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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
都市税争奪対抗戦編
56/66

56話 作戦


 風音が、明日の作戦を俺達に伝えた。


 「ゼス 光るアイテムはまだあるか? 」

 「あと4つ残っているよ かざねさん」

 「それをカリナに1つ渡しておけ 託也とカリナが今回はペアじゃ 透明化したカリナがトロレス防衛に投げつけた後 託也がオブジェクトを破壊じゃ」

 「「了解」」

 「わしは1人でマリルのオブジェクトを破壊してくる 残りは陣地で防衛じゃ 今回は、トロレス・マリル同盟を先に排除して王都との一騎打ちに持ち込む」


 「どのタイミングで? 」

 「試合開始 5分後じゃ」

 「なんか意外だね 風音の事だから、暫く戦闘を見たりして楽しむのかと思っていたよ」 


 「同盟とは、裏切りが前提じゃ すでに、わし達と真っ向勝負を挑む者は少ないじゃろう なら、どう戦う? オブジェクト破壊が現実的じゃろう 下手すると5分手前で仕掛けてくる事も考えられる」

 「なるほど… 言われてみれば頷ける 初めて会った奴を、信用し同盟を結ぶって普通に考えたらありえん話しだしな」

 「そういうことじゃ それと、ゼス あやつの感知は大丈夫じゃな? 」

 「ああ なんか、感知が鮮明になった気がするんだ カリナ、ちょっと透明化してもらえないか? 」


 カリナは言われた通り、透明化して姿を消した。


 「やっぱり… 感知出来てる カリナ、動いてみてくれ」


 カリナが部屋の中を動き回る。


 「うん 不思議だ… 透明化のカリナを追えている」

 「そう不思議でもないじゃろう 元々、感知スキルを備えたお前じゃ わしの血を飲んだ事でスキルが強化された可能性がある」

 「なるほど… そういうことか」


 風音の血を飲んだゼスに、元々の感知スキルを強化。または、風音の能力の感知術が上書きがされたようだ。ゼスの感知は、透明化したカリナの存在を追えるまでになっていた。


 「オブジェクトを破壊したら王都を殲滅じゃ 託也 カリナ 好きに暴れてくるが良い」


 「「了解」」


 こうして、作戦会議が終わり何時もの様に酔い潰れるまで酒を飲む俺達。


 ―― 次の日


 朝食を取るため臨時屋台に向かう俺達。屋台は朝から営業していた。


 「んんっ!?」


 風音が、何かに気付いた。1軒の屋台に近づいて行く。

 その屋台は串肉を出していた。


 「いらっしゃい イノシシの串肉だ 1本銅貨2枚だよ らっしゃーい」


 メイドスの屋台、串肉の露天商だった。


 「どうじゃ 儲かっておるか? 」

 「ええ!! ぼちぼちですよ ん!? あれ? 」

 「わしじゃ」


 風音が、面をずらして顔を半分だけ店主に見せた。


 「ああ! 嬢ちゃんじゃないか どうしたんだい? もしかして観戦に来たのかい? 」

 「まあ そんなところじゃ 1本銅貨2枚?… ぼったくりおって」

 「ま… まあ そんなおっかない顔しないでくれ 4日間くらい儲けさせてくれよ 穣ちゃん達は、何時もの金額でいいからさ」

 「まあ良い しっかり儲けていけ わし等は、せっかく各都市から屋台が来ているんじゃ 普段食えない屋台の物を食う じゃあのう」


 俺達は、メイドスの串肉屋台を後にして別の屋台を見る事にした。

 

 各自が、好きな屋台で好きな物を食べ終わると『税杯』くじを買おうと風音の一言で売り場まで移動する。 


 「な… なんじゃと」

 「「「えっ!?」」」


 俺達の倍率が5まで下がっていた。昨日の半分とは…


 「そりゃ、あの戦いっ振りを見たらこうなるだろうな… 」


 ゼスが言う。風音は、しょんぼりしながらメイドスを購入した。 


 「王都が2で、他も3と4か… まあ、しょうがないんじゃないかな」


 俺は、金貨30枚をメイドスに賭けた。みんなもメイドスを購入。勝てば金貨150枚なんだから問題無い。


 時間まで、のんびりする事にした俺達は特設闘技場の回りに設置されているベンチに腰掛けていた。すると、屋台の方から歓声が沸きあがっている。


 「何事じゃ… 」


 王都の参加冒険者が、列を連なり闘技場に向かう。先頭はギルド副本部長のカテリーナだった。


 「あやつも参加するのか? 」

 「ああ カテリーナの肩書きは本部長だが何も問題はないさ 町人だって、冒険者引退者でも参加は自由だからな ただ、各都市で参加選考は色々あるらしい」

 「ほほう」


 風音は、カテリーナの腰から下がったサーベルに向かって風穴を撃って自身の存在を知らせる。


 ゴンッ


 「!?… 」


 弱めの風穴に気が付いたカテリーナが周りを見渡す。

 面を被った風音に、気付いたカテリーナがギョッとした顔をする。風音がカテリーナに向かって手招きをした。

 カテリーナは、後ろの冒険者に指示を与えると立ち止まりこちらに向かって歩き出した。少々、顔が強張っているように感じた。

 風音の前に立つカテリーナ。


 「ど… どうも」

 「うむ 調子はどうじゃ? 」

 「ふ… 普通です。」

 「そうか、それは何よりじゃ おっ、そう言えば支部長も来ておるぞ」

 「父さんとは、昨日会いました。」

 「そうか… それより、わしも参ってしまってのう 先日、ギルド本部長がわしの所に来て『風穴』を使わないでくれと言われてのう 中々、思うように戦えないのじゃ」

 「そ… そうなんですか? 」

 「うむ なんで、本部長がわしの『風穴』の事を知っているんじゃろう」


 カテリーナが、一瞬ビクッとした。


 「誰かが わしの『風穴』の事をしゃべったやつがおるんじゃないかと睨んでおるんじゃが… カテリーナよ お前はどう思う? 」

 「さ… さあ」

 「まあ良い 楽しもうではないか 『税杯』とやらを のう カテリーナ」

 「はい… では失礼します」


 カテリーナは、青い顔をして足早に立ち去った。

 ゼスが溜息を付き風音に言った。


 「ふぅー あんまりいじめてやるなよ かざねさん」

 「クックク 面白かったのう さて、わしらも行くとするか」


 俺達は、特務員にメイドスの入り口を聞き待機室に入り待つ事にした。

 まもなく、決勝戦が始まる。

 

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