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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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119話 藍は苦労人

店は好きな所を選んでくれと言われたので、外観から立派なレストランを選び中に入る。

貴族御用達の様で完全個室制の店だった。

案内された部屋に移動して、適当に注文し美味しそうな料理が次々と運ばれてくる。

料理を嗜む櫓としては、レパートリーを広げる意味でこちらの世界の料理も参考になる。


「美味しそうね、早速食べましょう!」


メリーが無邪気に喜んで料理を食べ始める。


「自分で選んでおいてあれだが、随分と高そうだぞ?大丈夫か?」

「問題ありませんよ、私達も一応Aランクパーティーとして活動してきていますから蓄えはある方なのです。」

「ほおほお、ひにひなふへひいわよ。」

「メリー行儀が悪いですよ、食べながら話すのはやめて下さい。」


藍に注意され喋るのはやめて食べる方に集中し出した。


「前も思ったが食べる時までローブ着てて食べづらくないのか?」


櫓は疑問に思っていた事を聞いた。

メリーと出会う時はいつもローブを目深に被って口元しか見えない状態であり、顔をまともに見た事はない。


「そう言えばここって個室制だし、藍と櫓君しか居ないんだったら頭まで被らなくてもいいわね。」


櫓の質問にしっかりと口の中の物を飲み込んでから答える。

そして頭にかぶっているローブを後ろにやる。

しっかりとメリーの顔を見るのは初めてだが、唯々美人と言った感じだ。

そして耳が普通の人間とは違い、ピィンと上を向いて長い。


「エルフなのか?」

「そうよ、エルフを見るのは初めて?」

「ああ、知識はあったが本当にいたんだな。」


元の世界のアニメや漫画の中では一般的な存在だったが、こちらの世界でエルフについての情報を耳にした事が無かったので少し驚いた。


「普通エルフは森の中で暮らし、人里には降りて来ませんからね。」

「なんでだ?」

「危険な行為だからです。エルフの顔立ちは人間に近く、男女問わず容姿が優れている者ばかりです。」


隣にいるメリーが藍の説明を聞いて誇らしそうにしているのが少しイラッと来るが否定はしない。


「そのため伴侶や奴隷にしたいと考える人間が多く、人里に降りてきてしまったエルフは人間に捕らえられる事が多かったのです。」

「昔から人間はずっと変わらないわ。独占欲の塊の様なのばっかりで同胞が何人捕まったか分からないもの。信用できる人を探すだけで手一杯よ。」


メリーは不満を溢しながら目の前にある肉料理にフォークを突き刺し口に運ぶ。


「なのでメリーは正体がバレない様にローブで隠しているのですよ。」

「私が超絶可愛いエルフだからって捕まえて売ろうなんて考えないでよ?」


メリーが藍の後ろに隠れながら「うちの藍が黙ってないわよ!」と冗談交じりに言う。


「有り得ないから安心していいぞ。」

「それはそれでムカつくんですけど!」

「そんな事よりなんで危険を犯してまで住処から出てきたんだ?」


エルフは人里に降りて来たら襲われると言っておいて、メリーは普通に街中で生活している。

隠蔽のローブで正体はバレていないが、危険な事に変わりはない。


「前にも言ったと思うけど、世界一強いパーティーを作るのが私の夢なの、それを叶えるためにエルフの森を旅立ったわ。」

「危険を犯してまでする事か?」

「それだけのパーティーになれば戦力も発言力も行動力も今よりも上がるはずよ。そうなれば不遇な扱いを受けている同胞を救えるかもしれない。エルフを愛玩動物や道具みたいに扱っている奴らを懲らしめられるかもしれない。これが危険を犯して叶う夢なら、私は迷わず危険に飛び込んでいくわ。」


拳を握って力説しているが、口元に肉料理のタレが付いていて台無しだなと櫓は思った。

しかしエルフが不遇な扱いを受けているのを救いたいと思う事には共感できる。

エルフと言えば弓と魔法のエキスパートのイメージがある。

この二人と戦った時にも、メリーの呪縛の魔眼によって櫓は三秒間動きを止められた。

どんな人間も三秒間止めるのに使用する魔力が同じ訳ではない。

呪縛の魔眼を使用する相手の実力も関わってくるため、三秒間とは言え櫓の動きを止めるために相当な魔力を使用した筈なのだ。

しかしメリーはそれ以外にも藁人形による行動阻害の呪いを櫓とクロードに使っていて、それでも魔力切れらしき状態には見えなかった。

つまりメリーの魔力量は相当な物だと言え、メリーと同族であるエルフを仲間にする事が出来れば即戦力間違いなしだろう。


「そう言うエルフが居るなら俺も見かけたら助ける様にしよう、仲間になってもらえるかもしれないしな。」

「あら?ここに既に有能エルフが居るじゃない。私のパーティーに入れば万事解決な訳ね。」


自分の胸に手を当てて自信満々に勧誘してくる。

一回断られた程度では諦めるつもりはない様だ。


「変なリーダーを持つと苦労するな。」


櫓は同情の眼差しを藍に送る。


「時々付いていく人物を間違えた様な気がするのですが、有能な事には違いありませんからね。それに私が居なくなってしまえば、パーティーメンバーを増やすのも無理そうですし。」


二人の会話を聞いて「どう言う意味よ!」とメリーがプンプン怒っていた。

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