87話 魔王の手掛かり
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盗賊達を全て倒した翌日、捕まっていた村娘達を連れて、朝早くから夜まで一日かけて村まで連れ戻った。
村に着くと家族や恋人との再会に涙を流して喜んでおり、何度も何度もお礼を言われた。
村長には約束通りにポーションの材料となる薬草を育ててもらえることになったので、ロジックの冒険者ギルドの受付嬢アリーネの名前を教えておき、拠点との取り次ぎをしてもらうことにした。
そして櫓の美味しい料理に胸打たれた村娘達の要望で料理教室を開き、香辛料などの必要材料も教えておく。
流石に育て方までは知らないので、試行錯誤頑張ってやってみると言っていた。
「じゃあ俺たちはこれで。」
「何から何まで本当にありがとう、君達はこの村の恩人じゃ。」
村長に続き多くの村人達が頭を下げてくる。
「これは取引なんだから気にするな村長。薬草の件頼んだぜ?」
「任せてくれ、恩にはしっかりと報いる。」
「ああ、さて戻るか。」
「櫓様、肝心なことを聞き忘れてますよ?」
ネオンが指で軽く突いてきながら小声で言った。
櫓は何のことだと思ったが、そもそも何のためにこの村に来ていたのかを思い出した。
「そうだった、この村に来た目的を忘れるところだった。」
「櫓様、しっかりしてくださいよ〜。」
「時々ぬけていますわよね。」
「ご主人はうっかり・・・。」
仲間達の言葉を無視して村長に質問する。
「元々ルクトの村に来たのは聞きたいことがあったからなんだ。」
「なんじゃろうか?知っていることならば答えさせてもらうぞ。」
「魔王についてなんでもいいんだが情報を持ってないか?」
「魔王?わしは特に知らんの〜。元々訪ねてくる者もそこまで多くないから情報も入ってこんのじゃ。誰か魔王について知っておる者はいるか?」
村長が辺りを見回しながら尋ねると皆知らない様だ。
その中で一人の村娘がおずおずと前に出てきた。
「あの、聞き間違いだとしたら申し訳ないのですが、盗賊に連れ去られた時に魔王について話していた様な気がします。」
「盗賊達がか?」
「はい、魔王と言う単語が聞こえた気がしまして。」
「なるほど、ありがとう洞窟に戻って調べてみる。では改めて行くとするか。」
村人達は櫓達が見えなくなるまでずっと手を振っていた。
四人はルクトの村を後にして洞窟を目指す。
馬車を引いていた馬を連れて戻ったが、なんとか日が沈む前には到着した。
「戻ったか。」
「ああ、悪いな見張ってもらって。」
「助けてもらった恩に比べればこれくらい訳ない。」
村娘達と一緒に捕まっていた冒険者パーティに離れている間の見張りを頼んでおいた。
盗賊団はこれで全員だと言うことは、団員を脅して聞き出していたので分かっていたが念のためだ。
「お前達に聞きたいことがある、魔王について知っていることがあるなら話せ。」
「なんでそんなこと教えなきゃいけないんだ。」
「まったくだ、それに人にものを頼む態度じゃねーよな。」
「土下座かここから出してくれれば考えてやってもいいぜ?」
牢屋の中で捕まっているというのに、櫓の言葉を聞いて好き勝手な事を言い始める盗賊達。
「ミズナやれ。」
櫓がため息と一緒にミズナに指示をすると、喚いていた盗賊達が静かになる。
水球で顔を覆われて、ガボガボと呼吸出来ずにもがいている。
一人また一人と意識を失って牢屋の中で倒れていく。
「苦しい思いをしたくないのであれば話した方が身のためだぞ?」
「は、話す、だからその攻撃はやめてくれ。」
「てめえ裏切るかガハッ。」
ミズナの攻撃に恐怖した一人の盗賊が話すと言い出すと、近くにいた盗賊がその盗賊に殴りかかろうとした。
櫓は話すと言った者以外の全てに電撃を浴びせて、意識を刈り取る。
「ひっ!?」
一人残った盗賊は周りを見てガクガクと震えている。
「話さないとさらに酷い目に合うかもしれないぞ?」
「櫓様楽しそうですね。」
「これではどちらが悪者かわかりませんわ。」
「ご主人は鬼畜・・・。」
「お前らは黙っていろ、それでどうする?」
「は、話すからやめてくれ。」
それから盗賊の男は怯えながらも魔王について知っている情報を話してきた。
ここから五大都市の一つである魔法都市マギカルに向かうまでに、リシェスと言う大きな湖がある。
元々は魚なども多く、透明で綺麗な湖で、遊泳で人気の湖だったのだが、いつからか強力な魔物が住みつく様になった。
魔物討伐として近くの町や村から冒険者がよく派遣されたが、あまりの強さに全て返り討ちにあった。
その強さに戦った冒険者達は、魔王の率いている魔物の集団なのではないかと思ったらしい。
「なるほど、可能性はありそうだな。」
「リシェス湖までは私達の馬車でも十日はかかりますわね。」
「それでも行ってみる価値はありそうですね櫓様。」
「ああ、可能性は全て潰していくぞ。それにこっちには水のスペシャリストがいるからな。」
三人の視線が眠そうにしている一人の精霊に注がれる。
「任せておく・・・。」
ミズナは自信満々にあまり無い胸を張っていた。
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