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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
都市税争奪対抗戦編
59/66

59話 ヴェロニカ

いつも見に来ていただきありがとうございます。

次60話から地下遺跡編となります。

とりあえず、2つほどイベントは考えています。

よかったら読みにきて下さい。


 本日はオフ。

 

 明日から、地下遺跡の調査に入る俺達は都市税争奪対抗戦の疲れを取るため、今日1日休みとなった。古代指輪の装着と、単独行動の禁止といった指示はあるが買い物くらいで王都をのんびり散策していた。

 俺達は、カーベル、アルマ、カリナ、マリーの5人で買い物をする。


 風音とゼス、そしてダムの3名はギルド本部の馬繋場から一旦、馬車を出して馬車工房に行き点検と5頭引きが出来るようにするよう注文した。


 「ゼスよ… どうでもいいが あやつはなんとかならんのか」

 「俺だって困っているんだよ… かざねさん」

 「な… なんか、ずっと見てますよ… 」


 風音が、ほとほと迷惑そうな顔をしてゼスに何とかしろと言う。だが、俺に言わないでくれとゼスが答える。

ダムは、こちらを見つめる人物に少し怯えていた。


 「く… くらぁー!! いい加減にしろ! ヴェロニカ!! お前は、何か恨みでもあるのか!? 」


 そう! ゼスに裏切られたと床を叩きつけ泣きじゃくった、ビショップのヴェロニカが、ゼス達を宿屋から尾行してきていたのだ。すでに、隠れる事もせず少しだけ距離を取ってゼス達の様子を見ているだけであった。


 「今度は何時、ダンジョンに行くの?… 」


 ゼスの脅しには、微動だにせず質問をするヴェロニカ。


 「ん… まだまだ先だよ その時は、必ず呼ぶから それまでトロレスにでも居ろよ そういえば、ヴェロニカは『税杯』出なかったのか? 」

 

 ゼスが言った『その時は、必ず呼ぶから』の言葉には冷ややかな反応を示すも都市税争奪対抗戦の質問には答える。


 「出ないよ… 興味無いし」


 そっぽを向きながらヴェロニカは答えた。


 「… 」


 ゼスは、帽子を深く被り心の中で呟いた。

 

 遺跡馬鹿なところは… 似てるんだよなあ俺と。


 ▽▽▽


 同じ頃、俺達は武具屋にいた。

 ゼスに頼まれ、携帯寝袋を買いに来ていた。武具屋とは、何も武具しか置いてない訳ではなく冒険に必要な小物からキャンプを張る大形テントまで置いているのだ。


 今回は、入り口が崖の中腹と聞いていたのでロープで降りていく事が想定される。みんなのグローブと、湖の脇に地下遺跡がある事から下は寒いと考えられるので毛布だけじゃ心許ないと購入に来た次第だ。俺は、みんなの体型に合った寝袋を見繕っていく。


 「よし だいたい、みんなの身長を考えて選んだから問題無いと思う」

 「頼まれた買い物ってこれだけ? 」

 「うん 他に持って行くものあるかな? 」

 「テントは? 」

 「そういえば、俺達ってテント持っていなかったよね 買おうか」


 こうして携帯寝袋とグローブ、大型テントを購入し宿屋へ戻った。俺は、宿屋の受け付けで買ってきた荷物を預かって貰う事にした。


 そろそろ昼になる。


 「そろそろ昼だね どうする? 」

 「臨時屋台でいいんじゃない? 」


 俺達は、臨時屋台で昼飯を済ませる事にした。


 ▽▽▽


 風音達も、昼は臨時屋台に向かうようだ。古代指輪で確認できる。


 「のう… ゼス どうするんじゃ? 」

 「かざねさん… 今回の依頼に連れて行っちゃ駄目かな? 」

 「なっ 何!? 」

 「一度、連れて行けば約束を果たした事にもなるし離れて貰う口実が出来る」

 「まあ… 確かにそうじゃのう むっ!? 託也達も近くにおるな」


 俺達は、風音達と合流した。

 

