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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
北ダンジョン編
29/66

29話 契約成立


 俺とアルマは、8階層に残り沸いてくるキングタイガーを討伐。風音とゼス、学者2名とカテリーナは9階層に向かってた。発見した財宝を回収する、雑兵20名の手押し車も後に続く。


 カテリーナにとって、トラウマとも言える9階層の超大型魔獣は、すでに俺の依代となり腰に装備したバッグの中に納まっている。

 風音とゼスを、先頭に学者2名とカテリーナが最初に9階層へ到着した。

 風音とゼスは、魔法陣を踏みながら中央を通り上下運動を続ける石版へ乗り移った。ここで風音が、学者とカテリーナに声をかける。


 「どうした? 早く石版に乗れ」

 「し… しかし、床の魔法陣は… 」

 「かまわん すでに依代になって託也が持っておる」

 「依代?… 」

 「あ… 魔獣契約だトーマスさん! だから魔法陣に構わず移動してくれ」


 依代と言っても、判らないと思い魔獣契約と言い直したゼス。


 「見てくれ… この石版に半分だけの魔法陣が刻まれているだろう」


 ゼスは、この魔法陣がどうやって発動したのか説明する。


 「上の崖があるだろう あそこに接触して発動したのさ 俺はてっきり失敗作の魔法陣と思っていたから… やられたよ 崖に飛び移ってくれ! 」


 ゼス達は、崖と石版が合わさった頃合いで崖側に飛び移った。ここで、一旦止まり崖側の半分刻まれた魔法陣を確認する。


 「な… なるほど 古典的だが、こちら側の魔法陣を知らなければ仕掛けにはまる事もあるな… 」

 「ゼスは詰めが甘いからのう 色々と… クックク」

 「勘弁してくれよ… かざねさん」


 ゼスは、歩きながら左前方に見える建物を指差し宝物庫と説明する。その前に行き止まりの手前にある儀式が行われていたとされる円形の建物を案内した。

 トーマスが目をギョロギョロとさせながら内部を見渡す。


 「こ… これが文献にあった『儀式場』なのか… これは凄い! 」


 トーマスは、方眼用紙に正確な魔法陣と建物を模写していく。


 「すまん ゼス 少しかかるからアレクシスと宝物庫へ行っててくれ 終わり次第そちらに向かう」

 「了解 アレクシスさん 行きましょう」

 

 ゼスは、王都から呼ばれた学者アレクシスを連れて宝物庫に向かった。カテリーナは、ギルド本部の遺跡・ダンジョン責任者トーマスの護衛、側を離れる事はなかった。唐突に風音はトーマスに質問する。


 「トーマス… “時空の歪み〟というものを知っておるか? 」

 「“時空の歪み〟… それは名称かな? 」

 

 トーマスは、書き写す手を止めて風音の方を向き確認する。


 「いや、それは事象じゃ この『儀式』の場では、何かを呼び出すのに利用していたとゼスに聞いた そんな事が人の手で行えるのか? 」


 トーマスは少し驚いた様子で風音に質問する。


 「君は… 興味があるのかね? 」

 「少しのう… で、“時空の歪み〟は判るのか? 」

 「残念だが正確な解答は出来ない… ただ、他の文献に記されている場所や謎が存在するのも確かだ どちらかというと、私は文献の解読を専門にして現代でも利用できる魔法技術をギルドや国の為に研究している。もう少し詳しい話は出来るのかい? 」

 「人払いせい… 」


 風音が、そう言うとトーマスはカテリーナに席を外して宝物庫のアレクシスの警護を頼んだ。


 「これでどうだろう? 」

 「うむ… 託也は知っているな? 」

 「ああ しゃべった事はないが大人しそうな少年だろ? 」

 「わしと託也は、別の世界から飛ばされて この世界に来た… 」

 「… 」


 トーマスは、黙って風音の話を聞き入った…

 …… …


 「… と、現在に至るわけじゃ 詰まるところ、情報が足りないのじゃ 闇雲に歩いて“時空の歪み〟を探すのは得策でない事ぐらい わしでも理解できるからのう… そこで、協力をして欲しいのじゃ わしは“時空の歪み〟が見つかれば元の世界に帰れると思っておる 情報を、提供してもらう変わりにダンジョンや遺跡を調査してやろうではないか 今回みたく攻略して欲しいじゃろ? 」

