110話 日々の訓練は欠かせない
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ネオンの首輪を外してから三日が経ち、櫓達は街でのんびりと過ごしていた。
ネオンも首輪が外れた事もあり、今まで首元を隠す普段着が多かったが、お洒落に目覚めていた。
首輪の跡が少し残っていたが、その類に効く薬を使い日に日に目立たなくなってきている。
「じゃあ今日も頼む。」
冒険者ギルドでこの街に来てからの日課の様になっている、解体のための魔物を大量に倉庫に出す作業を終えてから受付嬢に言う。
報酬がそれなりに貰えるため、毎日解体の依頼を受ける者が少しずつ増えているのだが、それに比例して出す量や大きさを増やしているので、皆大急ぎで作業している。
自分達で解体していた素材は半分と少し売却出来たが、残りは依頼達成した冒険者に払うお金などが無くなってしまうからと売ることは出来なかった。
そして売却出来ないので解体していなかった魔物も毎日素材になって櫓のボックスリングの中に増えていく。
嵩張る事は無いが、自分では使わない素材や同じ素材が相当数ある物は金に変えたいなと思っていた。
まだ余裕はあるが解体の依頼や全員の装備の買い替えなど結構使い込んでいたためだ。
「はい、また明日同じ時間にお越し下さい。」
解体依頼の手続きを済ませギルドを後にする。
ネオンとシルヴィーも装備の買い替えや街の見物など一通り終わったので、櫓に付いてきている。
ミズナは食べ歩きにハマってしまい、朝一で櫓から金を受け取り、一日中街を歩き回って色々買い食いしている。
「今日は何をするか、二人とも案は無いか?」
「のんびり散歩でいいんじゃないですか?何も考えずゆったり過ごすのが至高の贅沢です。」
ネオンが身体を伸ばしながら言った。
「ゆっくりするのもいいですが、日々の鍛錬を疎かにしてはなりませんわ。食べて寝るを繰り返していますからこんな風になってしまいますのよ?」
「ひゃっ!?もうシルヴィー様やめて下さいよ。」
シルヴィーがネオンの横腹を摘む。
数日だらけた生活をしていたせいか、お腹に肉が少し付いてしまっていた。
「お返しです、って掴めない!?」
ネオンもシルヴィーの横腹を掴もうとするが、お腹には無駄なお肉は一切無く、完璧なプロポーションである。
「私は毎日しっかり訓練していますわ、日課を疎かにしてはなりませんわよ。」
「俺も毎日二時間は必ず訓練しているな、あまり休みすぎると実践で苦労するぞ?」
「き、今日は一日実践訓練なんて如何ですか?久々に動きたくなってきました!」
二人に更に実力的に置いていかれるわけにはいかないと気合いを入れる。
「いいですわね、たっぷり付き合って差し上げますわ。」
「そうだな、たまにはいいかもな。ん?なんだあの人混み?」
ネオンにキツイ訓練をしてやるかと思っていると、櫓達の進行方向に人だかりが出来ている。
遠巻きに何かを見ている様だ。
「離して!離してよ!」
人だかりが見ているであろう方角から女の子の叫び声が聞こえる。
「あの声は!」
「知り合いですか?」
「ああ、ちょっと見てくる。」
「私達も行きますわ。」
三人は人だかりに混ざり騒ぎの中心に移動していく。
「離してったら!」
「大人しくしろ小娘。」
人だかりを抜けて見た先には、ローブを全身に纏っていて口元しか見えていないが、数日前に冒険者ギルドで出会った希望の光のリーダーであるメリーが二人の騎士に腕を拘束されて、身動きが取れずジタバタしている。
その横ではぐったりとして動かない状態の藍が同じく両手を騎士に掴まれている。
「ぐへへへ、若い女は活きがよくて堪らんな。」
騎士を左右に従えている太った男が言った。
ジャラジャラと光り輝く悪趣味な装飾品を幾つも身につけており、如何にも金持ちで偉い奴と言う雰囲気が漂ってくる。
(権力にものを言わせて好き放題やるみたいな奴か。そう言うの一番嫌いなんだよな。)
悪者はどちらか一目瞭然で分かるので、助けてやろうと歩み出る。
「や、櫓君!?ちょうど良いところに、お願い助けて!」
「ん?おおお、なんと美しい!」
メリーの声に反応して太った男がこちらを見ると、嬉しそうな声を上げる。
櫓の両脇にいるネオンとシルヴィーを舐め回す様に観ている。
「そこのお前、両脇にいる女を置いてこの場から立ち去るがいい。」
太っている男に指差されて言われたが、無視してメリーの方に近づいていく。
「聞こえないのか、お前だお前。私を無視するとはなんと無礼な、さっさと消えろと言っている。」
櫓はメリーの近くに行くと拘束している騎士の腕を素早く一つずつ掴み、力を入れていく。
「何をする、離せ無礼者!」
「くっ、なんだこの力は!」
段々と掴む力が強められていくと、騎士達はその痛みに思わずメリーから手を離し、自由なもう片方の手で櫓の手を退かそうとする。
しかし固定されているかの様に動かせず、ついには痛みに耐え切れず膝をつき痛みに悶えている。
メリーは拘束から解き放たれると太った男や騎士から見えない様に櫓の後ろに隠れる。
ネオンとシルヴィーも藍を拘束している騎士達を素早く気絶させて藍を保護してくれている。
「そこのお前達、私の騎士に何をしている、無事に帰れると思うなよ!」
「その言葉そっくりそのまま返してやる。」
櫓が舌を出して挑発してやるとそれを見た太った男は怒りまくっていた。
近くにいる騎士達は男の怒りと共に腰に差してある剣を抜いた。
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