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暴君少女 風音-最凶不死者-  作者: きーぱー
北ダンジョン編
15/66

15話 8層突破


 俺達は、残りの階段を登り4層に到着する。まず、目に飛び込んできたのはヘルフォックスを狩るパーティーだった。拳にナックル装備を嵌めたストライカーの男が一人で魔物を引きつけ投げ飛ばす、空中に放り出された魔物にマジシャン系の女一人が放電系魔法で動きを鈍らす。

 最後に、瀕死でヨロヨロしている魔物に止めを刺すソードマン系の男。剣を突き刺したまま腹を裂き、魔石を取り出して少し離れた場所にいる女に投げると、用意してあった袋に入れていく。職業の確認は出来なかった。


 兎に角、流れ作業のように魔物討伐を淡々と行う様子は、下の階層で見たパーティーとは段違い、比較するなら『天と地』『雲泥の差』『月とすっぽん』といったほど実力に差があるように感じた。

 ただ、今見た一連の流れだけで全ての評価は出来ないだろう。淡々と狩りをしている様子から余力があると見ていいはず。そして彼らは全員、黒いロープで顔を覆っていた。


 4層のフロアーの左側に到着すると、右側に移動してから5層に上がっていくに事になる。俺達は、4層フロアーの一番手前の端を横に移動して5層に繋がる階段を目指す。

 この時、すでに黒ローブの4人パーティーは俺達に気付いていたのだろう。何人かの視線を感じた。

 ここで、ゼスが声をかける。


 「上に行くんで通らせてもらうよ」


 パーティーからは、動きも返事もなかった…


 フロアーの素通りは冒険者の間でタブーとなっているらしく、素通りする者から声をかけるのが必然。声をかけず通り抜けしようとすると揉める場合が度々あるらしい。先着のパーティーを排除して、自分達が占領し狩りを行う者がいるからだ。

 

 4層フロアーを抜け、15mも行くと右側に5層へ登っていける階段が現れた。 俺達は、黙ったまま階段の中央付近まで登ると腰を落として休憩する。


 ここで風音が、3層パーティーの情報を俺達に伝えた。


 「3層のやつらは白じゃ 昼飯を楽しみにして降りて行きおったわ」

 「助かった… ちょっとは楽になるな 最悪のパターンは無くなった」

 「4層は手強いかもね ストライカー、マジシャン、ソードマン、あとは確認できないよね 袋に魔石を入れていただけだし」

 「ああ、あいつらはSランクだろうな 動きも違ったし… 判らなかった職業は消去法だな ソードマンやナックルを使うストライカーがパーティーにいるんだ、ブラックスミスが濃厚だろう それか召喚士か」

 

 そんなところだろうとゼスが話すと、風音は唐突な質問をゼスにする。


 「ゼス 透明になれるスキルはあるのか? マジックアイテムとかでもかまわんが」

 「あるにはあるが… それはアサシンだけのスキルでマジックアイテムなんか、まず出回らない 市場に出回ったらとんでもない金額で取引されるだろうな」

 「それと、もう1つ質問じゃ アサシンは他の職業のスキルを使用したり出来るのか? 」

 「それは無理だ どう頑張っても魔法なんか撃てないし、召喚も出来ないな」

 「ふむ わかった では行くとするか」

 「なんだったんだ? かざねさん 透明になりたかったのか? 」

 「いや… そんな事も出来るのかな とな」


 何を考えているのだろう風音は…

 

 ▽▽▽

 

 階段を登りきった俺達は、5層に到着する。


 フロアーは、下の階層の半分程度しかなく少し狭さを感じるが、戦闘するには十分の広さはある。北ダンジョンで一番人気の階層が、ここ5層であった。

 大して強くない魔物、ヘルドッグが7匹出現する。2層と何が違うかというと沸き時間であった。約2分で魔法陣から沸いてくるのだ。慣れたAランクなら、十分に対処出来る強さで、回復役と補佐役がいれば事故無く狩れる。メンバーの確認をすると…


 例の髭親父は、床に胡坐(あぐら)をかきながら戦いの様子を見ている。その横には、身なりからしてポーターだろう若い男がナイフを持ち魔石回収を行っていた。

 魔物と対峙しているのは、若いソードマン一人でヘルドックをなぎ倒している。もう一人はハンマーのような鈍器を持ちソードマンの後方で汗を拭っている。交代で魔物の討伐をしているのだろうか、どうやら4人パーティーで4層のパーティーより弱そうだった。

