女王クロエ
先ほどまで晴れていたのに曇り始めていた。
神の存在をクロエは感じた。
クロエは階段を駆け上がった。
国民はそれがクロエだとわかっていた。
固唾を飲んで見守っている。
オーロラは突然人の気配を感じ目を開けて驚いた!
追放したはずのクロエが目の前にいた!
「クロエ!!!」オーロラが叫んだ。
クロエは言った
「オーロラ、私たちの国を返してもらう」
クロエはオーロラの絹の布を剥ぎ取った。
すぐに水筒に手をかけた瞬間オーロラが反撃をしてきた。その水筒をクロエから奪い捨てたのだ。
オーギュストが叫んだ
「謀反だ!すぐに捕らえろ!」
クロエは空を見た。
雨が、雨が降ってきた!
すぐにクロエは壇上に上にあがり天幕に向けて短剣を差し天幕を破った!
壇上に上がったクロエを兵士が剣を出して取り囲んだ。
大粒の雨がオーロラの髪を濡らし黄金が剥げた。
茶色の髪が現れたのだ。
クロエは静かに言った。
「本物は私」
クロエはフードを脱ぎ捨てて金色に輝く髪を示した。
そして短剣を握り背中まで伸びた髪を一気に切り落とし麦と一緒に神に捧げた。。
その瞬間雨が止み光が溢れクロエは誰が見ても神に祝福された女王だと確信せざるえない状況になった。
国民は一斉に叫んだ!
「我らが女王が帰ってきた!」
クロエを取り囲んでいた兵士はあまりの出来事に剣を下ろして剣の持ち手を全員クロエに捧げ忠誠を誓った。
オーロラ、オーギュスト、オーロラの夫は立ち尽くしていた。
貴族は逃げ始めたが国民に囲まれ皆捕まった。
クロエはブレーズを呼んだ。
ブレーズはクロエに片膝をつき女王となったクロエを見た。
クロエはブレーズに
「あなたの剣を貸してください」と言い、ブレーズは腰の剣を取りクロエに両手で渡した。
クロエはその剣を鞘から抜きオーロラ、オーギュスト、元夫に向けた。三人は震えていた。
「クロエ!お前が罪を犯した時殺さないでいたじゃないか」
「そうよあんたにはそんな慈悲もないわけ?」
クロエは黙って聞いていた。そして
「言いたいことはそれだけですか?よく聞きなさい、だからあなたは王にはなれないにです。王とは慈悲深くもあり、悪を働いた人間には悪魔に魂を売ってでも自分が地獄に堕ちようとも悪を滅ぼす覚悟がいるのです。」
「全ては国民のために」
そう言ってクロエはオーロラを切った。そしてオーギュストを切り、最後に元夫を切った。
クロエはその剣の血を綺麗に拭き取りブレーズに返した。
「あなたは私の心の騎士様です。ありがとう」
国民はこの一部始終を目撃して熱狂した。
クロエが女王が帰ってきたのだ。
国が変わると確信できた。
クロエは女王は約束を果たしてくれた!!
オーエンがクロエの所に駆けつけてすぐに忠誠を誓った。
国民の思いが形になった瞬間だった。この
奇跡のような出来事は一瞬にして各国全土に伝わった。
そしてジュネにも伝わった。クロエがオーロラを倒し女王になったと。