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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
地下遺跡編
65/66

65話 宝の守護者


 古代文献の中に、"奴隷紋"と"魔獣紋"の記述があるかの選別を終えた風音達が戻ってきた。俺達は階段下のテントの脇で食事の準備をしていた。


 「今 戻ったぞ」


 先に、階段を下りてきた風音が戻った知らせをする。


 「「「風音様 おかえりなさい」」」

 「風音 おかえり どうだった? 」

 「うむ 最初の1冊の他に、2冊追加じゃった まあ 後は、なるようにしかなるまい」


 風音達は、戻るとテントの中に入っていった。

 トーマスが古代文献を発見した事を早急に本部へ知らせたいのだという。

 文献を運び出す人員の確保と査定をしてもらうためだと言った。


 「かざねくん 誰か、わたしに付けてくれないか? 」

 「別行動で戻るという事じゃな? 」

 「うむ 人員を確保出来れば、本の運び出しと食料や水の補給もさせたいんだが… どうだろう? 」


 風音がカリナを呼び出し説明をした。カリナは快く了承する。


 「解りました 私がトーマス部長の共をします。よろしくお願いします」

 「ありがとう! カリナくん」

 「後1人… アルマはどうじゃ? ライジュウを出してもらえば足元も明るいであろう」

 「はい 助かります」


 こうして、カリナとアルマはトーマスの護衛に付く事になった。

 

 食事が終わると、トーマス達は連絡キャンプへ向かいテントを後にした。


 「さて、わしらは先に進むとするか」


 俺達は、テントを回収すると荷物を背負って再び階段を昇る。フロアーの左右通路の調査は終わっているので、突き当たりの通路の先を調査する。

 遺跡から抜けて、石畳の通路になっているので先に何かがあるのは予想が出来ていた。歩き初めて30分、急に道が途絶えてしまう。

 俺達は、崖の上に辿り着いたようだ。

 崖下を覗きこむように確認すると再び遺跡が現れた。


 手前に、大き目の遺跡が確認できた。その背後にも、手前の遺跡の半分くらいの大きさになるが遺跡が目視出来る。

 風音とゼスは、同時に何かを感知した様子だ。


 「何か居る… 」

 「うむ 居るのう とりあえず、崖下に下りてみるぞ」


 崖下に降りた俺達は、手前に見える大き目の遺跡の前まで辿り着くと荷物を1ヵ所に纏めて戦闘準備に入った。


 俺達が戦闘準備をしていると、ゼスと風音が遺跡の周りを一周してきて魔法の有無を確認して来たようだ。


 「何もないな かざねさん」

 「うむ こちらも確認できん 扉を開けて討伐しかなかろう」


 正面の扉には、封印魔法が1ヵ所。

 ヴェロニカが皆に、バフをかけはじめた。


 「扉が開いたら突入じゃ 決して、わしより前に行くな 良いな? 」

 「おっけー」

 「「「了解! 」」」


 「バフ かけ終わりました」

 「うむ ゼス頼んだぞ」

 「了解 解除するぞ! 」


 マジックアイテムが、黄色い光を放ち扉に刻まれている封印魔法陣から白い光が漏れ出した。

 封印解除は成功のようだ。

 皆で、扉の取っ手を引きドアを開けた。

 風音を先頭に、俺達も遺跡内部へ侵入する。


 フロアー中央まで行くと異変に気付いた。

 突き当たりにフロアーから5段ほどの階段にステージが作られてある。そのステージの上には巨大な石棺らしき物が横たわっているように置かれていた。


 風音がジワジワと近づく。

 すると、横たわっている物の中からゴツゴツと音が聞えたはじめた。

 次の瞬間、石棺らしき物の蓋がずれると金色の光が石棺の中から放たれた。

 同時に、巨大な鳥の頭が飛び出してきた。


 クワァァァ!!


