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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
地下遺跡編
62/66

62話 階段


 第2の遺跡で、鵺の討伐に成功した俺達は先を目指す事にした。

 荷物を担いで、目印であろう石畳の上を歩いて進む。

 天井から水滴が落ちてくるのが解る。 

 空気が冷たい。


 第2の遺跡から、歩くこと約1時間、景色が一変とする。


 鍾乳石や、濡れた地層の壁面から乾いた地層に変化した。

 石畳の通路と、壁との幅が急激に狭まる。

 地形の変化に気付いて10分くらい歩いただろうか。

 屈まないと通れない通路が現れ皆は、身を低くして先に進む。

 

 先頭を進む風音が立ち上がった。

 どうやら、低い通路を抜けたようだ。

 風音は、片手にランタンを持ち目を凝らして辺りを伺う。

 

 「ヴェロニカ ライトボールじゃ」


 風音の指示で、スキルを発動したヴェロニカ。

 辺りが光に照らされ景色がハッキリと確認できる。


 「階段じゃ… 」


 俺達の目の前に、突如現れた階段。

 その階段は、急勾配で100段はあるだろう。


 「よし 階段の下にキャンプを張る 今日は、ここまでじゃ」


 俺達は、風音の指示で階段の下にある地面を利用しキャンプを張る事にした。大形テントを張っている間に、風音が1人で上まで確認に行く事になった。

 アルマのライジュウを両脇に付けて風音がトントンと軽い身のこなしで階段を駆け上がっていく。


 最上段に到着した風音。

 広いフロアーが現れた。風音が、床や壁面を確認するが北ダンジョンのようなトラップ魔法の確認をするが見当たらない。


 突き当たりに1ヵ所、両サイドに1ヵ所ずつ通路があるのを確認する。

 魔獣などの様子もなく風音の感知には何も引っかからなかった。

 

 風音はキャンプに戻ってきた。

 上の様子をトーマスや俺達に説明を始めた。


 「とりあえず、魔獣の気配は感じない 今のところは安全じゃ フロアーにもトラップ魔法などは無かったのう 突き当たりに1ヵ所、左右1ヵ所ずつに通路があるのを確認した 上に昇ったら二手に分かれるぞ わしの班とゼスの班に分かれて両脇の通路を調べる 良いか? 」


 トーマスとゼスは頷く。風音とゼスが分かれるのは、感知系スキルを保有する者が同じで班では意味がない事だと風音は説明した。


 ▽▽▽


 テントが張り終わりると、ダムが担いできた幅40cmに細長くカットされたベニヤ板をテント内に敷き詰めていく。その上に、数枚の毛布を敷いて寝床の完成だ。寝袋や荷物をテントの中に運び込みランタンをテントの中に吊るす。


 「準備完了 テントの中は、おっけーだよ」


 俺達は、湯を沸かしお茶の準備を始めた。


 「このテントは昨日買ったのか? 良いではないか 広くて」

 「うん 俺達、無かったでしょ テント ついでに買っといたんだよ」

 「お茶できました どうぞ」


 カリナが、お茶を入れてくれた。端からお茶の入ったコップを回していく。

 トーマスとゼスは、今まで来た、道程の距離や高低差を話し合い紙に書き込んでいた。ゼスの横にはヴェロニカが座り、話に耳を傾けていた。


 「ヴェロニカ どうじゃ? 遺跡探索は」


 風音がヴェロニカに質問した。


 「はい! 感動です!! 敵も簡単に倒しちゃうし みなさん強いんですね」

 「ヴェロニカくん… ここにいる人達は、言っては悪いが普通の冒険者ではないよ この国トップクラスの実力者達だからね ハッハハ」


 トーマスが、横から口を挟む。


 「えっ!?… トップクラスって? 」

 「そのまんまの意味だよ かざねくんに勝てる者は国中探してもいないよ」

 「止さぬか トーマス ヴェロニカが怖がるではないか」


 煙草を吹かしながら言う風音。


 「トップクラス… そうですよね 北ダンジョンを攻略したパーティーなんですよね あたし凄いパーティーに着ちゃったような… 」

 「何も案ずるな 冒険を楽しめば良い… 」

 「はい! 帰りは遺跡を堪能します」


 「ゼス兄さん 私、晩ご飯の支度をしますね」

 「ああ 俺もすぐ手伝うよ 少し待っててくれ」

 「はい」


 カリナが食事の用意をはじめた。


 「薪どうしよ 地下じゃ手に入らないよ」

 「そうだよな… 」

 「大丈夫 炭と木材の切れ端は買っといたよ」


 ダムが言うには、馬車工房に行ったついでにゼスが予想していたという。

 行きは、荷物になってしまうが木の切れ端を買って持って行くのが良いだろうと購入していたのだった。さすが、俺等の兄貴ゼス。


 「カリナ 何か手伝う? 」


 俺は、テントから出てカリナの手伝いをする。それなら、皮を剥いて欲しいと芋を渡された。


 施設に居た時は、ピーラー、皮むき器を使って皮を剥いていたのでナイフでは上手くできなかった。身の部分を多く削ってしまう。俺の不器用に剥く様をカリナがクスクスと笑った。


 「たくやは、何でも上手にこなせると思っていたけど 不器用な部分もあるんだな」

 「そりゃあるよ ナイフで皮剥きなんてしたことないし… 」

 「えっ? 一体、何で皮を剥くの? 」

 「専用の器具があるんだよ こうやって下に すっと降ろすだけで皮がむけるんだ そうだ! 今度、鍛冶屋に頼んで作ってもらおう」

 「そんな器具もあるんだ… 便利だったんだな 風音様がいた世界は」


 カリナは、そう言って少しだけ暗い顔をした。


 「すまん 遅れたな お たくやも皮剥き手伝っているのか」


 遅れてきたゼスが俺に言う。


 「んー よし! シチューにするか 昨日、買っておいたんだ 羊の乳」

 「羊の乳? 」

 「ああ 紅茶に入れて飲むと美味いんだよ」

 「ミルクティーね」

 「ああ 多く買ったからシチューにしよう」

 「シチューもいいよね」 

 「託也 飯を炊いてくれ」

 「おっけー」


 こうして、地下遺跡進入調査の1日目が終わろうとしていた。 

 

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