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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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85話 戦いで溺れる

「ボスどうしますか?」

「二人同時に仕掛けるぞ。」

「分かりました。」


合図をして盗賊の二人は同時に剣でミズナに攻撃を仕掛けてくる。


「おらっ!」

「ふっ!」


ミズナは首と胴体を切られ、三つに分けらたかと思いきや、全てが水に変わりバシャンと地面に落ちる。


「な!?何処に行きやがった?」

「こっちこっち・・・。」


声のした方を向くとミズナが両手をピストルの様にしていた。


「水鉄砲・・・!」


両手の人差し指から小さな水滴が勢いよく放たれる。


「ぐあっ!?」


ボスの傍にいた男の両足が撃ち抜かれ穴が空く。

男はあまりの痛みに立っていることが出来ずに膝をつく。


「これで一人終わり・・・。」

「動かなければ戦えないとでも?我が魔力を糧とガボガボボ、ゴボボッ!?」


詠唱しようとした時にミズナが、男の頭がすっぽり入る水球を出し頭を覆った。

詠唱が中断された元凶を振り払っても頭から離れず、指は水球に埋まるばかりで掴むことはできず、息だけがどんどん吐き出されていく。


「水城壁・・・!」


盗賊団のボスが助けようと近づいたのを水の壁を張って防ぐ。

剣で斬りつけているが、櫓の雷帝の攻撃ですら破れなかったのに、破れるわけがない。

その間に息を全て吐き出してしまい、溺れて気絶する。


「ちっ、厄介な技だ。」

「降参するなら痛い目に合わない・・・。」

「降参?笑わせるな。こんなとこで捕まるかよ!」


持っていた剣を逆さまに持ち直し、思いきり地面に突き刺す。

するとミズナの足元の土が盛り上がり、鋭い土の剣となってミズナを突き刺す。


「ふははははは、ざまあみろってんだ。」

「うっ・・・。」


ミズナは苦しそうな顔を浮かべて前のめりに倒れる。

地面に倒れた瞬間バシャンと全身水になり地面を濡らす。

勝ちを確信した様な顔をしていた盗賊のボスの顔が驚きに変わる。


「なんちゃって・・・。」

「また偽物だと!?」

「今のは魔力の消耗激しいからもう終わりにする・・・。」


ミズナが手をかざすとボスの足元に水溜りができ、そこから伸びてきた水の鎖が手足を拘束して自由を奪う。


「くそっ!?離しやがれ!!」


暴れて拘束を逃れようとするが、水の鎖が引きちぎれる様子はない。


「うるさい静かにする・・・。」

「ゴボアッ!?」


足元の水溜りから伸びてきた水が勢いよくボスの口に流れ込んでいく。

最初はバタバタともがいていたが、時間が経つにつれて段々と動きが弱々しくなってくる。

抵抗が無くなったのを確認して拘束を解くと、その場にバタリと倒れる。

水を強制的に流し込んでいたので、ボスの腹がかなり膨らんでいる。


「任務完了・・・。」


自分の相手を倒し終え、ネオンとシルヴィーの様子を見ると、二人ともまだ戦っていた。


「遅い・・・。でも危なくなるまで加勢はするなってご主人に言われた・・・。」


たまには強敵との戦いを存分に経験させようと櫓は考えていたので、ミズナには手を出さない様に言っていたのだ。

櫓の言いつけを守り黙って待つミズナ。

五分ほどするとどちらも戦いが終わり、倒した相手を引きずってこちらに向かってくる。


「二人とも遅い・・・。待ちくたびれた・・・。早く戻る・・・。」


ミズナも自分の倒した二人を引きずって洞窟に歩き出す。


「申し訳ありませんわ、久々に対人戦を楽しんでしまいました。」

「と言うかミズナ様が早すぎるんですよ〜。」

「これでも手加減した・・・。ご主人に殺すなって言われてたから・・・。」

「それでもかなり痛めつけてるみたいですね。」


ネオンがミズナの引きずっている二人を見て言う。

一人は両足を撃ち抜かれており、もう一人は水の飲み過ぎで妊婦の様に腹が膨らんでいる。


「ネオンさんも人のことは言えませんわよ、私もですけれど。」


ネオンの倒した盗賊の女は、ポーションを振りかけて軽く治療したがまだ至る所に火傷の跡が残っている。

シルヴィーの倒した男も、ポーションで治療はされ、槍で貫かれた部分は再生したがボロボロである。


「ま、まあ加減しすぎると此方が危険ですから仕方ありませんよ。」


ははははっと誤魔化すように笑うネオン。

天剣の上位の技は、元々の威力が高すぎるため、加減したとしても普通の人間が耐えるのは難しい。

ある程度戦闘に慣れていたからこそ、咄嗟の防御や良い装備などに救われて耐えることが出来たのだ。

ネオンも攻撃を放った瞬間に、思ったより強い攻撃になってしまい、無事を確認して密かにホッとしていた。


「殺されては意味がありませんからね。櫓さんが殺すなと仰っていたのも犯罪奴隷として売る時の値が下がるからでしょうし。」

「え、そんな理由なんですか!?」

「それ以外に盗賊を殺さない理由なんてありませんわ。私達の実力ならばそれが可能だと判断されたのでしょうから。」

「一応信頼されているってことですかね。」

「もう盗賊の事なんてどうでもいい・・・。それよりご主人にこき使われてお腹減った・・・。」

「沢山動きましたものね。」

「よおーし、帰ったら美味しいご飯を要求しましょう!」


三人はあれが食べたいこれが食べたいと晩ご飯について話しながら洞窟を目指した。

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