理由をつけたくない気持ち
クロエはジュネに仕えて色々と勉強をした。
特に男女とはどんなものかクロエには全く分からずいつも不思議に思っていた。
クロエは政略結婚を一度していたがすぐに離婚された。オーロラ姫が良いといわれて。。
恋愛はしたことが無かった。
ジュネは女性が来るとすぐにドアまで迎えにゆき、「今日のお前は綺麗だ」とか、「その仕草ぐっとくるな」とか「あなただけだ」とかとにかく褒めていた。
時には強引に、時には優しく女性達を夢中にしていた。
クロエはそんな甘い男女の営みを邪魔しないように空気になっていた。
女王の時もある意味空気だったので得意ではあった。
でも外で待機していると「クロエ、部屋にいても大丈夫だ」とジュネに呼ばれることが多くなって来た。
その場合女性達は泊まらないで帰って行った。
どこかほっとする、、この気持ちにまだ理由をつけたくない。。
ある日ジュリアがジュネの部屋に来た。
たまたまジュリアの嫌いなジュネの恋人の一人が来ていて二人は口論になった。
口喧嘩の発端はジュネの恋人がジュリアの恋人に口説かれたと言ったことだ。
ジュリアは「彼はあんたみたいな尻軽好きじゃないわよ」と言った。
ジュネの恋人は「あら、ジュリアさま嫉妬ですの?」と馬鹿にした。
ジュリア「は?あんたなんて言ったの」とヒートアップして「ちょっとジュネ、あんたどうにかしなさいよ!!」と怒っている。
その恋人は「ジュリア様こわーいわ」といってジュネに抱きついている。
ジュネは笑って見ている。
クロエはそんな中黙々とお茶の準備をしていた。
「ちょっとあんた名前言いなさいよ!」とジュリアがジュネの恋人に言ったが恋人は「こわーいジュネさま守って」などと言っている。
ジュリアはジュネに「ちょっとあんたその女どうにかしなさいよ!」ともう一度言った。
ジュネはクロエに「クロエ、どう思う?」といきなり振ってきた。
クロエは少し考えて、「昔こんなことは沢山ございましたが、母は言っておりました。どっちが立場が上なのかと」
ジュリアがすかさず言った「私に決まってるじゃない」それはジュネの恋人もわかっているようだった。
クロエは「そうですか、では粛正されたらいかがですか?母はいつもそうしておりました」と言った。
ジュリアが「本当、、女王っていいわぁ」と大喜びだ。
ジュネは爆笑している。
「粛清って、、、」恋人は黙ってしまった。
クロエは淡々とお茶を入れ「ごゆっくり」と言って出ていった。
ジュリアはクロエに「最高!」と褒めてくれたが、どんなことも最終的にはこうなるので結論を言っただけだった。