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好きを探す

週一回の練習が終わってまた日常がやってきた。



 クロエはジュネが言った「好き」を探してみようと思った。


 手取り早く食べ物から探そうと朝食のパンを食べた。


 すごく美味しいと思ったが、好きだとは思わなかった。


 でも嫌いでは決して無かった。


 クロエは考えた。このパンは誰が作っているのかと。


 朝のお仕えが終わり泊まっていた女性を見送った陛下に聞いてみた。


「陛下、この朝食のパンはどなたが作っているのでしょうか?」

 

 「ああ、これはコックのスミスだ」


「陛下、会って来てもよろしいでしょうか?」

 


 「クロエの好きにしたらいい。」



 ジュネはクロエが何かを考えたのだと思い好きにさせることにした。

 

 

 クロエは早速厨房に行きコックのスミス会った。


「スミスさん。このパンはスミスさんが作っているのですか?」

 

 「ああ、そうだが。お前はだれだ?」


「あ、失礼いたしました。陛下にお仕えしていますクロエと申します」自己紹介をした。


 

 「あのスミスさん、私もこのパンを作ってみたいのですが、お手伝いしてもよろしいでしょうか?」


「あー、ダメだ、このパンは俺が心を込めて作っているからな、素人には無理だよ」



 「では、作っているところを見てもよろしいでしょうか?」


「ああ、でも朝早いぞ三時からはじめるからな」

 

 「大丈夫です。明日朝参ります。よろしくお願いいたします」そう言ってクロエは翌朝の三時にまた厨房に行った。



 

 朝早くから一生懸命にパンを作るスミスを見ていた。


 沢山ある小麦粉から一つ小麦粉を選んで「今日はこれがいい昨日の夜の食事からすると軽めのパンに仕上げたいからな」と言っていた。


 そんな事を考えて作っていたのか。。。


 この考えは水分量、塩、バター、コネ具合、発酵やかたち、焼く温度に至るまで共通していた。


 焼き上がったばかりのパンをスミスはクロエにくれた。


 クロエはそのパンを尊いものに感じた。


 一口食べて感動をした。


 「すごく美味しいです」何も知らないで食べた時よりも、作る人の想いを知り、感謝を感じて食べたパンはクロエの心を動かした、


 

 スミスさんが作ったパンが好き。


 

 クロエは好きを発見した。


 そこでクロエは考えた、


 この小麦を作った人はどんな気持ちだったのか?それを知ったらこの好きがどんな好きに変わるのか。。。


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