襲われたクロエ
クロエは部屋を出た。
ブレーズ達が待機していた。
クロエが一人になる事を心配したジュネが彼らをつけてくれたのだ。
「陛下がお待ちですのでご案内いたします」そう言う使用人について歩き始めた。
なぜか会場とは違う方向だったので「陛下はどこにいるのですか?」と聞いた。
「大切なお話があるようですので会場では話せないと別室を用意してそちらでお待ちです。」クロエは立ち止まった。
なぜジュネはテラスに来ないの?おかしい。
「私は参りません。テラスで陛下をまちますのでそのようにお伝え下さい」そう言って立ち去ろうとした。
ブレーズも異変を感じクロエのそばに移動しようとした。
その使用人は「かしこまりました。お伝えします」と言って去って行った。
クロエはとりあえずテラスに戻る事にした。
ブレーズはまた部屋の外で待機した。
テラスに戻ってクロエはソファーに腰掛け何か嫌な予感がしていた。
「ガチャ」鍵が閉まる音がした。
鍵は中からしかかからない。
おかしいと思いすぐに立ってドアの方を見た。
見た事のない男が立っていた。
「どなた?」クロエは出来るだけ大きな声で言った。外にいるブレーズに聞こえるように。
「クロエ様?」ドアの向こうでブレーズが異変を察知しクロエの名前を呼んでドアを開けようとしている。
男はゆっくりクロエに近づいてくる。
「ブレーズ!!」クロエはブレーズを呼んだ。
「クロエ様!!」ブレーズはドアを蹴り壊そうとしている。
男はクロエの近付き、クロエは後退りをする。
クロエは中庭を見渡せる場所まで追い詰められた。
男はクロエの目の前に来た。
クロエは手すりに手をかける。
「クロエ様!!!」ドアが壊されブレーズが入ってきた。
「貴様!!」ブレーズは剣を抜き男に飛びかかろうとした瞬間、クロエはその男に捕まった。
その男はクロエの首にナイフを突きつけブレーズは動きを止めた。
「クロエ!」
ジュネが来た。
「ジュネ!」
クロエはジュネの名前を呼んだ。
男は微動だにしない。
ジュネはブレーズの所までゆっくり歩いてきた。
ジュネはその男をじっと見ている。男もジュネを見ている。
「お前か。」ジュネは言った。
「お前と言うな」男が喋った。
「お前、俺の警告を無視した挙句これか?」ジュネは言った。
「クロエは俺のものだった。お前が俺から奪ったのだ」
クロエは鳥肌が立った。
身に覚えのない事をあたかもあったように言える事が恐ろしさを倍増させる。
「気の毒にな、クロエは過去も今も未来も俺のものだ」ジュネは言った。
「愛しいクロエ、お前も否定するんだ」
男はクロエにナイフをむけてクロエに言った。
クロエはジュネを見た。
ジュネはクロエに微笑んだ。
「私は、過去も今も未来も愛するのはジュネだけであなたじゃないわ!」クロエは言った。
「嘘だ、皇帝の前だから言うのだろう?」
男はクロエの言葉に怒り始めた。
「なあクロエ、俺を愛してるはずじゃないか?」男は言った。
「おい、お前、クロエと呼んで良いのは皇帝の俺だけだ。」ジュネは男を睨んだ。
「自分の女を呼び捨てするのは普通だろ!」
男は興奮してクロエに向けられていたナイフが少しだけクロエの首から離れた。
「ところでお前、今日死にたいか?」ジュネが言った。
「はあ?死ぬのは貴様だ!」
男がそう言った瞬間ジュネは剣を抜き、クロエとクロエに向かられているナイフの空間に自分の剣を差し入れ男の剣を弾き飛ばしクロエを自分の方に引っ張った。
ブレーズはジュネが剣を差し入れた瞬間移動し、弾き飛ばされた男の首に剣を当てた。
ほんの一瞬の出来事だった。
クロエはジュネの腕に中にいた。
ジュネはクロエを抱き上げブレーズの剣を向けられている男の前に立った。
男は黙っている。
「言いたいことは沢山あるが,お前に構っている時間が惜しい。クロエに手を出した罪を許す気は無い。自分の国が終わる瞬間を見せてやる」