 「お… おおっ! それは助かる! 君達の力なら今まで進めなかった先に…

まだ見ぬ光景を見る事が出来るかもしれない… 」

 「うむ 契約成立じゃな ただし、他言無用じゃ それはわかるな? 」

 「ああ! もちろんだ! よろしく頼むよ かざねくん! 」

 「もし、情報が漏れれば… まあよい トーマス頼んだぞ」


こうして風音は、ギルド本部の遺跡・ダンジョン部門の責任者トーマスと情報を貰う変わりに未開拓調査をする約束を取り付けたのだった。


 ▽▽▽


 「おおおぉぉ!! こっ…これはぁぁ!! 凄い! ゼス君凄いぞ!! 」


 宝物庫では、王都学者アレクシスが狂喜乱舞する。ゼスは、若干引いたがその狂乱振りを見て、改めて自分達がやり遂げた攻略に満足した。


 「ゼス… 凄い事をやったんだな お前達は… 」


 アレクシスの、警護に回されたカテリーナがゼスに声をかけた。


 「ああ… 大変な事をやっちまったなって… 今になって改めて思っちまったよ」

 「ゼス わたしの無礼を許してくれ 先日は悪かっ… 」

 「もういいって カテリーナ お前の言った事も間違ってはいない かざねさんと託也がいてくれたからここまでこれたんだ… 俺だけの力では無理だったよ 判っている」


 ここで風音とトーマスが『儀式場』から戻っていた。


 「待たせ… ぐっ… ぐぁぁぁぁ!! こ… これはぁぁぁ!! 」


 トーマスが、興奮しているが無視するように


 「ゼス わしは一度 8階層を見てくる すぐ戻るから頼むぞ」

 「了解だ かざねさん」

  

 二人は、会話を交わすと風音が石版に飛び移り8階層に向かった。


 8階層のフロアーに到着した風音。


 「風音! 」

 「風音様! 」


 俺とアルマは、キングタイガーの魔石を回収している最中だった。クロは風音の側に寄って顔を近づける。


 「風音 クロはもう腹一杯みたいだよ 白いのを出してよ」

 「もう食えんのか?… 不味いし、お腹一杯だと? クックク 少し休んでおれ ご苦労じゃったな 」


 クロは、小さくなり風音の袖口に入り姿を消した。


 「クロのおかげで、だいぶ助かったよ ね アルマ」

 「ええ… まだちょっと慣れないけど… 」

 「そうか あやつらは言葉をちゃんと理解するし、仲間と分かれば頼もしいぞ まあ… 徐々に慣れていけ」

 「はい! 」

 「で、そっちはどんな感じなの? 」

 「上手く行っておる 学者達も大騒ぎじゃ クックク」


 そう言うと、風音はニヤリと笑った。高額の査定を確信しているのだろう。


 「託也 疲れは無いか? 」

 「俺は平気 アルマはちょっと疲れたんじゃないかな」

 「そうか… アルマ カリナと変われ 託也も少し休め ゼスの元に行け」 

 「わかった」

 「はい! 」


 8階層は、しばらく風音とカリナが見る事になった。アルマはカリナと交代、俺はゼスの元へ向かった。


 ▽▽▽


 9階層に着いた俺は、石版に乗り崖上に飛び移ると宝物庫に顔を出した。


 「ゼスさん どう? 」

 「託也 かざねさんはどうした? 」

 「アルマも俺も疲れただろうって しばらく、交代だってさ」

 「そうか 判った キングタイガー討伐きつかったか? 」

 「そうでもない もう20は狩ったかな 今回から首に風穴を撃ち込んでるから楽になったよ」

 「そ… そうか 相変わらず凄いな… 」

 「君が、たくやくんだね? ギルド本部の遺跡・ダンジョン部門の責任者をしているトーマスだ ちゃんとした挨拶が遅れてすまない よろしく頼むよ」

 「いえ こちらこそ よろしくお願いします」


 俺は、トーマスに握手を求められ握り返した。

 

 「ゼスさん 後は何が残っているの? 」

 「特に無い とりあえず財宝を運び出すだけだな」

 「じゃあ 8階層に戻るよ 」

 「わかった 8階層頼んだぞ」

 「了解」


 8階層に着くと、1体のキングタイガーを残しカリナが1人で応戦していた。

 風音は煙管を噛んで戦いの様子を見ている。


 「カリナ! 浅いぞ もっと深く傷つけないと何時までも倒せんぞ! 」


 風音の怒涛が飛ぶ。


 「ん? 託也か もう戻ったのか」

 「何してるの風音… 」

 「カリナ達も、もう少し強くしてやらんとな 戦闘でわしや託也に頼りっぱなしでは 本人の為にもならん 中には、心が屈折してしまうやつも出るかもしれんからのう… 」


 風音が言ってる意味は判った…  

 

 パチン


 風音が風穴でキングタイガーの頭を吹き飛ばす。


 「カリナ 休憩じゃ わしは託也と交代するから休んでおけ 今は、辛いだろうがきっと報われる時がくる 頑張れ… カリナ」

 「はい!」


 そう言って、風音は9階層に戻って行った。俺は倒されていた魔獣の体内にある魔石回収をはじめた。

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