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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
都市税争奪対抗戦編
55/66

55話 同盟


 夜の宿屋に、トロレス代表のバルドが尋ねてきた。

 何やら俺達に、話があるらしい。


 奥の、ソファーに案内されたバルドが腰を下ろす。すると、バルトが改めて自己紹介を始めた。風音は煙管を銜えて煙草を吸いはじめた。


 「こんな時間に済まない トロレス代表のバルドだ よろしく頼む」

 「お前に会うのは2度目じゃのう 今日は行儀が良いのう」

 「風音 知り合い? 」

 「いや、ギルド本部でわしの横に立ち登録証を覗きこもうとしておったわ」

 「ああ… アサシンの」


 俺は思い出した。透明化したアサシンが、ギルド本部で風音の登録証を覗きこんだ事を。その相手が、今ここにいるバルドだったのだ。


 「済まなかった SSランク冒険者がいるメイドスの確認をしたかっただけなんだ それ以上の他意はない 透明化での情報収集は… お互い様って事で勘弁して欲しいんだがね」


 バルドは、そう言うとカリナの方を向いた。


 「よかろう それで? お前は何を話したいんじゃ? まさか、世間話をしに来た訳ではあるまい? 」

 

 煙草を吸いながら、風音がバルドの話を聞く。


 「明日の決勝戦 トロレスと組んで欲しい 結託して王都を倒したいと考えている。」

 「それは、同盟を組み本部のやつらを倒すという事か? 」

 「その通り! 王都側の戦力を 攻撃部隊を半数以上倒すまでは共闘して、同盟同士の冒険者には手を出さないようにしたい」

 「王都側の数減らしか まあ… 理屈は解る」


 「その後は、同盟解除で構わない 毎回、王都の優勝ではこの先の『税杯』が廃れるだけだ トロレスは、ギルド支部と市の方で今回の参加費を納めているが今回も王都の圧勝となると最悪、次回から参加費も出ない事になり得る」

 「お前達と組む事で わしらに何か得はあるのか? 」

 「得は… 無いな」

 

  トロレス代表のバドルの話とは、同盟を組みたいと申し入れだった。しかし、うちには何のメリットも無い話。当然、風音はバルドの同盟持ち掛けの話を蹴った。

 

 「わしらは、鼻っから全てを相手にするつもりじゃ」

 「そうか 残念だ… 」

 「だが、せっかくこうして話を持って来たんじゃ 開始から5分だけ待ってやろう 5分間だけお前達の邪魔はせん のんびり、見学させてもらうかのう だが、攻撃をしてきた場合は別じゃ 即、殲滅に移るから、そのつもりで参れ」

 「わかった 済まない… 」


 「次の話に移るか ゼス そこの小娘は知り合いか? 」


 風音がゼスに問う。


 「あ… ああ 王都で活動している頃だ。少しだけトロレスに居た事がある。南ダンジョンの下調べを主に行っていたんだが、その時知り合った。」

 「名は? 」

 「ヴェロニカって言うビショップだ こう見えて20越えてるんだよ」

 「ふむ お前 なんでゼスに突っかかるんじゃ? 」

 「ゼスは… 嘘を付いた 一緒に、ダンジョン攻略に行こうといったのに 知らないうちに北ダンジョンを攻略してるなんて… 嘘付きめー!」


 ヴェロニカは、半べそをかきゼスを睨む。ゼスは困っている。


 「あれは、南ダンジョンでの話しだろう… 南ダンジョンを攻略する時があれば声をかけるよ それでいいだろ? 」

 「そんな事、一言も言っていない! 仲間だったら声をかけ一緒に行くものだろう!! 悔しいー!! 」


 床を叩き泣きはじめた…


 「仲間って… 何時からだよ?… 」


 ヴェロニカは、ハッとしたようにゼスを睨み涙を流して答えた。


 「魔石狩りをして、魔獣に襲われた時『仲間なんだし助けるのは当たり前だろ』って言ったろ! 」

 「そ… そりゃ、魔石狩りのパーティーの時は組んだ相手は、みんな仲間だろ? 臨時パーティーってそういうもんじゃないか… 」


 どうやら、ゼスとヴェロニカには行き違いがあったようだ。

 ゼスにとって、トロレスでの魔石狩りのパーティーは臨時のもので、今の俺達みたいに永続したパーティーではなかったのだ。しかし、ヴェロニカにしたら永続したパーティーだったのかもしれない。


 「そしてゼスは… 何も言わないでトロレスから消えた 1ヶ月待とうが3ヶ月待とうが… あれから数年経ち、最近、ギルドの掲示板に告知が出ていたよ

 ゼスが、北ダンジョン攻略した… わたしは… ゼスに裏切られたー!! 」


 また泣き出し、床を叩くヴェロニカだった…


 「ど… どうにかしてくれ かざねさん」

 「知らん」


 そっぽを向く風音。


 「ヴェロニカといったな お前は、どうしたいんじゃ? 」

 「わたしは… わたしは、ゼスとダンジョン攻略をしたい… 」

 「ゼスよ… もしかして、こやつもダンジョンとか好きな感じなのか? 」

 「ああ… 俺と同じか、それ以上の遺跡馬鹿だよ… 」


 「ヴェロニカ ゼスは今 わしらとパーティーを組んでおる ここにいる皆で寝起きを共にしておる、家族みたいなものじゃ ゼスとは縁が無かったと諦めてはくれんか? 」


 風音が説得にはいる。その時、


 「嫌! わたしは、ゼスとダンジョンを攻略するのー!! 」


 そう言って、ヴェロニカは宿を飛び出した。


 「状況がこんなに変わっているんだから、あの子も考え直すんじゃないかな」

 「そうじゃのう… って、ゼスもゼスなんじゃ! 勘違いするような事言ったんであろう? この! 」 


 風音が、ゼスの足を蹴っ飛ばす。


 バルドは、ヴェロニカを追う事にしたらしい。


 「時間を取らせて済まなかった 最高の結果でないにしろ、5分間動かないという口約を得られたのは大きい では、明日… 」

 「うむ 楽しもうではないか これからマリルか? 」

 「いや、すでにマリルには了承を得ている 王都側の、攻撃部隊を約半数殲滅までの同盟だ」

 「そうか… 」


 「行ったようじゃのう」


 風音は面を外した。俺達にも外して良いと指示が出た。


 「まったく、酔いが醒めてしまったではないか 酒じゃ」

 「すまん… かざねさん」

 「ん!? ああ 良い良い それより、マリルとも同盟を組んだか バルドと言ったな 中々の、知恵者じゃのう」

 「ああ マリルとトロレス連合だと人数的には王都を上回るからな」

 

 「まあ 良い 明日の作戦じゃ よく聞け」


 風音の作戦とは…

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