 巨大な鳥は、頭だけ出して俺達を威嚇する。


 「なんじゃこの鳥は!? 出てこれぬのか? 」

 「皆で蓋をずらしてみたら? 」


 俺達は、蓋が開いてないほうに回ると石棺の蓋に手をかけてずらし始めた。


 ズッズズッズッ


 徐々にずれ始める、石棺の蓋。中が露になるにつれ強い光が放たれる。

 ヴェロニカのライトボールが石棺の中を捕らえた。


 眩い光を放つ黄金の山。


 「「「「「うおおおっっ!! 」」」」」


 「出た… 宝だよ かざねさん! 」

 「うむ! やはりあったのう クックク しかし… 参ったのう こやつ棺から出ようとしないではないか 一応、宝を守っているのかのう」


 巨大な鳥は石棺の中をグルグルと回り俺達に威嚇を続けていた。


 「ゼス イノシシの干し肉があったじゃろ? こやつに与えてみよ」

 「えっ!? 」

 「いいから食わせてやれ… 」


 ゼスは、食料が詰まった袋から干し肉を鷲掴みにして鳥の前に差し出した。

 巨大な鳥は、棺の中から威嚇を続けていたがゼスが差し出す干し肉に気が付くと威嚇する泣き声のトーンが変わっていくのが解った。


 クウゥ… クウゥ…


 「ほら 食っていいんだぞ」


 ゼスは、嘴の辺りまで干し肉を突き出した。

 一瞬、ビクッとする巨大な鳥は動きを止めて干し肉を嘴で摘み口の中に流し込む。すると今度はカツカツと嘴を開閉して味を確かめるように流し込んだ。


 クゥクゥクゥゥ!!


 どうやら、気に入ったようだ。

 貪る様に、ゼスが鷲掴みにしている干し肉に喰らいついた。

 ゼスは食べさせながら頭を撫で上げる。


 グルグルと喉から声を出して干し肉を食べていく巨大な鳥。

 あっという間に、ゼスの手にあった干し肉を平らげた。


 クゥクゥクゥゥ!! クゥクゥクゥゥ!!


 もっと欲しいのか、ゼスに鳴きながら迫る巨大な鳥。

 ゼスは、袋から全ての干し肉を取り出して食べさせる。

 

 必死に食べている鳥を見て思わず笑みが毀れてしまう。


 「ゼス そろそろ使え」


 風音が依代をゼスに渡す。


 「どうしたらいいんだ? たくや どうしたらいい? 」

  

 ゼスが、俺の場合はどうやって契約したかを聞いてきた。俺は、バジリスクに手を添えて困った時は少しだけ力を貸して欲しい、悪いようにはしないからと伝えた事を教えた。


 「わかった やってみるよ」


 ゼスは、干し肉を食べる鳥の背中と首の間に手を添えて唱えた。

 内容は俺の時と同じだったらしい。

 すると、巨大な鳥は白い光を放ち依代に吸い込まれるように消えた。


 「うむ やったのう ゼス」

 「兄貴 おめでとう! 」

 「「「おめでとう! 兄貴」」」

 「ありがとう! 」


 俺達は、鳥がいなくなった棺の回りにランタンを設置して中を覗き込む。

 ヴェロニカが棺の中に入って行き硬貨を手にして確認する。


 「ゼスー!! これは古代金貨よ! 後期の物ね」


 目を爛々と輝かせたヴェロニカがゼスに訴える。

 しかし、今のゼスにヴェロニカの声は届いていなかった。

 手に乗る、依代を見つめて高揚していたのだ。


 「命を感じるか? ゼス」


 風音がゼスの横で呟く。


 「ああ… 不思議だよ かざねさん あいつがここに居るのが解るんだ」

 「そうじゃ ゼス こやつらは裏切りさえしなければ尽くしてくれる 大事な仲間じゃ 新しい縁を大切にするのじゃ 良いな」

 「ありがとう かざねさん」

 「よし! 遺跡の表にテントを張るのじゃ 今日は、ここまで」

 「「「了解!」」」


 第2の遺跡 鵺討伐、第3の遺跡 古代文献発見、第4の遺跡で宝物発見とゼスの依代が誕生した。地下遺跡調査は、2日目の夜を迎えようとしている。

 第4の遺跡前でテントを張り食事と寝床の準備をする俺達。

 トーマス達が戻れば、宝物発見のご褒美である1品ゲットの時間を全員で味わえるのだ。


 トーマス達の合流が待ち遠しい…

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