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女王になったら会いに来い そう言った皇帝は私を忘れた  作者: ねここ


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髪を捧げます

ジェルベージュは城前の広場に集まっていた。


 カイルが現れジェルベージュが整列をした。


 ジュネとクロエ、エメジュリア、セリーヌが現れるとジェルベージュはかたひざをつき敬意を示した。


 カイルはジュネの方に振り向き一礼をした。ジュネは頷きジェルベージュに言った。


 

「俺は今日ロブランドを制圧する事を決めその一時間後には皆ここに集まってくれた。こんな我儘な皇帝を支えてくれてありがとう。一つの国を手に入れる度にお前達の思いやその重さに報いるため、その国の国民だった人達の為に俺が何ができるのか考える。だが毎回わからない。だけど言えることは前よりもマシにすると言うことだけだ。その為に俺は努力する。お前達の帰りを待っているぞ」

 


 ジュネはジュネらしい言葉で思いを伝えた。



 飾りっ気のない素直な言葉はジェルベージュの胸を打った。


 この皇帝だから俺らはついて行けるのだと。


 兵士は雄叫びを上げた。


 カイルはジュネに剣を捧げ、兵士達も剣を抜きジュネに捧げた。



 クロエはジュネとジェルベージュの強固な信頼関係に胸を打たれた。


 この皇帝を一時的であったとしても辞めさせてしまった事をクロエは本当に後悔をした。


 あの時間は何よりも幸せな時間だったがみんなにとって幸せな時間をではなかった事に改めて気がついた。


 クロエはこの国の人達を大切にしようと思った。


 みんなの唯一無二の皇帝を奪ってしまってごめんなさい。


 もう二度とそんな事をしない。


 ジュネと一緒にこの国の人達を守ります。


 

 エメが言った「今回はこの城を守る、お前らは最前線でこの国を守っている。場所は違っても同じ思いだ!一緒に戦おう!お前らの帰りを待っているぞ!」再び兵士達は雄叫びを上げた。

 

「さっさと終わらせて私と一緒に美味しいお酒飲もう!あんた達その夜は帰さないからね!!待ってるわ」ジュリアが言った。


 兵士達は口笛を吹いて答えた!

 

 「そうね、普段はそんなに飲まないけどその時は無礼講よ!私に美味しいお酒飲ませてね!無事に早く帰ってきて!!」セリーヌが言った!


「さっさと終わらせようぜ!!」「二人のために無事帰るぞ!!」兵士達が叫んでいる。

 

 カイルとジュネ、エメは笑っていた。


 そしてみんながクロエを見た。


「何か言った方が良いでしょうか?」

 

 クロエはジュネに聞いた。ジュネは頷いた。


 

 クロエはスッと目を閉じてゆっくり開き、兵士達がいる広場に降りて行った。


 何が起きるのか予想していなかった一同はクロエを見つめていた。

 

 静かに階段を降りるクロエの長い美しい髪が風にサラサラと揺れてその柔らかさを感じさせるように滑らかに輝いている。

 

 美しく強い瞳がまっすぐに兵士達を見つめている。


 その表情は柔らかい微笑みを浮かべていた。


 あまりに非現実的な光景に一同釘付けになった。


 クロエは階段を降りてカイルに会釈し、ジェルベージュの団長の前に行った。


 団長は慌てて片膝をつき下を向いた。


 クロエは「剣を貸していただけますか?」と団長に言った。


 団長は腰から剣を抜きクロエに渡した。

 


「私がいた国は女王であった私が国民の為にできることはあまりありませんでした。その中で唯一できたことは私の気持ちを、感謝の気持ちを伝えるために王家の証であるこの髪を捧げる事でした。本日この国の為に戦う皆さまに感謝と無事を祈りこの髪を捧げます」


 

 クロエは長くなった髪を握り剣でバッサリと切った。




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