 俺達の到着に気がついた髭親父が、声をかけてきた。


 「やっときたのかい? へっへへ」

 

 ゼスが対応する。


 「ああ ゆっくりでいいさ 魔物は逃げないからな」

 「へっへへ そりゃそうだ この上に行くのかい? 」

 「ああ ついでだから新人に見せてくる その後は適当なところで狩るさ」

 「そうかい まあ気をつけるこったな へっへ」


 髭親父は、昨夜同様に気持ち悪い薄ら笑いをした。


 ゼスは5層を通り過ぎ上に向かう階段を登りはじめた瞬間、風音に言った。


 「かざねさん 6層と7層の魔物は無視だ 一気に8層まで行こう! 」

 「かまわん 託也 準備しとけ」

 「了解」

 「二人とも俺について来てくれ」


 ゼスを先頭に俺達は一気に階段を駆け上がる。

 6層フロアーを、斜めに突っ切り反対側に移動する。前方の魔物を避けながらフロアーを抜けると、直進の道に左右無数の横道が出現するがゼスは迷わず5本目の左横道に入り2本目の右横道を入る。すると、急勾配の階段が現れ駆け上がり7層に到着する。

 7層フロアーの魔物、キングフォックスは反対側にいるので楽々通り抜けると、ゼスがマジックアイテムを数枚取り出し道に設置する。そして、砂や土をかけてカモフラージュした。

 再び、走り出した俺達は突き当たりの階段を登り8層に到着。9層に行くには中央前方にある、人が一人通れる出口を目指す事になる。フロアー中央には5匹の四足魔獣キングタイガーが闊歩していた。

 この四足獣… 剣獣殺が召喚した魔獣であった。


 「ゼス このネコは、わしと託也で処理する 隙をついてお前は先に出ろ」

 「わかった かざねさん 頼んだ! 」

 「いくぞ 託也 風穴2本と木を倒した技で処理しろ」

 「了解」


 風音が、フロアー中央に行くとキングタイガーが気付き一斉に飛び掛かる。何時もと変わらず、涼しい顔で パチンッ パチンッ と、指を鳴らし風穴を当てていく。足を狙っているようだ、倒れていくキングタイガーの前足や後ろ足が削ぎ落とされていく。俺は、キングタイガーの顔目がけて2本風穴を喰らわした。キングタイガーは、目を瞑り後ずさりをしながら呻き声を発する。


 グウゴウウウ!


 この隙にゼスは狭い通路の向こう側に移動した。


 「託也! 止めを刺せ」


 風音の掛け声と同時に、手のひら風穴をキングタイガーの胸や腹に目がけて力一杯撃ち放つ。


 ドゴーンッ!!


 腹から放った風穴は、キングタイガーの背中を突き破る。


 グゥゴゥゥ…


 声にならない呻き声と共に絶命していくキングタイガー。俺は、キングタイガーに次々と風穴を撃ち込んでいった。

 気が付けば、全ての四足魔獣は俺の風穴で処理したのだった。時間にして1分程度だろう。

 魔石の回収はせず、俺達も通路を抜けゼスに合流した。未だ、誰も突破していなかった8層をクリアーしたのだった。


 「凄… 凄い技だな キングタイガーを一撃かよ託也… 」


 ゼスは驚きを隠せないでいた。


 「と…とりあえず、ここから未開拓地だ 真っ直ぐ進んでみよう」

 「ゼス 先頭は、わしがいこう 後ろにつけ 殿(しんがり)は託也 後ろにも気を付けろ わかったな? 」

 「ああ かざねさん頼んだ! 」

 「了解」


 一本道で横道は無い… 

 しばらく続く通路に突然の終止符。壁で塞がれ先には行けない様になっていた。しかし、ランタンを照らした地面に魔法陣が設置されている。


 「ゼス なんじゃ 行き止まりじゃな」

 「待ってくれ… その魔法陣の他に何か無いか? 」


 俺達は他に、仕掛けはないか岩をどかしたりして魔法陣の周りを調べる。しかし、これといって変わった所が無いので話し合いの結果、3人で魔法陣の上に乗ってみることにした。


 すると…

 

 不思議な光が魔法陣から漏れ出し、俺達は別の場所に移動させられてしまったのだ。

 

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