていた。
「お前達すまない、今回は巻き込んでしまった」
ジュネは涙を流す三人を抱きしめた。
そしてこの三人に万が一危害を加えるなら死ぬと脅した。
ジュネは連れて行かれた。
エメスは大変喜んだ。
ジュネが大人しくエルメストに来たのだ。
エメスはジュネに言った、
「ジュネ様どうかこのエルメストにいて下さい。このエルメストをマリベルと共に世界で一番の国にして下さい。」
「エメス王、もし断れば?」
「残念だがこの三人は拷問の末死んで頂く」
「……わかった。ここにいよう」
ジュネはエルメストに滞在する事にした。
だけどジュネには考えがあった。
時間はかかるがこの国を内部から掌握してみせる。
ジュネはクロエの事を思った。
ジュネが帰らなかったらクロエはどうするだろう。
ジュネはクロエを信じることにした。
クロエならジュネがいないジェノヴァを守ってくれると。
辛くて孤独な戦いをクロエにやらせてしまうことを考えるとジュネも辛かった。
すぐにでも帰ってクロエを安心させてあげたかった。
でも今のジュネには不可能だった。
とにかくジュネはクロエの事を毎日神に祈っていた。
ジュネがエルメストに来て二週間後、
クロエがコンスタントを攻め落としたと知った。エメスが怒り狂っていた。
「何も出来なさそうな女王が!!ジュネ様クロエ女王は王の一族を問答無用で処刑したそうですが、そんな残酷な女王でしたか?」
エメスは聞いた。
「そうだな、クロエは皇帝の資質は持っている。なめていると怖いのかもしれないな」
ジュネはクロエを誉めてあげたかった。
よくやったと。
クロエは間髪入れず皇帝に即位した。
そして驚くほど変わった。
その姿は氷の皇帝と呼ばれていると聞いた。氷のように冷たいけれど美しく、誰も寄せ付けないほどの気迫があると。
あの可愛く儚かったクロエがそこまで徹底してジェノヴァを守ってくれるとは、、
ジュネはクロエに会って抱きしめてあげたかった。
クロエが抱える重圧を孤独を取り払ってあげたかった。
クロエすまない。
ジュネは耐えた。
すぐにクロエの所に行けない自分を許せなかった。
エメスがマリベルを連れてきた。
「ジュネ様、お久しぶりでございます。」
「ああ、マリベル姫か」
エメスが言った。「ジュネ様、このマリベルは美しく皇后になるために教育を受けて参りました。どうぞジュネ様のお側において頂きたい。」
「俺はクロエと血の誓いをしているが?」
「血の誓いをしていても側に居ないではありませんか」マリベルが言った。
「クロエ女王と誓いをしていても他で子供は作れます。」
「ハハハ、そう考えるのだな?」ジュネは言った。
「それに。。ここには陛下の元恋人達もおりますしな」エメスは脅しをかけてきた。
「ああ、そうだったな。わかった。」
「おお、マリベル陛下は受け入れてくれたぞ!!」
「ジュネ様、嬉しいですわ!精一杯お仕えいたします」
マリベルは憧れのジュネが手に入って喜んでいた。
「ではジュネ様とマリベルの結婚を発表しないといけませんな」エメスはジュネを見ながら言った。
「ところで、エルメストの軍は強いのか?」ジュネが聞いた。
「おお、ジュネ様早速領土を広げてくれるのですか?」
「いや、その前にどこまで使えるのか知りたい」
「おお、そうですかでは案内させますゆえお待ちください」エメスは執事に指示をした。
「ところでジュネ様、マリベルと結婚する身ですから本日から同じお部屋でお過ごし下さい。」
「……わかった」ジュネは覚悟を決めた。
そしてジュネはクロエの事を考えた。
クロエは氷の皇帝と呼ばれている。
初めて出会った頃クロエは自分を閉ざしていた。
あの頃のクロエは感情がなかった。
きっと今クロエは自分を閉ざし感情を封印したのだろう。
クロエ、俺も今から俺の感情を封印する。
一刻でも早く必ずお前の所に帰るからどうかそれまで壊れないでくれ。




