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うっかり女神に邪神討伐頼まれた  作者: 神楽坂 佑
1章 異世界転生
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77話 化け物スペック

「おーい三人ともちょっと来てくれ。」


村人に囲まれて感謝されていた三人に事情を説明するために来てもらう。

そして近くにいた村長と女の子の親には、ボックスリングから取り出した大量の新たな肉や野菜を村人達と食べて来いと言って渡してやる。

これ以上は貰えないなどと言ってきたが、先程櫓が取り出して焼いた肉など、村人の人数に比べたら一食の食事としては物足りない量だ。

せっかく依頼を果たせても、空腹で働けず報酬が貰えないと意味がないという言い方をして無理やり押し付けてやると、再び物凄く感謝された。


「話は聞こえていたか分からないが、盗賊を倒すことになった。」

「あっちの村人の人達にも盗賊についての話をされました。」

「許せませんわ、早速向かいましょう!」

「盗賊の場所わからない・・・。」


ミズナは首を軽く傾げてどうするのかと言う視線を向けて来ている。


「策は考えてある、クロード!」

「こちらに。」


櫓が名前を呼ぶと何処にいたのか、一瞬で櫓達の近くに来て跪いている。


「この近くに盗賊が居を構えているらしい、居場所を突き止めて欲しいが出来るか?」

「お任せ下さい、皆様は寛ぎ待っていただければ。」


そう言い残してクロードは再び櫓達の前から姿を消した。


「一瞬で消えましたね、何かのスキルでしょうか?」


ネオンはクロードのあまりの速さに驚いている。


「それが確認したけどスキルなどは持っていないんだよな。」


櫓達について来ている、クロード、フレア、サリーの三人はスキルを所持していない。

予め詠唱していた魔法か魔法道具などの効果ではないかと考えられた。

クロードが戻るまでの間、四人も軽く昼食でも取って待っていると、失礼いたしますと言って近くにクロード達三人と気絶した男一人が突如現れる。


「まだ一時間も経っていないのに突き止めたのか?」

「それだけあれば十分で御座います。ロジック方面に十キロほど行ったところの左手にある岩山の洞窟に居を構えていました。」

「その男は?」

「盗賊団の一味で御座います。洞窟近辺を一人で歩いているところを発見したので、拉致して拷問しました。」


気絶している男の身体は拷問のせいかボロボロだった。

それでも死んではいない様であるし、血も大して流していない。


「何か情報は得られたのか?」

「はい、盗賊団は約百人はいる様です。しかし盗賊団を纏めている上の者達が現在別行動しているらしく、今は洞窟には七十人ほどしかいません。しかし今夜残りの三十人も戻ってくると言っておりました。盗賊団を纏めている者達はBランク冒険者相当の力を持っているらしいです。」

「なるほど充分だ、後はゆっくり休んでくれ。」

「「「はっ!」」」


三人は現れた時同様一瞬でまたいなくなった。

気絶した男は逃げられない様に、既に手足を縛られていたので、村人達に引き渡し見張っておいてもらう。


「じゃあ早速向かうとするか。」

「馬車で向かいますか?」

「いや、それだと時間がかかるから走って向かうぞ。」


櫓とシルヴィーは馬より速く走ることなど造作(ぞうさ)もない。

ネオンも櫓達と同じ速度で走れなくはないが、前に試してみたところ櫓達の本気を出していない走りに対して、ネオンは全力疾走して同じ速度と言ったところである。


「それがいいですわね、捕まっている者達もいつまで無事かは分かりませんから。」

「走るのやだから着いたら呼んで・・・。」


ミズナはそう言い残すと櫓の左腕に付けてある精霊の腕輪に姿を消す。


「よし、行くぞ。」

「お二人に付いて行けるか不安です。」

「大丈夫ですわ、ネオンさんの全力疾走に合わせますから。」

「私は全力疾走確定なんですね。」


はははとネオンは渇いた笑い声をあげていた。

村人達に行ってくると伝え、クロードに言われた場所に向け、足を魔装して風の様に走る三人。

五分少し走ると目的地である岩山の近くの街道に到着する。


「ここだな。」

「はーはーはーはーっ。」

「岩山の上の方に洞窟の様な者が見えますわね。」

「よし、ネオンの息が整ったら向かうとするか。」

「分かりましたわ。」

「はーはー、なんで、お二人とも、息切れ一つ、はーはー、してないんですか?」


汗をかき息切れしているネオンと違い、櫓とシルヴィーは息切れどころか汗一つかいていない。


「俺にとっては軽いジョギングと言った所だからな。」

「ネオンさんも前に走った頃よりは速くなっていましたわ、そのうち追いつけますわよ。」

「ジョギング・・・、はーはー、追いつける気が、はーはー、しないです。獣人の身体能力をもって、はーはー、人間のお二人に付いて行くのがやっととは。」


獣人とは人間よりも身体能力や五感に優れた種族である。

なので獣人が人間に身体能力で負けることは基本的にはない。

しかし基本的にはないだけで、櫓やシルヴィーの様な普通の人間と言えない者達もいるので絶対ではない。


「鍛え方が違うな。」

「鍛え方が違いますわ。」

「はーはーはーはーっ。」


ネオンは黙って息を整えることに集中した。

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