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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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88話 盗賊退治の報酬

6月29日投稿の話を日付間違えて6月30日にしてました、すみません〜。

本日2日分投稿します。

「遠いみたいだし明日には出発したいところだな。」

「この盗賊達はどう致しますの?」

「手筈は整えてある。」


櫓が言うと同時に目の前に突如クロードが現れる。


「櫓様、たった今到着された様です。」

「タイミングばっちりだな、さっそく案内してくれ。」

「承知しました。」


少しすると何人かの武装した者達がクロードに案内されてきた。

その中から唯一の装備類など身に付けていない女性が歩み出てくる。


「貴方が櫓君ね、アリーネから聞いているわ。私はエレナ、よろしくね。」

「今度は信用できると良いんだがな。」


エレナから差し出された手を握って握手しておく。


「貴方の言いたいことも分かるけど、冒険者ギルドと関係の深い私の奴隷商会に、貴方の信用する受付嬢がわざわざ頼み込んできたのだから少しは信用できるのではなくて?」

「仕事をしっかりやってくれればな。」

「疑り深いわね、まあいいわ。そこの檻の中の全員でいいのかしら?」

「ああ、暫くは気絶してて起きないと思うぜ。」

「なら早速品定めさせてもらうわね。抵抗してくる者がいたら即座に取り押さえなさい。」


奴隷商人のエレナが護衛の武装した男達に指示を飛ばして檻の中に入っていく。


「奴隷商人を呼んでいたんですね、いつ連絡したんですか?」

「村で盗賊の話を聞いた時にクロードに頼んでおいたんだ。傭兵団同士で連絡できる魔法道具を持っているらしいから、奴隷商人を急ぎで用意してくれって言ったんだ。」

「それにしましても随分と早く来てくださいましたわね。」

「旅を急いでいるから、盗賊を捕まえたが急いで来ないならこのまま解放すると言ったのが効いたのかもな。」

「そんなことをすれば犯罪ですわよ?」


シルヴィーが呆れた様な視線を向けてくる。


「冗談だ、アリーネだってそれくらい分かってるだろ。」

「アリーネからは、櫓君ならやりそうだからなるべく急いでって言われたけどね。」


檻の中から査定が終わったのか、エレナが出てくる。


「終わったのか?」

「犯罪奴隷の値段って大体決まっているのよ。そこから男女、年齢、スキル持ちかどうかなどによって値段が上下するの。」

「幾らで引き取ってくれるんだ?」

「盗賊団総員百八名、金貨二百枚近くにはなるわね。それでお金は持ってきてほしいって要望だったから、結構持ってきたつもりだったんだけど、二百枚には全然足りないわ。」

「どれくらい足りないんだ?」

「持ってきたので金貨百枚と少しってところね。」


エレナの後ろから金貨がずっしりと詰まった袋を持った男が歩み出てくる。


「ならこれは貰っておこう。」


櫓は金貨の入った袋に手をかざしボックスリングに収納する。

平然とした態度で受け取ったが、結構な量だったので心の中でガッツポーズしていた。

櫓が空間魔法付与の魔法道具を持っていることは、ロジックで生活していた時に結構知られていたので、エレナも護衛の男も驚きはしない。


「残りの分はどうする?値段分売るの辞めとく?」

「冗談だろ、こんな大勢連れて行ったら邪魔になる。」

「と言っても引き取る分のお金はもう無いわよ?」

「それなら良い奴隷が入ったらうちの拠点に売ってくれ、代金は残りから払う。」


櫓は元々拠点を任せているサリアに、旅先で人員確保や物資確保した際に拠点に送ることもあるだろうから、受け入れなどを頼んでいた。

拠点を増員できれば、商会の規模も大きくして情報収集なども捗って櫓にとっても都合がいい。


「それならこの盗賊達をそのまま拠点に入れれば良いんじゃないかしら?」


エレナは檻の中を指差して訪ねてくる。


「犯罪奴隷は買わないことにしてるんでな、商会は信用が第一だ。」

「なるほどね、わかったわ。犯罪奴隷ではなく商会に向いてそうな人がいたら櫓君の拠点に紹介しに行ってみるわね。」

「交渉成立だな。」

「じゃあ盗賊団全員奴隷契約して連れて行くわよ。」

「ああ、もう俺たちに用はないよな?」

「大丈夫よ。ああ、そう言えばアリーネから無事に帰ってきてね、無理はしないでって伝えてって言われてたんだった。」

「心配性なやつだな、でもありがとうって伝えてくれ。」

「わかったわ、気を付けてね。」


軽く手をあげて答えて四人は洞窟を後にして、街道沿いに歩いていく。


「さてと、やっとひと段落だな。」

「思ったよりも盗賊の件で時間とられてしまいましたね。」

「それでも魔王らしき手掛かりを掴めたのですから無駄ではありませんでしたわ。」

「そう言うことだ。リシェス湖って街道沿いに行けるのか?」

「途中までならば街道沿いで問題ありませんわ。」

「なら問題なしだな。」


櫓はボックスリングから馬車を取り出して、街道沿い近くに繋いでいた馬に取り付ける。


「ミズナ、御者行けるか?」

「まかせる・・・。」


ミズナは櫓が確認を取る前に、既に御者席に移動していた。


「よし、なら次はリシェス湖を目指して出発だ。」


三人が馬車に乗り込んだのを確認して、ミズナは手綱で馬を操り街道を走らせた。

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