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窮屈で素敵な靴を履いて、私は新しい靴を探しに行く

作者: 佐藤

 私の窮屈で素敵な靴は、数年経った今もとても素敵で、キラキラ光って眩しい。

でも私はもう、そのキラキラだけでは歩き続けられないと分かったから、

新しい靴を探している。「もったいない」とか「靴に相応しくなかった」とか、

そんな周りの評価には軽い口笛を吹いて、私がもっと遠くに行ける、自分が

履きたいと願う靴を探しに行くと決めたんだ。


 そして、新しい靴を探している途中、私は新ためてこの靴の偉大さに気づく。

振り返ればこの素敵な靴は、私を素敵な出会いへと導いてくれていた。

私はこの靴のお陰で、学生時代よりもずっと豊かな大人になり、今こうして、

新しい靴を探す決意を共にすることができる。この靴の歩幅に合わせて、

泣きながら必死に歩き続けてきたから、今の私には靴を探しに行く自由がある。


 きっと真っ黒に汚れた靴だったら、そのキラキラで私の目をくらませて、

倒れるまで歩かせて、新しい道には導いてくれなかっただろう。

でも、私の窮屈で素敵な靴は、そんな呪われた装備じゃなくて、

迷ってばかりの私をきちんと導いてくれていた。


 この靴は私には窮屈だったけれど、神様がくれた、本当に素敵な靴だったと

分かったから、初めて靴を履いたあの時の私だけじゃなくて、靴とさよなら

する今の私も、感謝してますって伝えたかったんだ。


 いつか私は自分にぴったりの靴を履いて、その靴と色々な道を歩いて、

かつての私を導いてくれた素敵な靴に、恩返しができたらいいなと思っている。

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