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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
北ダンジョン編
24/66

24話 ゼスの家で


家の中に入ると、カリナ達は空き部屋を案内される。


 「ここと、隣の部屋を使ってくれ 用足しは裏にある それと水は玄関のわきにあるからな 俺の部屋以外は自由にしてくれ あっ… 客間にあるガラスケースは触らないでくれ あれは俺の宝なんでな」

 

 軽く笑うゼスに、カリナ達は礼をする。


 「ありがとうございます」

 「遠慮するなよ ゆっくり休みな」


 すると、客間の方から風音の声がした。


 「ゼスぅー なんか つまみー」


 それを聞いたゼスは、嬉しそうに一言漏らして客間に向かう。


 「しょうがないなあ かざねさんは」

 

 その様子を見ていたアルマとカリナが言った。


 「なんか… ゼスさん 凄く嬉しそうだったね」

 「うん でも、わかる 風音様は人を引き付ける力を持っている」


 ▽▽▽


 サラダを作って客間に戻ってきたゼスは、ダンジョンから持ち帰った置物をガラスケースに入れて眺めだした。


 「いいな… うん! 」


 そんなゼスの様子を、酒を飲みながら柔らかい笑みを見せる風音だった。すると、ゾロゾロと部屋から出てきたカリナ達。


 「なんじゃ? どうした」

 「いや… 休んでいいって言われても まだちょっと眠れないんで… 」


 風音が、聞くとカーベルが答えた。


 「そうか 飲むか? 」

 「いいんですか!? 飲みたいです! 」

 「全員飲めるのか? 」

 

 ゼスが聞くとマリーだけ飲めないと言う。


 「マリーは、まだ16歳だったな 早く飲めるようになるといいな」


 ゼスはそう言うと、ソファーから立ち上がり台所からコップを4つ運ぶと、酒を注いで台所に戻る。

 

 「いただきます! 」


 カリナ達は酒を飲む。


 「美味い!! これ美味いですね! 」

 

 カーベルが絶賛している。


 「それは この街のオリジナル米を使った酒らしい 中々であろう? 」

 「美味いです メイドス最高っす! 」

 「地元の酒が喜ばれるのは嬉しいな ほら 託也とマリー 」


 台所から戻ったゼスは、俺とマリーにリンゴを摩り下ろし水で割った飲み物を作ってきてくれた。


 「ゼスさん ありがとう」

 「ありがとうございます」

 「ああ ところでマリーは召喚士と聞いたが 何を呼べるんだ? 」

 「鳥と… 犬です」

 「戦闘用に熊とかがいいんじゃないか? 」


 ゼスがそういうと、マリーは首を横に振り怖いと言い出す。するとカリナがゼスに答える。


 「マリーは、魔物が相手だと平気なんですが… 大きい動物なんかが苦手で戦闘できる契約動物は持っていないんです」

 

 「鳥と犬か… 」

 「でも、マリーの犬はとても賢くて鼻が効くんです 私達全員の匂いを覚えていて伝達も出来ます」

 「それはいいのう マリー 犬を出してみろ」


 話を聞いていた風音が、犬を出せと言うと


 「いいんですか? 」

 「かまわん この部屋より小さければ かまわん クックク」


 するとマリーが印を結ぶ。剣獣殺の魔獣召喚士が結んだ印は、結構時間がかかったように感じたがマリーの印はすぐに終わり、癒しを感じさせる愛くるしい豆シバのような犬が現れた。


 「ペル! 」


 マリーは、ペルと呼ぶ犬を抱き締めた。ペルはベロベロとマリーを舐める。


 「風音様 ペルといいます」


 マリーが風音にペルを紹介する。


 「可愛らしいのう ペルは、わしらの匂いも覚えたり出来るのか? 」

 「はい ペル 皆さんに挨拶して匂いを覚えて」


 すると、ペルはゼスの方を向くとキャンともワンとも取れる可愛い声で一度吼える。これが挨拶なのか… ゼスの側に行き匂いを数度嗅ぐと、もう一度吼えた。どうやら、匂いを覚えたらしい。続けて、俺の方を向きゼスにした同様の事をする。最後に風音…


 ペルは、風音に向かって一度吼えて挨拶し側により数回匂いを嗅ぐ。しかし、ペルは同じ事を繰り返す。どういう訳か、匂いを覚えられないようだ。

 すると風音は、束ねた髪にささる簪を抜いて匂いを嗅がせた。ペルは吼え、覚えたと尻尾を振る。そんなことより、みんなは呆然としていた。

 俺でさえ見たことなかったロングの風音。腰まである髪は艶やかな黒…

 俺は、思わず口走った。


 「風音 伸ばしても似合うね」

 「そうか!? 託也 じゃあずっとこの姿でいるかのう」


 嬉しそうに言ってる風音に、俺は水を挿した。


 「伸ばしてもって言ってるじゃん 簪を挿してる風音も似合ってるよ それにせっかくペルが簪の匂い覚えたのに 付けなきゃ意味ないじゃん」

 「そうか… そうじゃのう」


 風音は、残念そうに下を向く。


 「話は、変わるけど託也 あれから、呼び出してみたのか? 」


 ゼスが突然、話を振ってきた。


 「依代? ううん 一度も出してないよ」

 「かざねさんのみたいに大きさが変わるといいんだが」

 「出してみようか? 」

 「いやいや!! 辞めてくれ! 家の中であのサイズで出てこられたら家が潰れちまう! 」

 

 ゼスは慌てて止める。そしてカリナが青褪めた顔でげんなりとしていた。

 

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