表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
都市税争奪対抗戦編
53/66

53話 キングアリゲーター


 第3試合が始まろうとしていた。オブジェクトが設置され参加者の入場だ。


 ドーン ドーーーーン!!


 マリル対アーデラルの冒険者が同時に入場だ。


 「「「おおおぉー!! きたぞ!! 」」」

 「「「頑張れよー!! 」」」

 「ジーンさえ押さえちまえばアーデラルにも十分勝機はあるぜ! 」

 「Sランク冒険者パーティーを、どう押さえるかだな」

 「行けるぜ! アーデラル!! お前達に張ってるんだ! 負けるなよ!! 」


 入場と同時に、沸きあがる歓声。観客達の声援が、闘技場を埋め尽くす。


 マリル150名 倍率2 に、対してアーデラル150名 倍率4となっている。

 入場した冒険者達は、支援職がバフを仲間にかけ戦闘の準備に入る。召喚士達も、印を結び契約動物を呼び出す。

 中でも、最後尾で長めの印を結ぶ召喚士が注目されていた。女召喚士ジーンであった。焦げ茶のベストにズボン、ブーツを履きボーイッシュな金髪ショートヘアーの女性。肌は白く、歳は25歳前後だろう。

 

 ゼスが、俺の隣に来て女召喚士を指差した。


 「託也 あれがマリルの魔獣召喚士ジーンだ あいつの出す契約魔獣は強いぞ でも、かざねさんや託也の召喚とは比べてやるなよ ハッハハ」


 ジーンの、印が結び終わったと同時に大きなワニの魔獣が出てきた。


 「ワニー!? 」

 「なんだ? 知ってるのか あれは、キングアリゲーターといって 島ダンジョンの中ボス 北ダンジョンでいうキングタイガーと同格扱いの魔獣だ」

 「中々、強そうだね」

 「ああ 特に、あの口に噛まれたら確実に食いちぎられるからな 前回はあれで相当の冒険者がやられたらしい 今回から禁止事項になったみたいだけどな まぁ… 口だけじゃないんだよ あれのヤバいのは」

 「何かあるの? 」

 「尻尾だ あの、太い尾で叩かれると相当なダメージを食らう」

 「尻尾かあ… 」


 ゼスと、召喚されたキングアリゲーターの様子を見ているとジーンがバッグから何かバンドのような物を取り出しキングアリゲーターの口に嵌めている。


 「なるほどな… やはり口の攻撃は禁止になったんだな バンドで封印しての参加か… ん!? あっ あれは!?」


 ゼスの顔色が変わった。立ち上がり、風音の横に行き耳元で何かを囁いてる。

 風音も、ゼスが指を差す方向に視線を送る。

 その先には、この世界に飛ばされた初日に風音が跪かせたSランク冒険者ビーノとパーティーメンバーの女エルザと名前は知らないが少し抜けた感じの男がいるではないか。俺も風音の横に移動して話を聞く。


 「あいつら… マリルに拠点を移動したのか くそっ… エルザめ」

 「うむ あの女じゃ わしが見たのは 間違いない」

 「どうする? かざねさん」

 「自分達からメイドスを離れたんじゃ 特に何もする事は無いじゃろ? 」

 「違う! 俺が言ってるのは… 」

 「ゼス… 」


 ゼスの言葉を、口元に人差し指を立てて遮る風音。

 周りには、支部長のブライトやトーマスが観戦している。


 「とりあえず、落ち着け ほれっ 試合が始まるぞ」


  ドーーーーン!!


 第3試合が開催された。

 

 どうやら、マリル側の防衛は20名ほどが防衛で130名が攻撃に回るようだ。

 アーデラルは、40名の防衛のようだ。110名の攻撃が中央付近で応戦。

 

 皆が、注目しているマリルの召喚士ジーンを観察すると自陣のオブジェクト付近から動く気配は無かった。

 次に、気になっていたメイドスからマリルに拠点を鞍替えしたSランク冒険者ビーノ達を観察すると、ビーノと、抜けた感じの男が交戦中だった。

 ビーノが、剣を交えると相手の背後に回り込む抜けた感じの男。その動きと、短剣に目を奪われる相手冒険者の隙をつき攻撃に転じていた。決して、複数を同時に相手せず慎重な戦い方を見せていた。


 そして、もう1人のパーティーメンバーでありバーデンに俺達の始末を依頼した女エルザの行動に目を見張る。

 エルザは、ビーノの背後を取られないように警戒を怠らない。短剣を握り辺りを警戒する。そして、2匹の大型犬を従わせていた。


 「ゼスさん あの女が連れている犬 あれは? 」

 「デザートウルフか 砂漠狼といって、マベルーラの南にしか生息していない攻撃特化契約動物だ くそっ… 本当に、忌々しいぜエルザめ」

 「あの人、召喚士だったんだね」

 「ああ… 」


 ご立腹なゼスだった。


 「しかし、相変わらずだなビーノ 決して、冒険しない戦闘スタイルは変わっていないか」

 「堅実だね 相手が複数になると一度、距離を取るし無理をしないね」

 「よく見てるな 託也」

 「うん ジーンって人を見るつもりだったけど防衛みたいで動きがないね」 

 「だな… 動くとしたら半分くらい減ってからだろうな」

 「あと、ポーターみたいな人 あの人は何の職業なの? 」


 さすがに、抜けた感じの人とも聞けないのでポーターみたいな人と濁して聞いてみた。


 「ああ ニールの事か 職業は、スカウトなんだが耳が悪くてな… 冒険者登録はしていたから、薬草採集なんかで暮していたけど食べるのがきつかったようだ。ニールが、メイドスに拠点を置いて半年くらいしてからだったかな… ビーノが専属ポーターの契約を結んで落ち着いたんだ。」


 ニールも、色々苦労して生きてきたんだろう。


 そんな話をして、試合はすでに10分経過 動きがあった。

 アーデラルの防衛40名のうち、半分の20名が前線に合流をはじめた。

 それに気が付いたマリルは、防衛のジーンに伝達を回す。

 それを聞いたジーンが動いた。キングアリゲーターを連れ前線に出るみたいだ。


 「動いたな… はじまるぞ」

 「うん」


 ジーンの号令でマリル側の攻撃部隊が防衛ラインまで下がる。

 しかし、アーデラル側は踏み込めないでいた。

 ジーンがキングアリゲーターを連れて前線に押し上げていたのだ。

 キングアリゲーターに命令を下すジーン。  

 堅い鱗に覆われた、大きな身体がアーデラルの攻撃部隊に突っ込んだ。キングアリゲーターの、巨大な尻尾が冒険者達の足首や太腿に振り下ろされる。


 「グアァッ! 」

 「逃げろ!! 遅れるな! 」


 どうやら、アーデラルは防衛ラインまで下がるようだ。しかし、キングアリゲーターの身体に似合わない追撃で次々と倒されていく冒険者達。


 「グハッ! 足が動かない… 」

 「駄目だ… これ以上は こ… 降参」


 自ら、手を上げて戦闘不能の申告をする者が出てきた。


 「終わりだな… かざねさん終わりだ」

 「どうやら、そのようじゃな… 」

 「まだ早くない? 」

 「アーデラルに、あれを止める手立てが無い以上 無理じゃな」


 その後、勢いに乗ったマリルは支援魔法を貰った攻撃部隊が戦闘に加わり約10分程度の時間でオブジェクト破壊に成功する。


 1回戦 勝ち残った都市は、トロレス140名、メイドス8名、マリル150名となった。王都を含む決勝は明日の昼からだ。


 俺達は、闘技場を後にして宿屋に戻る事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