 「頼まれたもの買ってきたよ ついでに、大型テントも」

 「ふむ… 」

 

 何やら、浮かない顔をしている風音とゼス。ダムに至っては時折、後ろを振り返り落ち着かない様子だった。


 「何かあったの? 」

 「あれじゃ あれ… 朝、宿を出た時から尾行されておる 尾行といっても丸見えなんじゃがな」


 風音がヴェロニカの方を指差す。


 「ん!? あれって兄貴の知り合いの子じゃない? 何でまた… 」


 ヴェロニカは、距離を取った位置で串を食べながらこちらの様子を伺っている。

 風音の、言う通り尾行は丸見えだった。


 「ゼスに引っ付いて『何時ダンジョンに行くの』って聞いてくるんじゃ… 」

 「連れて行ってあげたら? 」

 「かまわんのか? 」

 「俺は別にかまわないけど」


 「私達も、かまわないですよ」

 「ふむ… ゼスが言うには一度、ダンジョンに連れて行けば約束を果たした事になるし、それで諦めてもらえるだろうとは言ってはいるが… 」


 「ゼス 連れて行ってやれ 依頼中の面倒は、ちゃんと見てやるんじゃぞ」

 「ええっ!? 」

 「当たり前じゃ お前の知り合いなんじゃからな」


 「託也 トーマスを呼んで来てくれ 宿屋で待っているとな」

 「おっけー ギルド本部に行ってくるよ」

 「あ… あたしも一緒に」


 俺と、アルマはギルド本部に向かった。


 「ねえ あの子 ゼス兄さんのこと好きなのかな? 」


 アルマは、ギルド本部に向かう途中、目を爛々と輝かせて聞いてきた。


 「どうなんだろう 少なくとも嫌いではないのは解るんだけど」

 「素敵… 健気よね 尾行までして」


 尾行までして素敵って… どうなんだろう。ちょっと、共感できなかった。


 ギルド本部に着くと、受付カウンターでトーマスを呼んでもらう。

 どうやら、居たみたいだ。


 「たくやくん どうしたんだい? 」

 

 2階から降りてきたトーマス。俺は、風音の伝言を伝えた。


 「わかった」


 トーマスと一緒に宿屋へ戻ると、部屋にはヴェロニカも座っていた。


 「かざねくん どうした? 」

 「すまんのう 忙しいのに 1人追加じゃ」

 「ん!? 」

 「例の調査じゃ ヴェロニカ 自己紹介しろ」


 「は… はじめまして ヴェロニカです ビショップ23歳です… 」

 「あ… ああ トーマスだ ギルド本部ダンジョン・遺跡部門責任者トーマスだ よろしく どういうことだい? かざねくん」

 

 「ヴェロニカは、ゼスの知り合いじゃ どうしても一緒にダンジョンに行きたいらしい… で、今回の調査に連れていく事にした」

 「大丈夫なのかい? 」

 「まあ 一通り話はしたがのう」


 風音の態度と、ヴェロニカの様子から察すると他言無用とか言われて散々脅されたのだろう… 


 「ま… まあ かざねくんが言うなら 依頼書には追加にしておこう」

 「すまん トーマスさん」


 ゼスが、トーマスに頭を下げる。


 「いや、ゼスくん 気にしないでいいから それじゃ、私はヴェロニカくんの追加を報告しに本部へ戻るよ 時間の変更は無かったよね? かざねくん」

 「うむ 変更無しじゃ 明日、迎えに来てくれ」

 「わかった それじゃ」


 トーマスは、ギルド本部へと戻る。


 明日の朝から、地下遺跡に向かいギルド本部で数名が入り口付近に連絡用キャンプを張る段取りとなっている。連絡用キャンプを起点に、崖を下り地下遺跡の入り口を目指す。調査期間は、3日間の予定だ。食料や寝袋も必要となる。各自が荷物を持っての移動となるだろう。


 ヴェロニカが、どこまで出来るのか心配はあるが今回限りという話だ。

 出来るだけのサポートはしてあげようと思う。


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